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田舎者のエルフは冒険者ギルドに就職します!  作者: 片海 鏡


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11/15

第11話 これが誘拐ってやつか

「減る事なんてあるんですか?」

「何言ってんだ。工房が一つだけになったら、減るに決まってるだろ」


 工房?? なにそれ?? 編む杖に、わざわざ???


「これは術者が自作するのが決まりですよ。若木が大樹になるように、一本一本時をかけて大地の恵みを編むんです。杖と共に成長するのが俺達エルフだって、作り方を教えてくれたひい祖母ちゃんが言って……ました」


 いつの間にか言葉に力が籠っていた。我に返った俺は、周囲の視線に怖気づいた。

 杖を修理するために金で素材を買おうとしている時点で、今の説明は本末転倒なんだよな。説得力が余りにも足りない。

 と言うか、この杖はマイナーなのかよ! 

 これじゃ先輩魔術師からお勧めの素材を聞き出せない。自分で手当たり次第に買って、修理するしかないかぁ……


「はっはっはっ!!! 古き森の民らしい良い心構えじゃねーか!」

「うぉおあ!?」


 ガンデンさんは何故か喜んで、大きく笑い声をあげながら俺の背中を思いっきり叩いた。

 痛すぎる!!! 

 木の板でぶっ叩かれたみたいに全身に痛みが走って、倒れかけたぞ!!!


「気に入った! 就職祝いに素材をタダでくれてやる!」

「えっ!?」


 喜びの声を上げたった俺だが、ラシエラさんの真っ直ぐすぎる鋭い視線が杖に注がれていて、行動に移せない。


「マスター。どうした?」

「この杖、生きていますね」

「あぁ、生きている。これは、そう言う杖だからな」


 同じ表現する人もいるが、ラシエラさんには何が見えている様な気がしてしまう。

 一般的な手杖や地杖は、木材と芯になる素材で作られる。本体である木材は、杖の基本的な性質・特性や得意とする魔術分野に影響をする。芯は木材へと術者の魔力を送る供給源であり、杖の力を引き出すだけでなく、総じて全属性を操れるが得意な魔術や扱いやすさを変化させる。

 たとえば水属性が得意な木材に風属性の芯を合わせると、雨を降らせる等の広範囲の魔術の威力が上がる。これにも相性があり、水と火、風と土は喧嘩をし易く、作る場合はかなり吟味しなければならない。

 そして杖は、〈自我〉〈意志〉に似た反応を示す。

 剣士が魔剣や聖剣に誓いを立てるのと同じく、杖への宣誓を破った場合、魔術の威力が弱まる。日頃から手入れを行い、誠意をもって扱うと威力が強まる。などなど、精霊や妖精に近い存在へとも言えるので、魔術師は杖を粗末に扱ってはいけない。


「エルフの住む土地は、魔力を持つ植物が多く自生しています。ここでは、その杖に見合う素材は見つからないでしょう。私が提供します」

「ありがとうご」


 お礼を言おうとした瞬間、何故か思い切り右手首を握られた。

 ガンデンさんは〈やべっ〉と言葉を漏らした。

 えっ、なになになに????


「マスターの悪い癖だ。まぁ、頑張れ新人」

「えぇ!?」


 悪い癖ってなに!?


「では行きましょう」


 どこへ!?!?


 慌てて体重をかけて必死の抵抗をしようとしたが、無意味だった。

 エルフは足長よりも平均身長が低く、それに合わせて細くて体重も軽い。あくまで比較なので、重さは有るには有るんだ。

 なのに、ラシエラさんは子供がぬいぐるみを連れていく感覚で、俺をいとも容易くズルズルと引き摺っていく。

 筋肉の塊なのか???


「あ、あの! 何処へ行くんですか!?」


 ギルドハウスの出入り口へ真っ直ぐと向かうラシエラさんに、俺は訊いた。


「最難関のダンジョンです」

「は?」


 は???????


「最難関のダンジョンです」


 え? は? なに、どうして????

 凄い良い素材あるのは確定だけど、無謀だろ!!!?


「お、おお俺は星3で、い、行くのは無理ですよ!? 俺が死にます!?!!」

「私が貴方を守ります」


 さらっと何かカッコいいこと言ってるが、安心できるはずがない!!!!

 うわああぁああああ!!! 誰かああああああ!!!!!



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― 新着の感想 ―
お疲れ様でした 現場の人に気にいられたのかな? 色々大変に成るだろうが、スキルアップに励めよ(笑)
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