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■2024年12月11日
傲慢な王が言い出した。空に浮かぶ神々の国を落とし、我が物とする。そして高い塔を造り攻め込んだ。
だが王は勘違いしていた。天界は空に浮いているのではない。地上が天界から、鎖でぶら下がっているのだ。
そして、あわや天界と一緒に地上も落っこちかけた。落ちた先に何があるのか知らんけどね。
お題・天界落とし
■2024年12月11日
相手が自分を嫌いになるおまじないというのを、女学校で聞いてから。毎日やっている。
相手は許嫁。家の借金を返すからと決められた結婚。あいつは私を気に入ってるみたいだけど。本当いけ好かない男。
けど私にできることは他にない。だから毎日、あいつを思い浮かべ願を掛ける。まるで恋のようだ。
お題・呪われ
■2024年12月12日
なぜか殺人鬼の女に惚れられた。けど俺にも将来がある。いくら可愛くても、趣味で殺人鬼やってる相手は勘弁したい。
「あなたがいないと私、生きてられない!」
「流石に犯罪者は」
「なによ、私にこのまま死ねって言うの? この人殺し!」
いや人殺しなのはテメーだろ。
お題・らぶらぶ殺人鬼
■2024年12月12日
健康診断で胸に煩いが見つかり、徴兵を漏れた。だから周囲からは非国民と散々になじられたものだ。
それが戦後、私は病気も完治した。級友たちは皆戦死し、生き残ったのは私だけ。
ただ親友の「お前は戦争に行かなくて済むから羨ましい」という言葉が、今も胸に宿痾のように残っている。
お題・徴兵を逃れる病
■2024年12月12日
大好きだった姉ちゃんは祟り神の生贄に捧げられた。これも俺に力がないからだ。以来、俺は力を求め続け、気づけば神狩りとまで呼ばれるようになった。
そんな頃、近隣の村から人が訪れる。何の用かと尋ねたら
「いと恐ろしき神狩り様に生贄を捧げます」
連れてこられた娘は少し姉ちゃんに似ていた。
お題・力がないから
■2024年12月12日
私は恋人のいたことがない。可愛い方だと思うのだけど。今年の年の瀬も、腐れ縁の男友達と過ごしている。
「こうなったら、私たちで結婚するかね」
と冗談を漏らしたら、いきなりガッツポーズするヤツ。
「このために、お前に恋人ができるのを邪魔してきたんだよ!」
と告白されたので殴っておいた。
お題・結婚しようよ
■2024年12月13日
彼女をベッドに誘い込んだ。
「ゴムはつけてよね」
「あっ買い忘れた。まあいいや」
「ちょっと待って!?」
「それで僕ら結婚したんだよね。ははは」
「笑い事じゃないわよ」
いつまでも妻が何か説教する際は、あの夜を引き合いに出す。
もう何十年も経っているんだ。ゴムの話を延ばしすぎだろう。
お題・怒りのゴム
■2024年12月13日
塹壕の外から敵の銃声が近づいてくる。俺たちはもう駄目だ。なぜこうなった。
隊の皆は頑張ったよ。充分でない物資で、無茶な命令を果たしてきた。精鋭といってもいい。
隊長殿が騒ぐ。
「こうなったら玉砕で敵を皆殺しだ!」
ああ、そうか。俺たち頑張りすぎて、バカな上官を勘違いさせちまったか。
お題・無能
■2024年12月13日
同じゼミ生の奴をカフェで見つけた。珍しいな、普段はタイパ、タイパと無駄を嫌う奴なのに。どんな気まぐれだと訊いてみたら
「タイムパフォーマー全国大会で負けちまってな。タイパは趣味だけにするよ」
という話を聞きながら「そんなことに費やしてた時間が一番無駄じゃ」とは言わずにおいた。
お題・タイパ
■2024年12月13日
勇者の血を継ぐ王族のみが使える雷撃の魔法。これを魔法研究所が遂に解析した。これで誰でも簡単に雷撃魔法を使えます。
報告を聞いた国王は大激怒。勇者の権威を貶める気かと、怒鳴り声の雷が落ちた。
以来、魔法研究所はどうも緊張気味で、ピリピリしている。
お題・王の雷




