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■2026年5月8日

急場の企画だったので内容を練り込む暇がなかったんだ。

「さあはじまりました、誰コンテスト! 優勝賞金はなんと一億円……で何するの?」

「クイズとか、早食いとか、どうにか時間を潰してよ」

「優勝はどうやって決めるの。えっ、一億円なんてない?」

「誰だよ、こんなコンテストやり出したの」


お題・誰コンテスト



■2026年5月8日

親の仇を追って来た江戸だったが、行方が分からない。そこで人の行き来を見張ろうと始めた団子屋が大当たり。今では手広く貸金までやる大店になってしまった。もう仇討ちなど忘れよう。


そこへ男がやって来た。

「金を貸してくれまいか」

彼の名前を聞いて驚く。

「そなた、我が父を憶えておるか?」


お題・団子の仇討ち



■2026年5月8日

子供の頃、火災に巻き込まれた。そこを救助されたが、助けてくれた人は代わりに亡くなったと聞く。以来、自分の生に申し訳なさを感じて、私も他人を救う仕事に就いた。


そんなある日、子供を助けて自分が負傷してしまう。今際の際に私は願った。助けたこの子まで、私と同じ道を辿りませんように。


お題・スティグマ



■2026年5月8日

お客様が来たのは四百年ぶりですね。彼は探索ロボだという。

「生き残りの人類はいませんか」

「当コロニーでは千五百年前に絶滅しました。残念です」

確認後、彼は旅立ってしまいました。


人類の生存か絶滅を確認するまで彼の任務が終わることはありません。願わくば彼の機能が全うされますように。


お題・悠久の旅



■2026年5月8日

ずっと言い忘れてたけど、二人の結婚指輪には細工がしてあるの。孫悟空の頭の輪っかがあるでしょ。浮気をするとセンサーが反応して、指を締め付けるようになってるのよ。まさに死が二人を分かつまで、ってね。


あら、あなた顔色悪いわね。石けん水とハンドクリーム? それなら洗面所にあるわよ。


お題・指輪



■2026年5月8日

「来世では一緒になろうね」

以来、君の生まれ変わりを探して、もう幾千年も旅を続けている。長すぎる時に、歩く足は折れ、肉は削げ、君の名を呼ぶべき唇も枯れてしまった。だが君は見つからない。今では記憶も朽ちて、自分の名も思い出せない。


今の僕に残るのは、君とのかけがえのない約束だけ。


お題・約束



■2026年5月9日

死んだ娘と結婚式を挙げてくれないかと頼まれた。いわゆる冥婚。可哀相に思い僕は承諾した。

「ありがとう、これで友人も浮かばれます」

とこの式の仲人さんに感謝される。

「娘さんが御愁傷様で」

「いいえ。友人は冥婚の仲人をしたいという夢半ばで亡くなりまして」

冥婚、そっちの需要もあるのか。


お題・冥婚援助者



■2026年5月9日

私たちは親の目をごまかすため仮面夫婦となった。そこへ保険の勧誘員がやってくる。

「夫婦で入れる保険はいかが?」

しかし私たちは仮面夫婦。

「結構です」

「でしたら、仮面夫婦でも入れる保険に。仮面夫婦だったのに子供が産まれた時の学資保険なんていかが?」

こいつ笑顔の下で何を知っている?


お題・仮面保険



■2026年5月9日

僕は子供の頃から将来のためを考えて行動してきた。理想の進学に就職。全ては完璧なキャリアを築くため。


だが親から謝られる。

「会社が潰れた。お前を大学へ行かせる学費がない」

そんな馬鹿な。


どうにか対策を講じよう。悩んで悩んで、こんなに苦しむのは完璧な人生じゃないと、全て放り投げた。


お題・完璧なキャリア



■2026年5月9日

この国の王は世界で最も清廉。特に人の血を見ることが大嫌い。苦しむ悲鳴や、死ぬ断末魔を聞くなんて怖気がする。


「だから他人をそそのかした?」

それでも王として人を断ずべき時は、他人を扇動した。憎しみを煽り殺し合わせる。

「だって手を汚したくないから」

と断頭台の上で王は笑顔のまま。


お題・清廉な手の王

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