第三十七話 「全貌」
メルシオはずっと研究室に篭っていた。
「地下に木はあったっけ……?」
メルシオはイオが持ち帰ったあのクロアネのコアを研究していた。
「新しめだな……コアがあるのはまあ地下発生だからね……蛭の木あるのかな……?」
メルシオは顕微鏡を覗き込んだ。
「成分表書かないと……」
メルシオは機器をイジイジした。
「はぁ……ねむ〜……」
メルシオは顔を伏せた。その瞬間。
「メルシオ……」
誰かがメルシオの肩を掴んだ。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアア!」
メルシオは起きなくなった。
ただ、その人物はメルシオの近くにプリンを置いた。
「貴重なおやつ……」
メルシオの鼻が動いた。匂いを嗅いでいる。
「!」
メルシオは飛び起きた。目がキラキラしている。
「なんだチェレブルムか〜!」
「寝るなよ……地下にクロアネが突然自然発生したんだから……」
「ホント不思議だよね……!地下のクロアネ殆どが地上から地下に移ったのに!」
「木があるとしか考えられないから……地下調査は加速するだろうね……」
「ん〜……地下ってどこに木が生えるのかな……」
「……地下は今機械もあるけど……奥には自然が発生しているかも……」
「そんなのある?」
「……!」
チェルブルムは腕に装着していた機器を操作した。
そして、前方に投影した。
「……?3D図作成のアプリがどうしたの……?」
メルシオがチェルブルムの方を見る。
真剣な顔で図を作成している。
「できた!」
僅か5分。図を作成した。
「こうだ!蛭の木の根からも蛭が発生している可能性もあるかもしれない……!」
「えぇ?!土掘れる?!」
「アイツらの成長速度は異常だ……すぐ成長し、掘れるまでになるかもしれん……」
「それでも鉄の天井は破れるの?!」
「忘れたのか……?コアはコンクリートなどの人工物が殆どを占めるだろ?食うんだ。食うんだよ!」
「忘れてた!」
「はぁ……」
「研究だァ〜!」
「俺は報告してくるからな……地下調査と研究は増えると思っておけ。」
「やった〜!」
「はぁ……」
チェルブルムはフラフラとディニタスの部屋に向かった。
翌朝。
副官は司令官室に集められていた。
「今後地下調査を増やしてゆく。適合者ミラクの班の出動は消極的に。」
「なぜですか……?」
アオギリが口を開いた。
「地下が崩れて全員下敷きの可能性が通常より高まるだろう?あの暴走を見たら恐ろしくてな……」
「じゃあミラクたちは……」
「地上任務が主になる。」
「わかりました。」
「伝えておいてくれ……あと、全員の班であのランチャーは必ず携帯するように。」
「はい!」
「以上、作業に戻っていいぞ。」
部屋を出たアオギリは真っ先にミラクの元へ向かった。
「ミラク!ミラク!」
「どうしたんですか?」
「はぁ……はぁ……」
「息上がってる……」
「今後……地下は……あまり……行けなくなる……倒壊の……恐れが……」
「息整えて!」
アオギリはミラクの隣に座った。
すぐイオの視線に気付いて、怯えながら離れた。
「その……暴走が……あるから……」
「あぁ……」
ミラクも察した。
ミラクも小刻みに震えた。
第三十七話 「全貌」 完




