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■2024年6月30日
「では近道バトルで勝負だ! この複雑な町で近道を使い、先に目的地へ着いた方が勝ちだぜ」
「了解した。……ならばお前を襲うのが一番の近道だなあ!」
だが斬ったのは残像のみ。
「そう来るのは最初から分かっていた。貴様こそくたばれ!」
「グアーッ」
「やはり暴力、暴力こそ最短の近道だな」
お題・近道バトル
■2024年7月1日
強くなるための経験値は、モンスターを倒すしかない。中でもコエダメナメクジから得られる経験値は豊富だ。皆さんの中にも、あの臭い粘液を発するモンスターを狩った人がいるだろう。
そこのところ魔王討伐を果たした勇者様に質問してみましょう。
「勘弁してくれ。あの経験は二度と触れたくもない」
お題・素手で触りたくない経験値
■2024年7月1日
独裁者は民衆が自分を侮辱しているのでは、と疑心暗鬼になる。そこで収容所をサーチライトで照らしている間は、あらゆる発言を禁止とした。
独裁者は側近に聞く。
「私を侮辱する者はいなくなったか? これで国の未来も明るいな」
「いいえ、お喋りもできなくなり民衆からは明るさが失われました」
お題・言葉禁止ライト
■2024年7月1日
放課後の部活中、最後に二人だけとなった。彼女は黙って青い顔をしている。心配すると「恐い」との返答。
何が恐いか訊くと「好きだって告白して断られたらどうしよう」という。
誰に告白するのか尋ねようとして、彼女の瞳がじっとこちらへ向けられているのに気付いた。
お題・告白するのが恐い
■2024年7月1日
あるタクシー運転手にインタビュー。
俺が赤い糸を結んでる? 確かに色恋に絡んだ客は多かったかもしれんが。んなわけないよ。ただ焦って急いでくれなんて客は、どこか緩んでるもんだ。そこを、ちっと締めてやる手伝いはしたかな。ネジ回しみたいにね。
ほら、俺ってタクシーのドライバーだから。
お題・赤い糸のドライバー
■2024年7月2日
良家のお嬢さんと結婚するのに義父から、中立属性では娘はやれないと言われた。そこで一念発起、秩序にアライアメントを変える。
おかげで結婚はできたが、どうも秩序属性に慣れない。だが仕方ない。行く行くは模範的市民として奉仕し、社会規範を脅かす不逞の輩をギロチン送りにしなければばばばば。
お題・秩序属性の後悔
■2024年7月2日
鯨語の翻訳が進んでいた。結果、どうやら彼らが深海で唄う歌に、求愛の意味がないと分かった。ならば、なぜ唄うのか。誰かに向けているのは確かだ。どうやら嫉妬しているらしい。ようやく分かった。海溝に沈むプレートの地鳴りを歌と勘違いしているらしい。
さすがは鯨、嫉妬の相手もバカでかい。
お題・鯨の嫉妬
■2024年7月2日
梅雨の雨が止んだ途端、快晴となる。少しでも涼しいからと、水田の近くを選んで自転車を走らせた。
雨の間は肌寒いくらいだったけど、きっとすぐ猛暑になるのだろうな。ウンザリしながら、私は本格的に夏が来る前、今だけ。
太陽の熱が涼風に軽くなる季節の空気を深呼吸した。
お題・半夏生
■2024年7月2日
毎朝、仕事へ行く頃になると決まって私は憂鬱に襲われる。
ふと考えた。もしも憂鬱を擬人化したら、どうだろ。毎朝、毎朝、決まった時間になると私のところへ来て気分を重くさせる。すごく規則正しい。たまには仕事をサボりたくなる日もあるだろうに。
憂鬱くんこそ、憂鬱になる朝がないのかな。
お題・毎日の憂鬱
■2024年7月2日
「この世界でもタゲを集める防御役のことをタンクというんだな。やはり戦車があるのか?」
「戦車、何だそれ。タンクといえば水を溜めるもののことだろう」
(異世界には貯水槽という言葉がないのか)
「敵の水(見ず)を集めるからタンクってんだよ」
「異世界の言語体系どうなってんだ」
お題・異世界タンク




