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「おいお前ら!王女様の前でそんな姿見せるな。それにアル!さっきから王女様に失礼だぞ!きちんと敬語で話せ!カレン!お前もあんまアルをからかうな。」
十三、四歳くらいの子だろうか、アルの隣に座っている大きな男の子が二人を注意し、私の方を向くと頭を下げた。
「すいません王女様。こいつら、今日王女様が来るって聞いて楽しみにしてたんです。だから、許してやってください。」
焦げ茶色の髪に、精悍な顔つきをした少年は、きっと日頃からこの子達の面倒を見ているのだろう。
あら、中々見込みのありそうな子じゃない?
「大丈夫、私は気にしてないわ。それより・・・あなた、お名前は?」
「アントンと言います。」
「いくつ?」
「十四です。」
アントンは礼儀正しく私の質問に答えていく。まだ色々とアントンに話を聞きたかったが、ここでアルがごねだした。
「アントンばっかり王女さまと話してずるい!ぼくも話すの!」
「私だって王女さまと話したい!」
カレンもアルに追随し、僕も私も!と周りにいた子達が騒ぎ出した。
あらぁ~私って人気者じゃな~い?
私にできない事なんてないのよぉ~、そうよぉ~。
「こら!王女様を困らせてはいけません!もう食べ終わった子は外で遊んできなさい!」
院長先生は、厳しい口調で声をかける。
「ちぇ。」
子供達は渋々食べ終わった食器を手に持ち、席を立つ。
去り際、カレンが声をかけてくれた。
「王女さま、食べ終わったらお庭に来て!一緒にかくれんぼしましょう!」
するとすぐさまアルが反論する。
「いいや、鬼ごっこがいい!」
「砂遊びだよ!」
「ボール遊び!」
また次々と子供達が声を上げていく。
院長先生の目がキランと光ったのを見て、今度は私が声を上げた。
「分かったわ!必ず行くから、その時は、皆で一緒に楽しく遊べる遊びをしましょう!」
「「賛成ー!」」
「絶対だよ!」
「待ってるからね!」
子供達は溢れんばかりの笑みを見せ、外に向かった。
私は早く子供達の元へ向かえるように急いでカレーを口に運び全速力で食べ終わらせた。




