2話 鴉と雫
「さて、ここが今の埼玉か・・・。」
戦場に降りた雫は、感嘆の息を漏らす。
「あーあ、荒れ果てちゃって。」
栄えていた街は、荒れ果てて戦地と化している。
「さーて、星雲学園にも遅れないように・・・。」
雫は横目でミサイルが飛んできたのを確認する。
「バリアしなくっちゃね!」
すると、空中が光り、杖の形が形成されていく。
「うおらっ!」
雫はそれをバットのように振ると、ミサイルを軽く一つ突き飛ばす。
「あーあ、福島の方いっちゃった・・・大丈夫かな?」
すると。
雫の頬を、一発の銃弾が掠める。
それに怯むことなく、雫は冷静に杖を構える。
「・・・南西!」
雫は高く飛び上がる。
そして、寸分の狂いなく、瓦礫の影に隠れていた軍人の喉元を突く。
「カ・・・。」
ずばっ
雫はなんの迷いもなく、杖を引き抜く。
その首には痛々しい、穴が空いている。
軍人は即死。
ただの軍人に見えるが・・・雫は感じていた、“奴らの気配“を。
「ねーえ、いるんでしょ?そろそろ出てきたら?」
ぬらり、ぬらりと瓦礫の影からカラスが出てくる。
そう、大男ほどの大きさのある、カラスが。
「漆黒の鴉!」
「良い昼じゃのう、翼の少女よ。お主が我らに何ができるという?その呪術まがいのおかしな力は、お主のものではなかろう。」
一匹の大きなカラスが、そう言う。
「・・・うるさい、仕事の邪魔をしないで。」
雫は僅かに怒りを覚えて、杖を逆手に構える。
「視える、視えるのお。お主が戦地で倒れているのを。」
しかし、そのカラスはそれ以上言葉を発しなかった。
すでに雫にやられていたからである。
「ねーえ、あんたら鴉の分際で何ができるっての?」
「其方も『翼』という名を背負って戦っているだろう。」
雫はそう言った鴉も切る。
そのあとは、もう地獄絵図だ。
鴉の羽が舞い散り、血が広がる。
「さあて、あなたたちは雑魚だったようね。」
そして雫は最後の一匹を見る。
すると。
ザッシュ・・・
雫の片目を、何かが切った。
雫はその目を咄嗟に抑える。
しかし、雫は痛がる様子を見せなかった。
「そうか、そうか・・・雑魚の鴉か。」
その瞬間、雫の体が固まった。
威厳が違う。
体の芯に語りかけてくる声。
「まさか・・・。」
ザッシュ・・・
今度は残った方の目を切られる。
両目が全く見えなくなり、雫は気配だけで戦おうとする。
「・・・今日のところは勘弁してやるぞ。其方。次会うときは・・・喉元だ。」
そう言った後、大きな羽ばたく音がした。
「・・・そうか、本当だったのね。」
ゆっくりと視界が開けてくる。
そう、眼球が再生し始めたのだ。
「・・・こちら雫。漆黒の鴉と埼玉で遭遇。一匹・・・大将を取り逃しました。」
雫は髪飾りに向かって言う。
「国への忠誠の言葉を。ない場合は即座に射殺する。」
「大日本帝国、特殊秘密軍隊、『翼』 第二部 後霧雫。この国、大日本帝国に忠誠を誓い、国の規律を乱すものに厳しくあたり、命をも惜しまないこととする。そして我が祈りは形を作り、力を生成し、さらに命を惜しまないこととする。」
「・・・了解。忠誠の言葉、確かに受け取った。」
そう、聞こえてきて雫はひとまず胸を下ろす。
「・・・あと一分か。まあ、まだ間に合うかな?」
雫は淡々と、青く晴れた空に向かって言った。
ちまちま書いてます・・・。
めっちゃちまちまです・・・。




