第7話 なんですかこの集団は
「なんなんだあの兵器は!」
しょっぱなから知らない大人の叫び声が聞こえているが今私は議会を見に来ているんだ、理由は特にないらしいがとにかく見に来いとのこと。
「なんか元気だね」
モネは少しばかり呆れた顔しながら。
「夜更かしして本読んでいた魔王様がそもそも悪いのでしょう」
「でもまぁ、やっぱり元気だよね議会って」
なぜかは知らないが普通は裏でやるような喧嘩を表でやっているのは意味不明な気がする。
普通そういうのってお偉いさん同士でやるような気がするんだけどね。
ちょっと遠くから叫び声が聞こえてきて。
「税金の無駄遣いをするな!」
「必要だっただけだ!」
一応モネから議員の軍事派閥的なのを聞いたのだが今叫んだのって海軍よりの方らしいんんだ、今更だけど今って戦時下だったなぁって、グダグダだよね。
そんなことを考えていたら。
「大体、負けてばっかりの状況でなぜ変な兵器を作るのだ」
「勝つための手段を模索しているようにしか見えないのだがな」
「逆にそう見えないがなまるで見えないぞ」
ZZZ...
魔王様が飽きてしまったのでここからは私モネがお送りいたしますね、第四の壁は破っておいても損はないので。
あちらに見える方が空軍よりの方ですね貴族院側の民衆院議員とも言います。
「全くお前たちはなぜここで暴れているんだ」
「「やかましいわ!」」
で、さっきもめていたのは海軍と陸軍寄りの方々になりますね、貴族院民衆院ともにおおよそ陸海空とその他で事実上派閥が分かれているうえに国防総省がないので致命的なまでに荒れます、統制もできませんし。
「あとお前は空軍寄りのようでなおかつ足元を見ているようだが、空軍も人のこと言えないからな?」
「どこが人のことを言えないって?」
「貴様の愛する空軍は馬鹿みたいにデカい鉄の塊を飛ばした挙句あっさり撃墜されているんだからな!」
そういえば遠目から見たときに火の玉になって落ちていたから相当の予算をかけていたんだろうなと。
魔王様はまだ起きていませんし。
まぁとはいえただの派閥で分かれている議員だけですら議会というには幼稚なことになりますから面白いものです、軍事予算のうち6割がた空軍という偏りすぎているものだけど。
さて陸軍寄りの議員がなんか言っていますね。
「全く戦時下だというのに軍事予算を一向に増やさず、しかも激戦である陸戦を差し置いて海軍と同等の予算枠でなおかつ空軍に偏重しているというのはいかがなものか!」
そしてようやく議長が場を収束させようとした。
「静粛に」
ですがそんなので収束できるわけがなくて。
「そもそも事の発端となった議題は何なんだ!」
一応軍閥無所属で数えていい議員が何とか元に戻そうとしている。
「軍事予算の増額関係だ」
「それがどうして軍閥の争いになるんだよ!」
かなりの正論を言っていますねあの方は。
「議長!元の議題に戻しましょう!」
ようやくまともに議題が進みそうですよね、あまりにもグダグダなせいで魔王様のほっぺずっともちもちしていたくらいには酷かったし。
あと議長が仕切りなおした。
「え~、それでは軍事予算増額に関しての議題を再度行います」
「戦時下である以上増額はするべきだ!」
「増額しろというが今年の予算額を知っているのか?」
「今年の予算額は213兆4000億TCほどだろう?それで現状は軍事予算合計額がその20%ほどだ」
「十分多いとは思わないのかね」
「あと5%ほど増やしたいのだ」
豹変したかの如く冷静になるのはなんかのギャグですかね、不思議なものですよね。
ちなみに予算内訳自体は一番多いのが社会保険料なのでかなり健全な国ではあります、あと改訂版の方での軍事予算内での配分は空軍が56%で陸軍が30%となり海軍が14%という予算配分になったそうです。
「なんで海軍の予算枠がこんなにも小さいのだ!」
「そもそも海軍の出番なかっただろ!」
「だとしてもだな」
「そもそもこの国は陸軍のほうが重要なのだよならば減らされるのは当たり前だろう」
「クソ!」
さて可決投票が始まったようですが、海軍よりの議員たちが牛歩戦術をしていますね。
遅延行為っていうのはいろいろと嫌がらせになります、それ以上でもそれ以下でもないし実は与党が強硬をしかねないので自滅行為だったりするのでただの自滅行為ですね。
~2時間後~
ZZZ...
とうとうモネも寝てしまった、常時積極干渉とかいう理不尽魔法使っていたせいで体力がなくなってしまったのだった。
「いつまでちんたら歩いているんださっさと投票しろ!」
そのあと議会が無事ではないしいろんな意味で終わった、牛歩戦術中に水風船投げつけるやつがいたし魔法使って無理やり移動させたやつがいたし、投票の時は散々だったっていうのをたまたま聞いた。
そして議会が終わった後の誰もいない国会の議会を後にして。
アイリス寝起きの顔でふにゃふにゃ声になりながら。
「なぁモネ、途中から寝ていた気がするんだが...」
モネはすっきりしていそうな顔をして。
「残念ながら私も寝ていましたよ」
なお帰り道で国会の観光的なことをしてみた、割と広いんだねこれ。
ちゃんと歴代大統領の石像があったりとかしているし...ってえ?
「なんで石像の目の部分が赤く光っているんだ...?」
「その人なんか細かいことにも目を光らせていたそうなんですよ」
「うん、絶対しょうもない理由で光らせられているなこれ」
「彼の名前はディーというそうですよ」
割とどうでもいい話を聞きながらもう少し歩いていると歴代魔王の銅像も飾ってあった。
さびているのか黒ずんではいるがちゃんとその人らしさがある、何なら私の銅像もあるこれはまだ新しいのか金属光沢が生きていててっかてかに光ってやがる。
「こんなのもあったんだねぇ」
「そりゃ魔王ですからね」
「さて帰るか」
「たまには飛んでみますか?」
まさかのモネはしれっとアビトルを装備していた魔改造仕様らしく推力も定格の3倍に引き上げられているそうなんだ。
いちおうさ私も飛べるとはいえどうしてそうなるんだよ。
「魔王様の飛行時の熱風をくらうだけじゃなんか面白くないので一緒に飛んでみたいよねって思った感じです」
「だからといってなぜパワー三倍にしているんだ」
「魔法で最適な結果を探していたらこうなった感じです、赤い何者かがその速度で動いているので問題ないはずです」
「ちょっと何言ってるかわからない」
まぁしょうがないから飛んで帰ってあげたけど都市の住人から化け物を見る目で見られたね、だって圧倒的重低音と高周波音が同時に大音量でなっているんだからね地獄だよね。
一応これで今日は終わりかな...?
場所を変えて最前線、とある兵士の会話を盗み聞いてみよう。
「なぁ勇者のってどういう意味かお前は知っているか?」
「勇気がある能力の突出した人間のことなんじゃないのか?」
全然違うよとでも言いたそうな感じで笑いながら。
「実は勇ましい者という意味なんだ、言い方を変えれば狂戦士ともいう」
「うわぁ...」
「ちなみに勇者というのは人間が決めた区分らしいから別にうちらの国にはいないんだよな」
「テイザー王宮魔導帝国とかいう勇ましそうな名前しているくせにいないのかよ...」
最前線では勇者は全身重装甲に対魔力防護をしたうえで魔力を受け取る大剣片手に魔力をビームとして放つライフルを担いでいる化け物といううわさが広がっており定期的に目撃情報が出たかと思えばその最前線は崩壊しているというのだ。
その跡地には直径1mほどの大穴が開けられたトーチカや戦車の残骸があり、あらゆるところに斬撃が入ったような跡が存在しており、とても人間とは思えないような戦闘を繰り広げているようだった。
「まったく、上のやつらはうわさで聞く化け物とうちらを相手させようとしているんだから頭がイカれているよ」
「脱走対策なのか最近大量の酒とソーセージが届けられたけどな(笑)」
前線でも一日が終わった。




