第5話
「エマ。俺は、エマが好きだ。エマじゃないと嫌だ。俺はエマを幸せにしたいんだ。分かってくれたか?」
「うん。ジョーン、勘違いしてごめんなさい。」
初めて、ジョーンが私のことを好きだといった。
それが、とっても嬉しかった。
どの好きかは分からないけど、嫌われてないんだと思って安心した。
「それは、いいけど。エマはミーナことを好きになったわけじゃないよな?」
「え?」
「俺は、エマを幸せにしたいし、守りたいとも思ってるが、ミーナの方が優秀なのは分かってる。いつもはちゃらちゃらしてるが、必ずエマのことを守ってくれるだろう。その方が、エマの幸せかもしれない。」
ジョーンは悲しそうに私を見た。
「ジョーン。私の幸せは私が決めるよ。」
「ねえ、ジョーンは優秀な人と結婚したい?可愛い人、美人な人、容姿がいい人との結婚がいい?」
私はにっこり笑ってそう聞いた。
「え?」
ジョーンは困惑したように私を見た。
「貴族で生まれた限り、自由な結婚はできないけど、もし自由に結婚相手を見つけられるなら、私は、私が好きな人と結婚したい。私のことを何とも思ってない人とか、嫌ってる人と結婚したくない。」
「ねえ、ジョーンは誰と結婚したい?。」
「俺も好きになった人と結婚したい。」
「そういうことだよ。好きになった人といられるのが幸せなの。」
「今は妹としか思ってないかもしれないけど、私とこのまま結婚してくれる?私は、ジョーンと一緒に幸せになりたいよ。」
勇気を出して聞いた。
「エマ。俺は、エマが俺のことを兄としか見ていないと思っていたから、エマを妹のように接した。でも俺は一度もエマのことを妹だとは思ったことない。」
「俺は、エマと結婚したい。俺の愛する、妻に。唯一の王妃になってくれないか?俺と結婚してください。」
そういって、1輪の花を差し出してきた。
「はい。」
私はそれを満面の笑みで受け取った。
ありがとうございました。
最初決めていた大筋以外は変わりつつあり、ラストもこんな感じというイメージしかなかったのですが、無事完結できて良かったです。