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小説を書いたことないので、AIになろう系小説を書かせてみた 〜気まぐれAIのカフェイン転生が、俺の人生を変えた件〜  作者: U2U


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【第8話】止まれない男と、隙間を歩くタヌキ(中編A)

◆◆◆


港町ポルトマーレの路地裏で、俺たちはまず屋台で買わされた「伝説の剣」の正体を確かめることにした。


路地裏の薄暗がりで、俺は手に入れたばかりの「伝説の剣」をしげしげと眺めていた。

さっきまでは、太陽の光を浴びて神々しい銀色の輝きを放っていたはずだ。

だが、こうして日陰で見ると、どうも輝きが鈍い気がする。


直也「……なぁ、ALMA。これ、本当に伝説級なのか?」


ALMA『解析。形状データは過去の文献にある「勇者の剣」と98パーセント一致しています。ですが、材質密度に著しい偏りがあります』


直也「偏り?」


ALMA『外殻部分のみ高密度な魔力反応がありますが、内部はスカスカです』


嫌な予感がした。

俺が眉をひそめていると、リィナが心配そうに覗き込んできた。


リィナ「直也さん?どうしましたか?剣が汚れているなら、私がお掃除しましょうか?」


直也「あ、ああ……頼めるかな?なんかこう、曇ってる気がして」


リィナ「お任せください!伝説の剣なんですから、ピカピカにしちゃいますね!生活魔法『お掃除・ポリッシュ(研磨)』!」


リィナが杖を振る。

生活魔法の優しい光が、剣の刀身を包み込んだ。

本来なら、錆や汚れが落ちて、本来の輝きを取り戻すはずの魔法だ。

だが。


パラパラパラ……。


直也「……ん?」


輝きが増すどころか、銀色の塗装のようなものが、ボロボロと剥がれ落ちていくではないか。

まるで、日焼けした後の皮膚のように。

そして、その下から現れたのは――


リィナ「あ、あわわわ!?な、直也さん!剣が、剣が枯れ木になっちゃいました!?」


直也「……いや、違うなリィナちゃん。枯れ木になったんじゃない」


俺の手の中にあるのは、虫食いだらけの、ただの朽ちた木の棒だった。

所々に銀色の塗料がこびりついているだけの、粗大ゴミ。


直也「最初から枯れ木だったんだよ!あのアマ公、テクスチャ……いや、『厚化粧』で誤魔化してやがったな!」


ALMA『肯定します。表面に塗布されていたのは、視覚情報に干渉する「認識阻害パウダー」です。リィナさんの魔法が、それを「汚れ」として正しく除去しました』


直也「除去しなくていい真実まで暴いちまったよ!」


リィナ「ご、ごめんなさい!私、伝説の剣を壊しちゃったかと……!」


直也「リィナちゃんは悪くない。悪いのは、あの詐欺師タヌキだ」


俺は怒りに震えながら、手元の枯れ木を地面に叩きつけた。

金貨一枚。

俺のなけなしの財産が、こんなまきにもならないゴミに変わるとは。


直也「おのれポン太……!見つけたらタヌキ汁にしてやる……!」


俺が拳を握りしめた、その時だった。

ふと、足元に違和感を覚えた。


ピキッ。


乾いた音がした。

靴底を見る。

さっきポン太から買った「万能の霊薬(という名の泥水)」の効果で、地面を噛んでいたはずの泥が、乾燥してヒビ割れている。


直也「……あ」


そういえば、剣が偽物なら。

薬だって、本物であるはずがない。

あれはただの「粘り気のある泥」で、一時的に摩擦を作っていただけに過ぎない。

そして今、その泥が乾ききり、ボロボロと剥がれ落ちていく。


直也「ま、待て。嘘だろ?」


ALMA『警告。直也さんの靴底の摩擦係数が、再び測定不能レベルへ低下します』


直也「言うのが遅いんだよぉぉぉ!!」


ズルッ!!


世界が傾いた。

俺の足は氷上のスケーターのように滑り出し、重力に従って路地の奥へと加速する。


リィナ「ああっ!直也さん!また滑り出しました!」


ゼピュロス「わー!マスター待ってー!置いてかないでー!」


直也「来るな!押すなよ!絶対押すなよ!」


俺の叫びも虚しく、ゼピュロスが背後から猛追してくる。

彼女は風をまとっているせいで、狭い路地に突風が巻き起こる。


ゼピュロス「任せてマスター!私が風で押してあげるから!」


直也「やめろバカ!それは加速装置だ!」


ゼピュロス「えいっ!『テイルウィンド(追い風)』!」


ドォォォン!!


俺の背中にジェットエンジンのような風圧が直撃した。

制御不能。

俺は人間ミサイルとなって、路地の壁に激突しながらピンボールのように跳ね回った。


直也「がはっ!ぐえっ!あのアマ公ぉぉぉ!!」


◆◆◆


視界が流れる。

俺は市場のメインストリートを、猛スピードで滑走していた。

人々が悲鳴を上げて避ける……はずだった。


だが、現実は違った。


ザッ。


俺が突っ込む直前、通りを歩いていた数十人の住人が、一斉に足を止めた。

そして、まるで事前に打ち合わせをしていたかのように、左右に綺麗に分かれて道を開けたのだ。

一糸乱れぬ動き。

軍隊の行進よりも正確で、そして機械的だ。


直也「……うわっ!?」


俺はその「開けられた道」を滑り抜ける。

すれ違いざま、彼らの視線が俺を追う。

首の角度が、全員同じ。

目の動きが、全員同じ。

そして、彼らの口がわずかに動き、さざ波のような声が重なった。


「「「通過します。ご注意ください」」」


数百人の声が、完全に同期していた。

感情のない、録音されたアナウンスのような声。


直也「……っ!」


背筋に悪寒が走る。

さっきのお祈りタイムと同じだ。こいつら、やっぱり中身が入ってない。

俺のために道を開けたんじゃない。「異物(俺)」が通過する際のエラー回避処理として、道を開けるプログラムが作動しただけだ。


直也「どいつもこいつも、気味が悪いんだよ……!」


リィナ「直也さん!大丈夫ですか!?」


リィナが後ろから走ってくる。彼女の目には、この異様な光景はどう映っているんだろうか。


ALMA『直也さん。前方に逃走対象「ポン太」を発見』


直也「……!」


思考を切り替える。今はあのタヌキを捕まえるのが先だ。

通りの向こう、人混みの隙間から、茶色い耳が見え隠れしている。

あいつは、この「整列した群衆」の中を、まるで水のようにすり抜けていく。


直也「逃がすかぁぁぁ!!」


俺は壁を蹴り、無理やり軌道を変えた。

摩擦ゼロの体は、慣性だけで驚くほどの速度が出る。

ポン太との距離が一気に縮まる。


ポン太「げっ!?旦那、なんであんな速ぇんだ!?」


直也「貴様が売った泥水のおかげだよ!!」


俺は手を伸ばす。

指先が、ポン太の法被はっぴに触れそうになる。

だが、その瞬間。

ポン太はニヤリと笑い、路地の行き止まりにある「ただの壁」に向かって飛び込んだ。


直也「そこは行き止まりだぞ!」


ドサッ……いや、ヌルッ。


衝突音はしなかった。

ポン太の体は、壁にぶつかることなく、壁の表面ににじむように溶け込んで消えた。


直也「は……?」


ゼピュロス「あ!タヌキが消えちゃった!」


俺は勢いを殺せず、そのまま壁に突っ込む――寸前で、ゼピュロスに首根っこを掴まれて急停止した。


直也「ぐえっ……!た、助かった……」


ゼピュロス「セーフ!ギリギリだったねー」


俺は荒い息を整えながら、ポン太が消えた壁を見た。

レンガ造りの、変哲もない壁だ。

隠し扉があるようには見えない。

だが、俺は見た。

あいつが消える瞬間、壁と空間の境界線が、一瞬だけ「白く」発光したのを。


直也「……今の、見たか?」


リィナ「はい……壁の縁が、白く光って……あの『迷いの森』の出口と同じ色でした」


直也「やっぱりな」


俺は壁に手を触れた。硬い感触がある。普通の壁だ。

だが、ポン太はここを抜けた。

あいつは隠し通路を使ったんじゃない。

この世界の「作り」の甘い部分――テクスチャの継ぎ目、あるいは処理落ちしている隙間を見つけて、そこを無理やり通ったんだ。


ALMA『推測。対象は、空間座標の「上塗り」が薄い箇所を視覚的に、あるいは本能的に識別しています。いわば、世界の「裏道」です』


直也「裏道、ね……。真っ当な道を行けば、あの気持ち悪い群衆と同じにされる。なら、俺たちが行くべきなのはそっちだ」


俺は振り返り、二人を見た。


直也「リィナちゃん。お掃除の出番だ。この壁に塗られた『壁だと思わせる化粧』を剥がしてくれ」


リィナ「えっ?壁をお掃除するんですか?」


直也「そうだ。ここには『道』があるはずなんだ。ただ、誰かが隠してるだけでな」


俺の勘が告げている。

この壁の向こうにこそ、この整いすぎた街の、本当の姿があるはずだと。


◆◆◆(中編Aパートここまで)◆◆◆

次回の更新日2月24日(火)第8話中編Bパートになります。

感想を頂ければ励みになります。

よろしくお願いします。

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