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■2024年12月9日

「美味い棒のお菓子あるじゃない」

「あの有名で安いやつね」

「新展開を考案したよ。香りを強くしてみた。さあ食べてくれ」

「……くっさ」

「棒のお菓子だけに、これまたストレートな感想だな」


お題・くさい棒



■2024年12月9日

初代王から伝わるという王権の杖。金箔や宝石でゴテゴテ飾られて、好きじゃない。


けどある日、刺客に襲われた。助けのない中、僕は杖を振り回し、刺客を返り討ちにする。


それで分かった。王権の根本とは暴力であると。金箔の剥がれた杖は初代王が使ったのか、古い血で真っ黒に染まっていた。


お題・王権の棒



■2024年12月9日

寒くなると外へ出なくなるせいか、考え事をしてしまう。昔付き合っていた、あの人やこの人。あの時、ああ言えば。この場合は、こうやれば。後悔がフラッシュバックする。


だから、せめて今の付き合いは丁寧にしないと。と、出したばかりのコタツの中で、あなたの足を蹴っ飛ばす。


お題・寒くなると



■2024年12月9日

時の木には百年に一度、時計の実が生る。ゆえに大勢の盗っ人から狙われた。時の木を守るため、この国の者たちは立ち上がる。


かくして長い長い戦いの末、今では鬱蒼とした時の木の森になった。ここを国の者たちは自分たちの時間、すなわち歴史が刻まれていると誇りにしている。


お題・時の木の実



■2024年12月10日

王宮を新築するのに、王様は天井にこだわった。もっと高くしろ。天井画も描け。シャンデリアに糸目はつけるな。


おかげで職人の事故は続出。工事の難しさに、予算は膨れ上がった。


これには流石に大臣も王を諫める。

「王よ、ここらでもう工事費用の天井です」


お題・天井の命令



■2024年12月10日

小国の王子は幼くして帝国の人質に取られる。しかし王子はこんな田舎より、賑やかな帝国に行けるのが楽しみでならない。


そうして王子は帝国で若武者に育つ。とうとう初陣となり、目覚ましい戦果を得た。


王子は武勲に酔いしれる。いま抱えた大将首が、自分の父王とは知らないまま。


お題・旅立ちの王子



■2024年12月10日

私は首締めフェチだ。といっても社会的責任もあるし、人を殺すなんて恐ろしい。


ただ時折、恋人に首飾りを贈ることで、首に触れる口実を作っている。私はそれだけで充分なのだ。


だが問題がある。あまりに首飾りを買いすぎたせいで、借金が増えてきた。このままでは私の首が回らない。


お題・首を絞める



■2024年12月10日

次の敵は十神将最強の戦士。是非とも戦いたい。正直、世界を救うとか興味ない。それに俺には言いたい台詞があった。「俺に任せて先に行け」だ。


だが相棒も同じ気持ちの様子。ここは先手必勝!

「ここは俺に任せて先に言え!」

「じゃあ、ここは僕が戦うね」

しまった。任せるものを間違えた。


お題・先に任せろ



■2024年12月11日

「n木のやつ、オカルト顔だよな」

集合写真を見て皆で笑う。

「悪かったね、辛気臭い顔で」

とそこにいたのは当人。

「す、すまなかったよ。悪気はなかったんだ」

「構わないさ。しかし僕の顔よりも、君の方がオカルトには気をつけなよ」

言われて集合写真を見ると、俺の肩には誰かの手が乗っていた。


お題・オカルト顔



■2024年12月11日

あなたからの愛が遠ざかるのが恐いから。心臓をくりぬいて、缶詰にしてしまった。


これで愛は永遠に保存される。声が聞けないのは寂しいけれど、缶詰に耳を当てれば鼓動が伝わるから平気よ。


けど最近は缶詰の蓋が膨らんできた。もしかして中身が腐ったか、私たちの子が宿ったのかもしれないわね。


お題・缶に詰める愛

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