プロローグ「異世界召喚と料理人」
料理開発という仕事をやっていた中山太郎は、異世界に女神の手違いで勇者と間違えて召喚されて、そのまま異世界に残って、元の世界=こっちの世界の料理を異世界にある食材や物だけで再現して食べる事が出来るか?――というテーマでの異世界料理人ライフです。
俺の名前は、中山太郎。今年で30歳になる一人暮らしの独身貴族です。
両親からは既に自立しており、俺の弟が面倒を見ている。仕事は大学卒業してすぐに入社し、料理開発の主任に去年の秋に就任した。
まあ、好きな料理や食材を扱う仕事だし、新しい料理を開発するのは悪くはない。だが、俺は本音を言えば――料理人や調理師になりたかった。
どうしてそんな話をしているかというと、
――調理師専門学校に行こうとして、料理開発学校に間違って入ってしまったのだ。
我ながら、とても恥ずかしい。書いてある文字を見間違えてしまったのだ。
前日に緊張して眠れなくて、酒を飲んだら、二日酔いと寝不足。
寝坊はしなかったが、やっぱり緊張気味だった。
まあ、試験はちゃんとしたし、無事に合格したから良いのだが、
元々、料理開発学校には――万が一にも料理学校や調理師専門学校に落ちた時の保険として、準備してたヤツだったんだけど。
調理師専門学校の試験日と料理開発学校の試験日すらも間違えてたんだ。
話がだいぶ逸れてしまったが、俺は今、料理開発を実際に行っている。以前から希望が多かった物だ。
だから、喋るのも今は止めて置く。
今回の試験料理はドラゴンフルーツだ。
見た事が無い人や食べた事の無い人に説明すると、ドラゴンフルーツとはサボテンの実だ。
主に、メキシコや中央アメリカ等の熱帯地域から輸入して仕入れる。
見た目は、外側が赤紫色、いやピンク色かな?――黄緑色や黄色い感じか――切った断面は、白い果肉に黒い粒々。
味は基本的に無い、そもそも味がしない。レモンやレモンドレッシング等をかけて食べる。
だが、とても瑞々しい――特に果肉がな、俺も初めて食べた時は驚いたが、まったく美味しくない訳ではない。他のフルーツやドレッシングに例えば、シロップ何て物も面白いと思わないか?
子供や小さい子供が食べる事を見越すならば、そういうのも面白いと思う。まあ個人差とか意見は別れるだろけどな。
なんやかんや言っても、この仕事(料理開発)も俺は嫌いじゃ無いな。
でもやっぱり料理人にはなりたいし、諦めたくないから、いつかは料理人になってみせるよ。
すると突然、中山太郎の周囲に光輝く魔方陣の様な物が出てくる。
「ん?何だ?――この光は?」
「主任!」
一瞬、何が起こったのかも分からず、困惑するスタッフ達。
光の輝きは更に強くなって、彼自身を包み込み、光と共に中山太郎が姿を消える。




