第一話 「蛭の木」
今は、2087年
10年前、突如蛭が各地で大量発生。
犬、猫、幼児、少年少女、大人と宿主を
移していき、異形の姿へ変えていった。
これらの異形生物を「クロアネ」と言う。
異形の木からクロアネが増殖し、人類が滅亡の危機に瀕するなか、政府は対策として
対クロアネ人類防衛軍を結成。
通称【CB】である。
世界各地の蛭の木を見つけ、クロアネの撲滅を目標とする組織だ。
18歳の少年、ミラクはCBの入隊試験を突破し、適合試験へ向かっていた。
「私が適合試験を担当するアキノだ。そこの台に寝そべってくれ、手首と足首を固定するから注意しろよ」
[只今ヨリ、適合試験ヲ開始スル]
無機質なアナウンスが真っ白な部屋に響く。
対クロアネ用剣型近距離武器「バーズム」
[適合率、0%]
対クロアネ用銃器型中距離武器「メイヘム」
[適合率、0%]
対クロアネ用銃器型長距離武器「アーキテクツ」
[適合率、0%]
アキノが呟く
「おかしいな…ここら辺で大体は適合するんだけどな…」
対クロアネ用鉤爪型近距離武器「ノヴァ」
[適合率、0%]
「おかしい…武器はあと1つだぞ…」
対クロアネ用地雷型遠距離武器「ローディー」
[適合率、0%]
「嘘だろ…適合ゼロ…?そんな筈は…」
「どうした?アキノ」
「あぁ…プリースト…新人の適合試験なんだが…どの武器も適合しないんだ…」
「んん…まさか、あの武器じゃ無いだろうな?」
「あれか…?」
「一回試してみろ…まあ、後は知らんぞ」
アキノは奥から不気味な武器を取り出した。
刀身に赤黒い何かが脈打っている。
対クロアネ用剣型近距離武器【メシュガー】
[適合率、100%]
「なに…?」
ミラクが起き上がる。
「どうしましたか…?」
「よく聞け…お前は禁忌の武器に適合した。過去に3人しか適合しなかった。もれなく全員暴走して、処分した」
「他の武器は…?」
「適合ナシ…それでもCBに入りたいか?」
「はい…!」
「わかった、今はロビーでゆっくりしていろ」
数分後、会議室
「メシュガーに適合した新人の件について…お前に任せていいか…?監視兼暴走時の処分役だ…イオ、できるか?」
「はい、任せてください」
異様な白髪に黄金の目をした、18歳の少女。
しかし、感情を表に出すことはない。
ただ淡々と仕事をこなしていた。
「ミラク、お前の監視役が決まった、イオだ。お前とイオはパーティを組む時必ずペアになるように」
「はい…!」
第一話「蛭の木」 完




