2026年9月21日
## 2026年9月21日
昼過ぎ、ありさからメッセージが届いた。
『今日って何の日?』
ゆいはスマホを見て、少し考えた。
『敬老の日』
すぐに返信する。
既読がついた。
『それだ!』
『何が?』
『おばあちゃんに何か買ってあげようと思ってた!』
ゆいは少し笑った。
『いいじゃん』
『でも何がいいかな』
『本人に聞けば?』
『それじゃプレゼントにならないじゃん』
もっともだった。
ゆいは少し考えてから、
『お菓子とかは?』
と送った。
『普通すぎる!』
『じゃあ何がいいの?』
『今から考える!』
それから数分後。
『決めた』
『早いね』
『手作りする』
ゆいは嫌な予感がした。
『何を?』
『お守り』
『……なんのお守り?』
『長生き』
『それは神社の仕事じゃない?』
ありさから、笑っているスタンプが返ってきた。
『じゃあ、幸せになるお守り!』
『それならいいかも』
『でしょ?』
しばらくして、ありさから写真が送られてきた。
折り紙を何枚も使って作ったらしい、小さな袋。
その横には、太い文字で、
『いつまでも元気でいてね』
と書かれている。
『……いいじゃん』
ゆいが送ると、
『ほんと?』
『うん』
『じゃあ完成!』
と思ったところで、もう一枚写真が届いた。
今度は、なぜか袋の表に大きく、
『元気!』
と書かれている。
『これ何?』
『分かりやすいかなって』
『ちょっと分かりやすすぎる』
『じゃあ消す?』
『いや、そのままでいいと思う』
ゆいはスマホを置いた。
少しして、また通知が鳴る。
『ゆい』
『なに?』
『敬老の日って、何歳から?』
ゆいは思わず笑った。
『そこから?』
『だって気になった』
『調べてみたら?』
『ゆいが調べて』
『自分で調べなよ』
少しして、
『まあいいや』
と返ってきた。
『なんで?』
『元気なら何歳でもいいじゃん』
ゆいはそのメッセージを見て、少しだけ笑った。
『それはそうだね』
今日は、特別なことをする日ではない。
ただ、大切な人に「元気でいてね」と伝える日。
それだけで、いつもの一日が少しだけ違って見えた。




