新しい、朝
怒涛の一日を終え、また平穏な一日・・・のはずが・・・。
【新しい、朝】
朝、いつものように3人で駅に向かい、3人で電車に乗る。
普段通りの朝・・・のはず。
昨日より電車は空いているし、距離だって昨日ほど近くはない。
・・・正面にいる彼だっていつも通り。
「 「おはよー」 」
次の駅でいつものように紗奏と美沙が乗ってきて、大体いつものポジションに陣取る。
そう、どこも変わらない日常・・・
だけど・・・そんないつもと変わらない私の額に、親友の手が伸びて来てぺたりとくっついた。
「熱あるのかと思った。顔赤いよ?」
「ううん、平気平気、いつも通りだよ。えへへ。」
と言った私に、ちょっとだけ微笑んで彼女は口元をそっと近づけてきた・・・
(後で事情聴取。)
なんだか全部バレてる気がする!
・・・
教室に入ると、美織ちゃんと茉莉華ちゃんはもう来ていて挨拶を交わしたけど、私の心配とは裏腹に昨日のことについては何も触れてこなかった。
(これが案ずるより産むがやすし、という事ね。)
なんて私は安堵の息を漏らした。
そしてお昼休み・・・
「さ、梨桜~、白状おし。」
「後じゃダメ~?」
ここはあざとく上目遣いに!
「大丈夫、この辺人いないよ。ほら~。」
むぅ、やっぱり効かなかった!
「ちょっとした事、しでかしちゃって、
それからちょっと気になってるっていうか・・・」
「ほうほう、ちょっと・・・ねぇ~~。
そ・お・は~、見えないけど~~。」
そういって、頬をむに~~っと摘まんでくる。
自分では普通にしてたつもりなのに、かなり顔に出ていたみたいだ。
「もうっ、いじわる~~。」
その手をギュッと掴む。
「ねぇ~~、百合百合に混ぜて混ぜて~~。」
わっ!このタイミング!
このタイミングで来ますか!あなた達!
参戦してきたのは、昨日のことを全部知る二人!
終わった・・・。弄り壊される。
・・・
それからお昼休みの間中3人のおもちゃになった私はもう、恥ずかしいやら嬉しいやらで・・・なんだか変なテンションになってしまった。
それもこれも、み~~んな縁が悪い!
うん。きっとそう!
帰り道、みてろ~~!
・・・
私だけこんなに恥ずかしい思いをしてなるものか!
3人に囲まれ、弄り倒された私は、きっと覚醒したのだ!
もう怖いものなどない!
放課後、縁に声を掛けて教室を出ると、なんだか後ろで『ひゅーひゅー』言っていたけど、気になんてしない。
隣を歩く彼は、相変わらずちょっと読めない。
でも、いつもと違う雰囲気には気がついてるはずだ。
駅前の大きな時計のある広場で私は立ち止まる。
周りは帰宅途中の中高生でいっぱいだ。
ここだ、このド真ん中!
「はい、どうぞ!」
それだけ言って、彼の目をのぞき込む。
深く・・・深く・・・深く。
さあ、縁、アナタはどうするの?
「好きだ、梨桜。付き合ってほしい。」
顔が真っ赤になったのが自分でも分かった。
嬉しい・・・。満たされる。
でも、それだけじゃヤダ!
私は返事をせずずっと彼を見つめ続ける。
さっきよりもっと深く。
すると・・・
ゆっくり距離を詰めて・・・
優しく抱きしめてくれた。
まるで壊れ物に触れるように。
途端に膝から崩れそうになる私を、彼は支えてくれ、
そんな彼を今度は私が力いっぱい抱きしめた。
お立ち寄り頂きありがとうございます。
3年生編、もう少し続きます。
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