美少女捜査会議1
新学年、新学期、げた箱の中には何やらラブレターらしきものが…。
【3年生・新学期】
駅で紗奏と待ち合わせ、途中で美沙と合流し、3人で校門をくぐる。
校庭の桜並木はもう満開に喜んで私たちを迎えてくれた。
今日から3年生だ。
そして、ひさしぶりにあう友達に挨拶をしながら、自分のげた箱を開
けると、上履きの上にチョンと乗せられた手紙。
うむ、これは『果たし状』だな。
・・・なんて。(笑)
あれからこの手の手紙をもらうのは初めてだ。
そっとそれを仕舞い・・・仕舞おうとしたところで、声を掛けられ
た。
「あ。」
短くそう言って笑う紗奏。
私は人差し指をそっと口に当てる。
紗奏はコクリと頷く。
HRまでまだ少し時間がある。
私は新しい教室の新しい自分の席に鞄を置くと、紗奏に目配せしてト
イレに立つ。
個室に入って、手紙を開けてみるとそこには・・・
『お前の秘密を知っている。』
あら!、なんと、それは脅迫状でした!(笑)
でも、私に秘密なんてないんだよね~、Youtubeのことは言っていない
だけで秘密って訳じゃないし、バラされても今はどうってことない。
いえ、バラされないに越したことはないけど。
私はスマホを開き、紗奏にLineを送った。
HRが始まると、先生が見かけない男子を連れて教室に入ってきた。
朝の挨拶の後、
「4月からみんなと一緒に勉強する、安藤道兼君だ。」
先生はそう告げる。
「家族の仕事の都合で引っ越してきました。安藤道兼です。
宜しくお願いします。」
彼はそう挨拶すると、窓側の2番目の席(自分の席)に着いた。
うちの学校は、2年から3年へのクラス替えはなく、だから去年と同
じクラスメイトなのだけど、私は廊下に張り出された席順表で一人
増えていることに気が付かなかった。
終業式の日は授業が無いけれど、
始業式の後はしっかり通常通り。
私たちは(きっとみんな)休み気分がちょっと抜けない中、
今日の授業を受けている。
そう、この眠気は私だけじゃない・・・はず。
・・・はず・・・。
・・・。
『トントン』
肩をそっとたたかれ、
それで『ハッ』と私は目を覚ます。
隣の席の美沙が『クスっ』を微笑む。
(ワタクシ、新学期そうそう惰眠をむさぼってしまいました。
春眠暁を覚えず。ってやつです。わかりますよね。
・・・いえ、わかってください。)
【第1回美少女捜査会議】
放課後、紗奏と美沙と三人で久しぶりにお茶している。
今日の議題はもちろん『私への脅迫状』だ。(笑)
「考えられるのは、盗撮した画像で下着の色を知ってる。とか?」
笑いながら紗奏は言う。
私もだけれどまったく緊張感が無い。
だって心当たりが全くないのだから、緊張のしようもない。
すると、いつもクールな美沙が、ちょっと真剣な顔で、
「あまりこの手のヤツを軽く考えないほうがいい。
こういうヤツはちょっと危ないぞ。
まず、たったこれだけの内容、『人を脅すなら短い文がいい』
ってことを知ってる奴が書いた一言だ。
相手を疑心暗鬼にさせる。
たぶんこの後、続きが送られてくるぞ。」
「じゃぁそこ捕まえちゃおう。
げた箱の次は、机だと予想します!
まさかまたげた箱にはおかないだろうし、
ほかに置く場所もないし、
家は知りようがないし、知っていても入れないし。」
私がそう言うと、
「それより、梨桜の何を知ってる気になってるのか、ちょっと考えない?」
紗奏はちょっと探偵っぽくそう言う。
「Youtubeのことかな~?」
「あれを男子が見て気づけるとは思えんし、
仮に気づいても脅す材料とか思わないんじゃない?」
「うーん・・・。」
紗奏は何かを考えているようだ。
そして・・・
「お父さんのことかもね。」
そう言った。
「あっ!、それかも!」
そっか、それがあったか。
紗奏がそう間違えたくらいだから、その可能性は十分ある。
「本間さん若く見えるからね。(笑)」
「ん?どいうこと?」
「ほら、パパ○○(笑)」
「あーーー!、確かに梨桜の父ちゃん若いわ!」
そう、結局あの日一緒にカラオケはできなかったけれど、あの後
お正月が明けてから4人でカラオケに行ったのだ。
傍目には、3人娘を連れてきた父親にしか見えなかったことだろう。
(クスッ)
しかし、あの時の美沙のはしゃぎようったらなかった。
(クスクス)
「そうなると、犯人は男子か女子かもわからないね、まだ。」
そっか・・・そういう理由で脅してくるなら、男子よりむしろ女子
の方なのかもしれない。
「そうだね。次の手紙を待ちますかっ!」
「OK!
じゃぁ、また、来たら連絡よろしくね。」
そんな感じで、第一回少女探偵団の捜査会議はお開きとなりました。
ご意見、お便り、なんでもお待ちしております。




