表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あなたの救世主  作者: 社容尊悟
第四章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/99

「……そっか……。言われたんだね。そんなこと。でも大丈夫。敦也くんは強いよ。リハビリ頑張ってるし。素直だし。カッコイイと思うよ! 頑張ってる人にはご褒美が待ってるから……ね? それを信じて、明日も頑張ろ!」

 看護師が両の拳を握り締めて、敦也を元気づけた。敦也はうべなって、最後の一歩を踏み出した。

「きっと叶えます。きっと」

 敦也の瞳には、燃え盛る闘志が宿っていた。

 滝のような大量の汗をかいてリハビリを終了させ、病室に戻ると陽太が丸椅子に座って待っていた。戸を開けると、陽太が気づいて立ち上がる。にっこりと笑いかけ、ぺこりと頭を下げてくる陽太。

「敦也。久しぶり」

「ああ……。来てくれてありがとな、陽太」

 松葉杖をついて歩いて来た敦也も、ぺこりと頭を下げた。陽太は心配そうに敦也を支えて、ベッドに座らせた。甲斐甲斐かいがいしく世話をする陽太をじっと見て、敦也はぼやいた。

「……あーあー。お前が女の人だったら、良かったのになあー」

「……なんだよ、急に。気持ち悪いって。しかもムカつく。やめろよ、そういうの」

 陽太は苦笑いして、心底気味悪がった。ここのところの、敦也の急変ぶりを気持ち悪く感じているのだろう。やさぐれていた頃の敦也を知る人間ならば、当然の反応だ。気持ち悪いぐらいに、敦也は変わった。本調子でなくとも冗談を言える。心の闇を取っ払って明るくなった。いい方向に、いい性格になってきた。以前よりもよく笑うようになって、よく喋るようになった。考えるよりも行動に移すようになった。次第に、人生は好転する。

「思えば、お前って、いっつも俺のことを真っ先に考えてくれてたなって思ってさ。お前がもし女だったら、俺お前と付き合いたかったな。香名もいいけど、近しいお前の方がいい。なんで男? なんで男に生まれてきたんだ?」

「もういいよ、その話は。僕はお前の様子を見に来ただけだから。僕が男なのは、僕がそうあるべきだと思われてそうなったんだよ。お前のために性別を呪うなんて、あり得ない話だよ。ばかばかしい。僕が女性だったら、敦也のことなんかほっぽってたけどね。この根性なしの捻くれ野郎って」

「そか……。ごめんな、今まで……」

 敦也が暗い声で、今までのことを反省すると、陽太は激しく首を振った。

「だから、そういう話はいいって。病院だからって、辛気臭しんきくさい話しなくていいんだよ。そういう場所だから、楽しい話をしようと思ってるんだからさ。もっと明るい話しようよ。敦也のしたいこと、僕のしたいこと、香名さんのしたいこと。面白おかしく話をしよう」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ