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■2024年7月5日

大臣の長男に異世界転生して以来、経済学の知識で生き抜いてきた。父の後を継いでからも活躍。結果、まさか全世界の通貨を統一できてしまうとか。現代の地球ですら誰もなし得なかった大業じゃないか。己の成したことに震え、後悔する。


冗談で共通通貨の名前を「円」にしたのはまずかったかな。


お題・取り返しのつかない通貨



■2024年7月5日

急に暑くなったかと思ったら、蝉の抜け殻を見つけた。きっと今日にも、うるさい鳴き声が聞こえるのかもしれない。


秋になり、死にかけた蝉が急に暴れるのをセミファイナルと言うけれど。だったら沈黙し続ける、この抜け殻はセミファイナルの対義語、セミスタートってとこかな?


お題・蝉の抜け殻



■2024年7月5日

郊外には、無数のパイプが複雑に絡み合った大プラントがある。何を作っているか、そこで働く父に訊いた。すると何も作ってない。ひたすらパイプの中で玉を転がしている。


だがプラントも近々、移転になる。パイプの中を転がすだけでなく、プラント自体も転がさないといけないからなと寂しげに語った。


お題・転がし工場



■2024年7月6日

社会のキャッシュレス化により小銭を見かけることがなくなった。すると困るのは神社のお賽銭だ。五円玉は希少価値がつき、フリマアプリには高騰化した五円玉が並ぶ。


「見ろよ、あの金持ちのお賽銭。これみよがしに五円玉を使ってさ」

「俺たち貧乏人は頑張っても、一万円紙幣を使うのが精一杯だ」


お題・五円玉格差社会



■2024年7月6日

「へイラッシャイ!」

「看板にある天然ケーキとはどういうことだい?」

「うちで扱ってるのは瀬戸内で獲れたてピチピチ天然物のケーキだけだ。小麦粉だ砂糖だ生クリームだの混ぜ物は決して入れてねえぜ」

「いやケーキというのは小麦粉や砂糖を混ぜて作るんだよ!?」


お題・天然ケーキ屋



■2024年7月6日

肌寒いくらいだったのが、急な猛暑となった。日中は出歩けなくなったが、風はまだ涼しい。日が沈めば、あぜ道を散歩できるくらいに。


ブラック企業で体を壊し、郷里へ戻った。都会の夜は真っ暗だった記憶しかなかったが。歩きながら、田舎の夜は長く、割と明るいと気づいた。


お題・白夜はくや



■2024年7月6日

近頃のブルーライト文芸は水色の表紙で似たようなものばかり、けしからん! 僕は水色の表紙に反対するポスターを町中に貼っていた。すると

「手伝おうか?」

と手を出してきた彼女には、ある秘密があって? いま僕らの恋が始まる。


「という企画はどうですかね!?」

「ボツ」


お題・水色防止ポスター



■2024年7月6日

「しょせん愚民どもは候補者の公約なんて見てもない。選挙なんて知られてナンボ。目立った者勝ちだ。派手にやれえ!」


選挙当日

「昨日まで騒がしかったけど、いきなり静かになったな」

「で、あの人たち、どうして騒いでたんだ?」

「知らね」


お題・選挙で目立てばいい



■2024年7月7日

地域活性化のため古代の石版を発掘した。といっても偽造。刻まれた象形文字は適当なもの。


ところがこれが大騒ぎ。学者が来て、地元の人へ説明会をすることになった。


「これはね、古代に起こった戦争について書いてるんですよ」

「えっ、別にそんなつもりで書いたつもりは……」


お題・地域活性化象形文字



■2024年7月7日

織り姫と彦星を離れ離れにさせた天帝様は悩んでいた。

「ポスト七夕だ!」

「どういう意味で」

「七夕もそろそろマンネリ、次の七夕を考えねば。つまりポスト七夕」

「あいつら既にスマホでやりとりしてますし」

「だから手紙くらいは許そう」

「今さら?」

「そのために用意した、七夕ポストだ!」


お題・ポスト七夕

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― 新着の感想 ―
[一言] 私もたまに故郷へ帰るのですが、暗くなるといろいろ感じることがあります。それを思い出しました(7/6白夜)
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