表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Last Game  作者: じょん
43/58

第十一話:盗賊

「……ハァ~。」一日はまだ始まったばかりだというのに、今日何度目かもわからないため息を、重量たっぷりに吐き出す。昨日のハイなテンションはどこへやら、気分はがっくり落ち込んで、青空が憎たらしくて仕方ない。

「ったく。ついてないぜ、本当に。」思わず愚痴が口をついて出た。だが、愚痴でも言ってないとやってられない。

「まぁ、やる気はさらさらないんだけどね。」真っ青な空と対照的に、いつも通り辛気臭い街をうろつきながら、誰に言うでもなく呟く。というか、誰かに聞かれたら困るのだが、幸い近くにそう言った輩はいなかった。



 四人組から逃げたその足で頭領に会いに、中心部へと向かった。ユピテルは中心に行くに従って街並みがきれいになっていく。中心部には一握りの富裕層が住んでおり、外側に住む乞食達の家とは比べ物にならないほど大きく、立派な家々が連なる。頭領はその中でも一番大きく、場所もちょうど町の中心に居を構えている。

 この街には珍しい守衛つきの門を通って、正門から中に入った。中は外から見た通り、神殿みたいな作りで、でっかい柱が何本も立ってるし壁には絵画が等間隔に掛けられている。どれも有名な画家によるものだが、それらすべてが盗品であることを俺は知っている。そのうちのいくつかを盗んできたのは俺だし。

 無駄に広くて入り組んだ屋敷の廊下を右に左と、慣れた足取りで通りぬけ、広い部屋に出た。「謁見の間」なんて呼ばれているが、俺からしてみれば、他の広い部屋と何の違いがあるのやらさっぱりだ。 頭領はいつものようにその部屋にいた。部屋の奥、小さな階段を上ったところに、平たいクッションを敷いて片膝を立てて座っていた。東方の珍しい品らしいが、藁に似たものを編んで作られたそれはきらびやかな部屋の雰囲気とそぐわず、貧相にも感じるのだが、本人が気に入っているのだから、それをとやかく言うのは野暮ってもんだろう。

「誰かと思えば、お前か。」頭領は入ってきた俺にちらと眼をやるだけで、すぐに視線を一枚の紙に戻した。多分盗品のリストだろう。以前見たことがあるが、いつ、何が手に入ったかを細かく書き記されていた。これだけ豪華な家に住んで、お宝に囲まれているというのに、金への執着心は相変わらず、というより前よりひどくなった気がする。

「お前はないぜ、せっかく収穫を見せに来てやったってのに。」

 盗んだ財布を放り投げる。頭領はそれを片手でキャッチすると、中身を毛むくじゃらの手にぶちまけた。かなりの枚数の金貨が出てきたが、頭領の人並み外れたでかい手は、一枚もこぼさない。頭領はそれを見て満足そうに笑う。

 かと思ったが、何やら難しい顔をしている。

「四人組の旅人だけど……。もしかして、まずいのに手を出しちゃった、俺?」だが、頭領はうなるだけで何も答えない。

 そんな状態でいつまでも待たされるものだから、いい加減怒るなら早くしてくれと、言いかけた俺より先に頭領が口を開いた。

「お前、これが何か知っているか?」頭領は金貨の中から何かをとりだして俺にみせた。毛深い頭領の手のひらには、指輪がちょこんと乗っていた。

 高そうな指輪だな、とは思った。長いことやっているもんだから、物の真贋がどうとかはわかんねぇが、それがいいものか悪いものかの判断はつく。目の前にある指輪は、間違いなくいいものだ。高値がつくだろう。

「ただの指輪だろ。高く売れそうだ。」

「お前の言う通り、指輪だ。それも、とびっきり高く売れるな。だがそれだけじゃねぇ。」頭領は指輪の、普通なら宝石がはめられているところを指差した。そこには宝石の代わりに、複雑な紋様が描かれた円形の金板がはめられている。

「こいつは王家の指輪だ。サン国の王族のみが持つ、王家の証なんだよ。」

「……は?」

「だから、これを持っているのは王様と皇子サマだけってことだ。お前、四人組って言ったな。どんな奴らだった?」頭領は目をぎらつかせている。

「えっと、男女各二人組だよ。女はショートとロングで、ロングは礼服みたいなの着てたな。多分協会のだと思うけど。男は背が高くてゴツイ金髪と、黒髪のパッとしない奴。財布は金髪から取ったけど……。」

「ヘイルだな。」突然、後ろの方から誰かが会話に割り込んできた。振り返ると、開け放たれた扉のわきに、一人の男が寄りかかっていた。確かに部屋に入るときに扉は閉めたはずなんだが、音はおろか気配もしなかった。

 しかし、そのことよりも別のことに驚かされた。

「あれ、お前なんでここに……?」言いかけた瞬間、首が縮まるような衝撃と痛みが脳天を直撃した。

「馬鹿野郎!客人になんて態度とりやがる!」頭を殴ったのは頭領だった。無駄にでかい拳で殴りやがった上に、無駄にでかい声で怒鳴りやがる。

「~~~!」怒鳴り返したいところだが、頭を抱えて痛みに耐えることしかできない。それをいいことに、頭領はこれでもかと罵詈雑言を浴びせかけ、かと思うと揉み手をして入ってきた男にこびへつらった。

「旦那、うちの若いのが失礼しました。何分おつむの弱いやつでして、どうか……。」

「気にするな。それより、その四人組のことだが、やつらとは少し因縁があってな。」客人と呼ばれた男は壁から背を離すと、こちらに歩いてきた。ただ歩いているだけなのに、一歩一歩威圧感が強くなってくる。

 なにより、仕事柄鍛えられた俺の第六感、虫の知らせがびんびん反応していた。

 こいつはやばい。今まで危ない橋はいくつも渡ってきたつもりだし、この街に危ない奴は事欠かない。

 だが、こいつは規格外だ。こんな、近くにいるだけで全身の毛が逆立つような、危険に足を生やした奴になどあったことがない。や、見たことがある顔ではあるのだが、同一人物であるはずがない。あいつは逆に邪気がなさすぎると言うか、影が薄いというか、そんな感じだった。目の前の男のような、濃密な気配をまとってなぞいなかった。

「ここに連れてこい。多少強引でも構わないが、殺さぬように。」男は床に倒れ伏す俺ではなく、頭領に話しかけていた。明らかな命令だった。

「で、ですが、ヘイル皇子といえば勇猛さで知られております。あなたの頼みとありましても、部下の命を危険にさらすのは惜しいものでして……。」頭領は下手に出ている。人の下につく、人に命令されることを何よりも嫌うのに、だ。男の迫力にビビっているのかとも思ったが、頭領はそんなタマじゃないし、そういった様子もない。もしかしたら、こいつは俺が知らないだけでかなり偉い奴なんだろうか?

「少し話がしたいだけだ。あとは好きにすればいい。」

「話のわかる方で助かります。おい、ガウェイン。そういうことだ、とっとと探して来い!」


 と、頭領に命令されたのが昨日のこと。一日たった今でも、俺はぶらぶらと町を歩いているだけで、探そうなどとは全くしていなかった。そもそも、自分が宿にまで誘導したのだから、あのあたりを探せばすぐに見つかるだろうが、宿を尋ねるどころか近辺には絶対に立ち寄らず、昨日彼らを案内した道にも近付かなかった。当然頭領にも知らせていない。教えていたら、きっと部下を連れて大挙として押し寄せるだろう。

「……気にいらねぇんだよなぁ。」多分、いやきっと、頭領は皇子を売るつもりだ。サン国に身代金を要求するのか、お隣に売り飛ばすのか、それとも別のところか……。何にせよ、頭領は皇子でもうけるつもりだ。そしてほかの仲間もきっと売り飛ばすのだろう。

 俺はそれが気にいらない。別にあいつらがかわいそうだとか思ってるわけじゃない。これでも餓鬼の頃から盗みをやってきた、人だって殺した。今更善人面するつもりもない。だが、人をさらって売りさばく、というのが気に入らないだけだ。

 それに、ふに落ちないこともある。最近、この街から消える人間が増えた。ほとんどが貧民窟に住む、家すらもない者たちだ。それに比例して、頭領の金遣いが荒くなった。今のでっかい家を立てたのも、半年くらい前の話だ。どうやらかなりの金が頭領に流れ込んでいるらしい。消えた人間たちと頭領の羽振りの良さは関連していると考えて間違いないだろう。

 問題は、どこの誰が彼らを、何の目的で必要としているのか、だ。人攫いなら以前からあることで、別段珍しいことじゃない。消えても誰も困らない奴らが狙われるのも、変わらない。

 だが、数が多すぎる。ここ最近の人の減り方は異常だ。これだけの人間が消えれば、大抵どこに連れていかれたかはわかるはず。なのに、それが分からないのもおかしい。

 それが気に食わない。どこか俺の知らないところで、何かが起きている気がしてならない。とてつもない何かに……。

 柄にもなく考え込んでいたので、周りのことがまるで見えていなかった。自分が宿の通りに入ってしまっていたのにも気づいていなかった。



「なぁ、あきらめるわけにはいかないのか?」

「ならん!あれがなければ、私の身分は証明されない。それに、あれは王家に代々受け継がれる国宝だ。建国当初から受け継がれてきたものを失ったとあっては、先祖様に顔向けできん。」ヘイルは応えながら、周囲に視線を走らせる。朝から何時間も町をさまよい歩き、盗んだ犯人を探しているのだが、一向に見つかる気配がない。町は思ったよりも広いし、道も複雑すぎるので、手分けして探すこともできない。

 おまけに治安が悪かった。彼が残した忠告通り、昨日は姿も見せなかったガラの悪い連中が、既に五回以上絡んで来ている。グラムの剣技を失った僕には、度重なる戦闘はきつく、旅でくたびれてしまった服がさらにボロボロになってしまった。当然けがもしたが、それはマリアさんがすぐに治してくれた。

「指輪云々よりも、これじゃあ町を出ることもできないわね。」クリスは弦の調子を確かめるように軽く指ではじいた。唐突に襲われるので、彼女は常に弓を携えていた。

「それなら、ガウェインさんに案内してもらえばいいじゃないですか。そしてら手間も省けますよ。」

「確かに。見逃す代わりにといえば、あっちも下手なことはしないだろう。そういうことだ、ヘイル。見つけたからって昨日みたいにいきなり斬りかかったり……。」するなよ、と忠告をしようとヘイルのほうを向いたが、僕の声は彼には届いていなかった。彼が唐突に走り出したからだ。それもものすごい速さで。

 ヘイルの向かう先を視線で追う。いた。俯いているが、顔はしっかり見える。ヘイルの指輪を奪った盗賊、ガウェインと名乗った青年だ。まだヘイルに気が付いていない。

 それをいいことに、ヘイルはどんどん青年に迫る。その手が、腰の大剣にかかる。

「待てヘイル!そいつを殺しちゃ……。」言い切る前にヘイルは青年に飛びかかっていた。聞こえていたにせよ、彼が止まることはなかったろうが。

 だが、僕の声はガウェインには聞こえていたらしい。彼ははっと顔を上げて飛びかかってくるヘイルに気付くと、はじかれたように飛びのき短剣で防いだ。そこまでは昨日とまったく同じだった。

 だがヘイルは同じ轍は踏まなかった。ガウェインが着地するのと同じタイミングでもう一度地を蹴り、一息に間合いを詰めた。そして振り下ろした勢いを反発させるかのように切り上げた。振りあげられた剣は文字通り大地を削った。ガウェインはヘイルの一撃の衝撃から立ち直っておらず、咄嗟に順手に持ち替えた短剣をそのまま下げることしかできなかった。

 当然、ヘイルの一撃をそんな体勢で防ぎきることはできない。ガウェインの両手は天に掲げられ、ふた振りの短剣が空高く宙を舞った。

 完全に無防備になったガウェインに、ヘイルが無骨な大剣を振りかぶる。

「だめだヘイル、殺すな!」だがヘイルは止まらない。無慈悲な、断罪の一撃を振りおろそうと一歩を踏み出し……。

「今だ!やれ!」突然号令が飛び、ヘイルの頭上から大きなものが降ってきた。ヘイルはそれに気を取られ、振り上げた姿勢のまま上を見上げる。

 そしてそれに覆われた。

「何だこれは!?網……!?」降ってきたのは網だった。漁に使うような目の細かいものではなく、ちょうど人の腕くらいの網目だった。それが余計にヘイルの腕やら足やらに絡みつき、体の自由を奪う。

「ヘイル!」助け出そうと駆け出す。ヘイル自身も、剣で網を切ろうと躍起になっている。

「動くな!」制止の声と同時に、矢が目の前の地面につき立つ。放たれた元をたどって見上げると、周囲の建物の屋上全てに弓を構えている男たちが並んでいた。矢先はすべて僕らに向けられていた。

 男たちの中で、ただ一人武器を構えていない男がいた。

 お世辞でも恰幅がいいと呼べない巨躯。だが、体つきもしっかりしていて、むき出しの腕は筋骨隆々と言っていいほどだ。ヒョウタンを彷彿とさせるしもぶくれの顔には、黒ひげが口の周りを覆っている。頭に赤いバンダナを巻き、腰に幅広の、反りの強い剣を指している姿は、いかにも盗賊の頭、といったいでたちだった。

「よし、それでいい。おとなしくしていれば危害は加えない。」男は優位に立ったもの特有の勝ち誇った笑みを浮かべてこちらを見下している。片手は軽くあげられており、奴の合図一つで一斉に矢が花たれることだろう。四方八方を囲まれている僕らに、それをかわすすべはなく、おとなしく従うしか選択肢はなかった。

「貴様、私をはめたな!」ヘイルは憎々しげに叫んだ。網に絡まれたまま仁王立ちする彼の前には、ガウェインが立っていた。彼は網にとらえられることはなかったらしい。

 ガウェインは何も言わなかった。その顔は勝ち誇るでもなく、無表情で、どこか憤っているようにも見える。

 彼は踵を返すと、そのままどこかへ去って行った。代わりにひょうたん顔の男が降りてきた。その体の割に、軽々と屋根から飛び降り、静かに着地した。

「さぁ、ついてきてもらおうか。お前たちに会いたがっている人がいる。


 両手を後ろ手に縛られて連れていかれたのは、町の他の家々に比べて明らかに異質とも呼ぶべき豪奢な街並みの一角だった。まるでそこだけ別の街から切り取ってきたようだ。地面はしっかりと石畳がはめ込まれ、街路も整然としている。

 背中をつつかれながら入ったの建物は、その中でもひときわ大きい建物だった。中も外見に劣らず豪華で、巨人が通るために作ったのかと思われるような扉を抜けた先には絵画やらタペストリーやらが並んでいる廊下が続いていた。

「驚いたか?長年かけて俺が集めたコレクションだ。」先頭を歩く黒ひげが、自慢げな表情を浮かべて首を巡らす。

「ふん。盗賊の分際でコレクションなどと、笑わせる。」ヘイルが吐き捨てるように呟いた。

「どういうことだ?」

「サン国で盗まれて騒ぎになったものがいくつもある。ここにあるものは全て盗品だろう。」

「盗んだ、とは人聞きの悪い。頂戴したのだよ。」

 白い石板がはめられた廊下を右に左に曲がっていくうちに、自分が今屋敷のどの辺にいるのか全く分からなくなった頃、ある部屋に通された。

 作りとしては、サン国の玉座の間にとてもよく似ていた。左右に走る数本の円柱、床に敷き詰められた絨毯、部屋のつきあたりに、数段高く設けられた場所。比較してみれば、こちらははるかに小さいし、絨毯の質も違う。何より、玉座のあるべき場所には、何とも奇妙なものが置かれていた。

 だが、そんなことはどうでもいい。のんきに部屋の様子を観察する時ではない。今大事なことは、

「グラム!」ヘイルが宿敵の名前を叫ぶ。呼ばれた相手は、腕を組んだまま不敵な笑みを浮かべた。

「随分と早い再会だな、ヘイル。そして……。」視線を僕に向ける。

「死にぞこない。」

 圧力が増す。ただ見ているだけで体中の毛が逆立つ。筋肉がこわばり、寒くないのに震えが走り、熱くないのに汗が噴き出る。

何より、僕を睨むグラムには、憎悪しかなかった。ヘイルにしたような、からかうような笑みはない。純然たる殺意のみを持って、全力で僕の存在を否定しているのが、言われなくても伝わってくる。

 グラムは壇を降り、こちらに歩いて来る。一歩一歩、具現化した殺意を揺らめかせながら。

「随分と面白いことになっているな、ヘイル。そこの死にぞこないが追ってくるのはわかるが、何故お前までここにいる?」

「お前を殺すためだ!」

「国境を越えてまでか?貴様の身分を考えれば、愚行というものだろう。今頃貴様の国は大騒ぎになっているはずだ。貴様の行為は、優秀な兄にさらなる負担をかけただけだ。」

「く……。」ヘイルにも思うところがあったのだろう、何も言い返せないまま、歯を食いしばることしかできないでいる。

「そしてお前。」ヘイルが僕に視線を移す。先ほどと同じ、拒絶と否定の目で以て。

「さぁ、僕にもわからない。君が生きているから、じゃないか?」自分でもびっくりするくらい、変善とした声が出た。殺意に気圧されて、立っているのもやっとだというのに。

 でもそれは、自分のどこかが、彼に屈してはいけないと言っていたからだ。グラムに屈してはいけないと。屈した時、僕は僕でなくなってしまうと。

「そうか。なら今ここで、引導を渡してやる。」グラムが右手をのばす。その手には、もはや彼の象徴になった、黒い刃がある。

 自らを二つに分かつ外法のためか、刀身を覆う闇は霞のように薄れ、空間を黒で塗りつぶしたような刃が露わになっている。そこだけ光が届かないのか、グラムの周囲が薄暗く感じる。だというのに、彼の影は濃く、長くなっていく。

「ま、待ってください!話が違うじゃありませんか。」突然、僕らの会話に黒ひげが割り込んだ。

「何がだ。ヘイルは貴様にやる。それで十分だろう。」グラムは右手を上げたまま、彼を見ようともしない。だが頭領もひるまなかった。

「いや。あんたは連れてくるだけでいいと言った。あとは好きにすればいいとも。なら、こいつら全員は俺のもんだ。大事な商品を勝手に傷つけられちゃ困る。」

「……。」グラムは束の間考え込んでいたが、やがて右手を下ろした。その手に剣はなかった。

「好きにしろ。」グラムは僕らの間を通り抜け、部屋を出て行こうとした。

「待て、グラム。聞きたいことがある。」その背中に呼びかける。止まらないとは知りながらも。

 だが、意外なことにグラムは足をとめ、こちらに振り返った。

「何だ。」

「小さな女の子が君と一緒にいると聞いた。その子はどうしたんだ?」

 グラムはああ、とつぶやき、

「殺した。もう用は済んだからな。」部屋から出て行った。

 すいません、遅くなりました!じょんです。

 なんだかよくわからない忙しさと、ネタのつまりもあって随分時間かかっちゃいました。最近想像力がなくなってきた気がします。本読んでないからかな。でも、残念ながら読んでいる暇はなさそうですorz

 次回も少し遅くなるかもしれません。どうか気長にお付き合いください。

 では、また次回。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ