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万能使いの巻き込まれ異世界冒険記  作者: シャミュナ
第3章 王都前の騒動編
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魔物戦 決着

「さて、やりますかっと」


 リア達と別れた後、軽く伸びをし目の前で長い舌を出しながらこちらを威嚇する蛇と対峙する。やはり体が大きいからか威圧感がある。しかしそれが直接俺のコンディションに影響するかと言われたらそんなことは無い。頭の中でこれからどう倒すか考えを纏めながらいつでも戦闘が開始できるようにする。そんなことをした瞬間にも蛇は口を大きく開けながらこちらに突進してくる。その口から生えた長く鋭利な牙に噛まれでもしたら大怪我どころで済まないだろう、と冷静に思いながらも迎撃態勢に入る。まずは飲み込まれないよう口を塞がせるために空間操作で開いた口の中の空間を消去する。そうすることで空いた空間を繋がれ、結果蛇の口が物凄い勢いで閉じられた。突然の出来事からか牙が口に刺さりそこからダメージを受けた蛇は苦悶の雄たけびを挙げた


「うお、うるせっ・・・」


 予想してたよりもボリュームが大きく思わず耳を塞いでしまった。聞き耳スキル発動してなくて良かった・・・


「とりあえずその巨体で動かれると邪魔だからさっさと決めるか」


 魔力を集め一定値に達した所でそれを解放する。発動するのは氷魔法、魔法の制御が苦手だから威力の調整は未だ完全では無いがこういう時は調整関係なくぶっ放せるから楽なもんだ


「凍っちまえ」


 放ったのは只の冷風である。これは物を冷やすといった謂わば生活魔法の部類の魔法なのだが、俺が使うとなるとそれはまた効果が変わってくる。たかが物を冷やすだけで殺傷力もない魔法ではあるが、それを俺が制御せず打てばどうなるか、只の冷風は吹雪と化すのだ。迫ってくる吹雪に対して回避することも出来ずにスパイクスネークは氷漬けになる。しかしまだ死んでいないので最後のとどめを刺す

 氷塊と化したスパイクスネークにウインドランスを打ち込む。ウインドランスは氷塊を貫通し、そこにくり貫かれた跡が残る。そしてスパイクスネークに背を向けて指を鳴らす


「これで終わりだ」


 パリィィィィン


 ガラスが割れたような高い音を鳴らしながら氷塊と共にスパイクスネークは砕け散った

 最後の指を鳴らしたのは単なる演出としてやったが、思い返して羞恥心が出てきた。カッコつけたはいいが恥ずかしいなぁ・・・


「まぁここは異世界なんだしこんなことしても誰も気にしないよな、平常心平常心」


 それにしても案外早く終わったものだ。セブンクジャクの方はどうなっているのか見てみると、あっちの方ももう少しで終わりそうであった。ここで俺が参戦する必要性も無さそうなので地面に胡坐を掻いて観戦することにした


 ーーー(リア視点)


 時は少し戻り、ケータ達と別れた所から始まる

 ケータの指示でセブンクジャクへ私、ファニ、魔女の三人編成で戦う事となり、私たちはさっそくセブンクジャクと対峙した


「では作戦通りまずは遠距離から魔法で削りましょう。頃合いを見て私とファニが飛び込むので魔女さんには援護をお願いします。ファニは私のフォローをお願い」


「しかと承ったのじゃ」


「うん分かった。安心して、魔法には自信しかないから」


 簡単な作戦を練りその確認をし終わったら早速三人で魔法を打ち出していく


「切り裂けカマイタチ」


「アクアカノン」


「マジックコード・ドンナー」


 私は風の刃を、ファニは水の砲撃、魔女は雷を放った。体がデカい分回避しきれずにカマイタチは空を飛びながら躱されたが避けた先に向かって水と雷が順に襲い掛かった。水で翼は濡れ、更に雷によるダメージを受けたセブンクジャクは飛び続けること叶わず地面に落ちていく。そのタイミングで私は両手剣を握り飛び出した。それに追従する形で後にファニが続く


「援護するよ、マジックコード・シェプレーゲン」


 魔女は杖の先端から炎の玉を四つ生成しそれをセブンクジャクへと撃つ。着弾したそれは大きな音を鳴らし爆発しダメージを与える。爆発により発生した煙の中を感覚だけを頼りに進んでいく


「マジックコード・ナアト」


 今度は私とファニに能力強化系の魔法が掛けられる。それはこの煙の中でも視界がはっきりとなる魔法だった。これで敵の姿が見えるため無駄の動きを無くしながら近づきその体へと一太刀を入れる


 クアァァァァァァッッ!!


 攻撃されたことに咆哮を上げ翼で私のいる場所を薙ぎ払う。それを飛んで避けて両手剣を地面に向けることで重心を下にし綺麗に着地する。そこで先ほど振った翼を戻すように再度薙ぎ払う。背後目掛けて徐々に近づいてくるそれを無視して私はセブンクジャクにもう一太刀を入れる。流石に振り下ろし剣をすぐに防御するのに回せなく棒立ちするが問題は無い。当たる寸前の所で翼は止まったからだ。その翼には糸が食い込んでおりダメージも与えている


「ありがとうファニ」


「まだ終わっておらぬぞ」


 糸で攻撃を止めてくれたファニに感謝の言葉を言うがファニの言う通りセブンクジャクが魔法を発動しようとしていた。私とファニが立っている地面に魔法陣が展開され魔力がそこへと流れ込んでいる、もう発動するということである

 魔法陣から離れるようにその場から飛び回避しようとするが少しタイミングが遅く、さらに魔法の規模が大きいため避けきれなそうなのを悟る。直後魔法陣から炎の柱が天の雲を貫く勢いで発現する。急所だけ防ぐように身を構えようとするが、何かに後ろへと引っ張られる。引っ張られた先に居たのはファニで、糸で私を引っ張り攻撃に当たらないようにフォローしてくれたようだ


「無事かの?」


「えぇ、大丈夫です。助かりました」


「リアよ、あの七つの首全部切り落とすことは可能かの?」


「どうだろう・・・、この剣じゃ時間掛かると思うけど出来なくはないかも」


「ふむ、分かった。では儂とリアで三つずつ、そして最後は一緒にでどうじゃ?」


「いいですね、そうしましょう」


 ファニと分担してセブンクジャクの首を落とすことにした私は早速真正面から突撃する。そこに二つの頭がくちばしを大きく開けて襲い掛かってくる。まず手前の頭に対して両手剣をくちばしの下顎を狙い下から掬い上げるように思いっきり振り上げる。顎を切られ砕かれたセブンクジャクは怯んだ、その瞬間を見逃さず頭の下に潜り込み無防備に晒された首を一閃


「まずは一つ」


 次に迫りくる頭に対しては紙一重で体を逸らし攻撃を避けてそのまま横から首を切り裂き再起不能にさせる。これで二つ目である。三つ目も同じ要領で紙一重で避けて斬り落とす。そして最後の四つ目となる

 ファニは既に他の三つの頭を落としておりちょうど真ん中から生えている頭が最後となった。セブンクジャクは最後に残った頭一つで威嚇をするがそれに怯まずに間合いを詰めていく。セブンクジャクの翼に魔法陣が展開されそこから無数の火の玉が飛んでくるが減速する事無く避けながら近づく。そしてあと5mといった所で真上へと高く跳んだ。こちらをセブンクジャクが私を見上げる位置になり空中で無防備な状態となるのを敵が見逃すはずもなく口を開けて魔法陣が展開されている。このままでは攻撃が直撃してしまうが私はこれを待っていた


「あとはお願い!」


「任されたのじゃ」


 手に持った両手剣をセブンクジャクの口の中目掛けて投げる。魔法が打ち出される瞬間、剣が突き刺さり小さな爆発が起きる。剣は刺さったままだがまだ決定打は与えられてない。そこでファニが後ろから跳んできて空中で三回転し右足を前に突き出す


「マジックコード・オルカーン!」


 魔女がファニに支援魔法を掛けるとファニが竜巻に包まれる。そのままファニは剣の柄目掛けて飛び蹴りをする。蹴りと竜巻の衝撃が全て剣に伝わり見上げるよう顔を上げていた頭は脳天を貫きセブンクジャクを絶命させた

 生命活動を停止し脱力したセブンクジャクの身体は地面へと倒れ伏す音が、この戦いの終わりを告げていた



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