リア編1
リア視点です
ご主人様であるケータからお休みを頂いたリアは一日目は街に買い物に出ていた。特筆すべき点もない1日目であったが2日目となる今日は違いそうだ
前日の夜、夕食を食べる時にケータから図書館に誘いが来たのである。予定も既に1日目に済ませていたので断る理由が特に無いため同行する事にした。ケータいわく知識は時に金で買えない程の価値があるということで、私も図書館で様々な知識を蓄えさせておきたいらしい。
今まででは本を読むなんて有り得なかったため少しワクワクした状態で宿の朝食を摂りながらケータが来るのを待っていた
朝食を食べ終えたタイミングでちょうどケータが起床し部屋から降りてきた
「おはようリア。朝食はもう済ませてたのか、悪いな待たせちゃって」
「いえ、私も今来た所なので」
「いやそれだとリアが秒で朝食を食べ終えたことになるぞ……」
気を遣いすぎて言葉が変になってしまった。確かにこれでは私が大食いだと思われてしまう、すぐに訂正しなければ
「すいません、本当は少し前からここで待っておりました」
「分かってるさ」
そのままケータが食べ終わるのを待つこと数分、ケータは出発の準備をしいよいよ図書館に向かう、前にギルドへ行くそうだ
どうやら図書館までの案内をギルド職員がしてくれるそうだ
カランカラン
ギルドの扉を開け鈴の音がなると毎度のことながら中にいる冒険者達の視線がこちらに集中する。これには正直慣れない、ちょっと萎縮してしまう
しかしケータ様の手前情けない姿は出来ないため胸を張り堂々と中に入る
カウンターに行くケータの後ろに追従する
「図書館までの案内を頼みたいんだが」
ケータがポケットから手紙を出して受付に渡す。受付はその封を開けて中身を拝見すると他の職員を呼びに行った
数分後連れてこられたのは水色の髪を肩の所で切り揃えた女性の職員だった。その職員の頭と腰には私と同じものが付いていた、つまり獣人ということである。形状からして兎でしょうか
「お待たせしました。こちらが今回案内を担当する職員です」
「シノミ、兎の獣人です。まだ職員になって間もないですがよろしくお願い致します」
今回はシノミさんがあんな図書館までの案内を担当するようだ。シノミさんの案内の元図書館までの道を歩いていく。道中での会話は0。てっきりこういう時はケータ様が何か話すかと思っていたので内心驚いている
黙々と目的地までの道を進んでいくうちにある建物の前にたどり着いた。これが図書館なのだろうか
「こちらが図書館になります」
「案内ありがとな、また何かあったら頼む」
案内を終えシノミさん元来た道を辿り帰っていく。ケータのよろしくというお願いにも少し頷き返事をするだけで、これまでの事を考えると彼女は感情があまり表に出ないのかもしれない、ただ私達の事を深く考えてないというのも否定は出来ないが
「じゃあ入ろうか」
「はい!楽しみですね」
「そんな嬉しそうにするなんて、本が好きなのか?」
「いえ、ただ今まで本を読んで知識を付ける、学ぶなんてことは考えられなかったので。だから、こうして本を読めることが嬉しくて楽しみなんです」
そうか、とケータは笑みを浮かべる。本当にこの人は優しい人だ。病気で死にかけていた私を、奴隷であった私を助け命を救ってくれた人。どれ程感謝しても足りないぐらいのものを私はこの人に貰った。その恩を少しでも返すためにも今日は知識を付けなければならない。そうすることで今後ケータ様の役に立つ時が来ると思うから
「それじゃ行こっか、リア」
ただこうしてケータ様に名前を呼ばれることが幸せだな、と思い私達は図書館に入館した
ーーー
図書館の入館には1人銀貨1枚が必要だった。勿論問題無く支払えたが何故本を読むだけでお金を取られるのか疑問に思いケータに聞いたところ、盗難の予防策と聞いた。本1冊やそこらでは銀貨1枚分の元が取れる訳でもなく、かといって大量の本を持って出たらすぐにバレる。そういうことらしかった
しかし無限収納があれば盗難予防策も意味が無いのでは?と思ったが口には出さず心に閉まっておくことにした
「それにしても本が多いですね、何冊あるのでしょうか」
周りを見渡すとどこもかしこも本が棚に並べられている。棚自体が視界にあるものだけで数十個ほどあるため、その中に収納されている本の数もとても多いのだろうと予想できる
読書スペースとして置かれている長机にケータが選んで持ってきた本が何十冊と置かれる
「とりあえずこの世界の歴史だとか生態図鑑とかを選んで持ってきた。これを一緒に読もう」
これを全部読むのは時間が掛かりそうである。早速1番手前にある魔法解説書と書かれた本を手に取り読もうと思う




