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■2024年7月2日
爺様の持つ山には勇者を選別する聖剣が突き刺さっている。これが初夏にもなると、にょきにょき無数に生えてくるから大変だ。熱中症に気をつけながら、爺様が一人で山中の剣を引っこ抜く。
「今の平和な世に勇者なんぞ要らんからの」
という爺様は、誰かに勇者の後を継いで貰うなど考えてないようだ。
お題・道端に生えた剣
■2024年7月3日
雪の日、少女がマッチを売っている。
「奇妙、奇妙はいりませんか」
「マッチを買おう」
「ですから私はマッチを持っていても、売ってません。奇妙を売っているのです」
「えっ、じゃあその奇妙とやらを売ってもらおうか」
「そもそも私が奇妙でしょ?」
納得し紳士は少女にお金を支払いましたとさ。
お題・奇妙売りの少女
■2024年7月3日
「無能だからとパーティーを追放されてしまって」
「じゃあ、うちのパーティーへ来ないか」
「いいのかい? けど僕のスキルは……」
「スキルなんて関係ないさ。パーティーに入りさえすれば、我々はもう家族同然だからね。決して脱退なんて許さないよ。ただし毎月の上納金を……おい待て逃げるな」
お題・パーティー追放不可能
■2024年7月3日
連日の大雨で溜め池が決壊してしまった。市役所への電話で駆けつけてから、ずっと地元の人の怒号を聞かされている。これから田植え、種蒔きの季節なのに、どうするんだ。
元はといえば新町長の倹約方針で、インフラ整備されなかったのが原因だ。分かってる。
全く、要らない火種を撒きやがって。
お題・芒種
■2024年7月3日
銀婚式を迎え、思い切って訊いてみた。
「お前みたいな別嬪が、どうして俺みたいな冴えない男と結婚してくれた」
「私たちの若い頃、もう村は過疎が始まって。かといって村を出る度胸もなく。それで一緒にいたら情が移っただけですよ」
と妻は笑って
「つまりは私も冴えない女だった、というわけです」
お題・冴えない男に惚れる理由
■2024年7月4日
気軽に描いたドワーフ漫画が国民的ヒットしてしまった。女性の理想は背の低い筋肉質のヒゲ男性に。子供の将来の夢一位は鍛冶屋。斧もバカ売れだ。
これからテレビが学者をつれて取材に来るけど勘弁してくれ。深い考えなんてなかったんだよ。ああ、こちらこそドワーフのように洞窟へ閉じこもってたい。
お題・流行のドワーフ
■2024年7月4日
悪魔を召喚した。何でも地獄では羊を飼っているという。おいおい、羊飼いといえば救世主の象徴じゃないか。それは人間が勝手に言い出したことだろう。悪魔にも職業選択の自由くらい認めて欲しいね。それもそうだ。しかし地獄の羊とは、どんなのか見せてくれないか。いいぜ。おお、これが悪魔の羊かい。
お題・悪魔の羊飼い
■2024年7月4日
火星探査機が不思議な岩石を発見した。鏡として人の顔が映るくらい、表面が磨き抜かれているのだ。これは火星人のいた証拠だと騒がれたが結局、自然の偶然だと判明する。
他人は自分の姿を映す鏡だという。地球人は火星の鏡に、自分たちのような存在がいないかと幻を見たのだろう。
お題・火星の鏡
■2024年7月4日
梅雨が止んだ途端、猛暑が襲う。学友から楽なバイトと誘われた仕事は、ガチガチの肉体労働だった。
「いやあ助かったよ」
「騙された……」
「そんなこと言わず、僕と君の仲じゃないか。来年も頼むよ」
「誰がだ。絶対イヤ」
コイツとはこの夏中に縁を切らねば。固く心に誓うのだった。
お題・仲夏
■2024年7月5日
「原稿は進みましたか?」
「やる気が出なくて。だから変身だ!(めきめきと変わる骨格)」
「凄い。よく分からないが原稿も進みそうだ」
「まあこの変身で既に第5段階目なんだけどね。けど安心してくれ。激しい修行により変身はまだ三段階残してる」
「変身するより原稿を進めてくれません?」
お題・創作意欲第五形態




