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幸狂曲第5番〈Girasole〉  作者: 目玉木 明助
第1楽章 カルマファミリー編
8/94

じらそーれのはしやすめ ぷりも!

※頭をからっぽにしたうえでお読みください。

恵業けいごうは、ホワイトボードにびっしり埋め尽くされたインクを見て、長い、本当に長いため息をついた。


「案の定というか、お前、カルマファミリーにとって1番大事なことをヨウに教えてなかったのかよ……」

 

(そこ⁈)とはるは軽くツッコむ。無論、心の中で。

 恵業けいごうは、くたびれた様子でソファに腰掛ける。


何を言われているのか分からない、ととぼけ顔を決め込む影助えいすけ


「格好はつかねぇが、まあいいか。ヨウには特別に、カルマの秘密を教えてやろう! 勉強会第二弾だ!」


「えー、新参者に手の内明かしまくってるじゃないスかー」と影助えいすけ


 恵業けいごうは、過激派の外野に構わず続ける。


「ずばりヨウに質問だ。カルマファミリーの"カルマ"って、なんだと思う」


(カルマ……あまり、馴染みのない響き)


 はるは一生懸命、自分なりの答えを絞り出そうとする。


「! ボ、恵業けいごうさんが、カルタで世界王者になった!」


「ボスでいいぜ」と恵業けいごうはフランクに言う。


「頑張って考えてくれたことに拍手を送りてぇが、全然違うな」


 はるは自信があった分、ちょっとショックを受けた。


「"カルマ"ってのはな、

 業、Calma、狩る魔と訳すことができる」


ヨウ、紙貸してくれーーと頼まれ、大雑把に10枚分くらい、メモ帳の面積が減った。


恵業けいごうは大きな文字で、3つの"カルマ"を書いた。


「一つ、カルマ。これは仏教用語で因果応報という意味だ。

 二つ、carma(カルマ)。イタリア語で凪と訳される。……激動の時代にどっしり構える俺たちにぴったりだろう?

 そして三つ、狩る魔。これは文字通りだな。」


(イタリア語の授業、中学生くらいまでは得意だった気がするんだけどなあ)


ーー第二言語とはいえ。


 カルマって、"恵業けいごう"の業とも一緒だ、とはるは思う。


「よおく覚えとけよォ! 我らがボス・恵業けいごう 笛吉郎ふえきちろうがお考えになられたありがたーい名だ!

 ダブルミーニングならぬ、トリプルミーニングのな!」

 

 Riflessione(反省)中と書かれたプラカードをぶら下げたまま、影助えいすけは声高らかに叫ぶ。


影助えいすけ、ヨイショしたってお前の給料は上がらねぇぞ」


 はるの新たな雇用主ボス

どうやら粋なこと(ダジャレともいう)をするのがお好きなようで。



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