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小説を書いたことないので、AIになろう系小説を書かせてみた 〜気まぐれAIのカフェイン転生が、俺の人生を変えた件〜  作者: U2U


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【第7話】迷いの森に、道なんてあるわけない(後編B)

◆◆◆


直也「いいか、よく聞け。あいつは無敵の巨人じゃない。ただの『換気の悪い部屋に溜まったホコリの塊』だ」


俺の言葉に、ゼピュロスとリィナがキョトンとする。


ゼピュロス「ホコリ?あんなにでっかいのに?」


直也「ああ。空間にへばりついてるだけだ。だから、剣で切っても意味がない。煙を斬るようなもんだからな」


俺は巨人を指差した。

奴はまだ、こちらを「消去」しようとゆっくり迫ってきている。猶予はあまりない。


直也「だが、実体がないなら、吹き飛ばして拭き取ればいい」


俺は二人に具体的な指示を出した。

名付けて、『年末大掃除作戦』だ。


直也「ゼピュロス!お前の風で、あいつの体を思いっきり搔き回せ!形を保てなくなるくらい、グチャグチャにな!」


ゼピュロス「あはは!それなら得意だよ!ミキサーみたいにすればいいんだね!」


直也「リィナちゃん!ゼピュロスが霧を薄めた瞬間、最大出力で生活魔法『お掃除』を頼む!対象は空気だ!あいつを『汚れ』として認識して、徹底的に浄化するんだ!」


リィナ「はい!森の空気を汚す悪いもの、私が許しません!」


二人の目に力が宿る。

よし、いける。


直也「作戦開始だ!行けぇっ!!」


俺の号令と共に、二人が飛び出した。

まずはゼピュロスだ。彼女は巨人の頭上高くへと舞い上がると、大剣をプロペラのように高速回転させ始めた。


ゼピュロス「とっておきだー!『サイクロン・ミキサー』!!」


轟音と共に、巨大な竜巻が発生した。

それは巨人を中心に渦を巻き、その体を構成する白い霧を強引に吸い上げ、搔き回していく。


巨人の輪郭が崩れる。

のっぺらぼうの顔が歪み、腕がちぎれ飛び、霧散していく。

物理的なダメージではない。だが、風によって構成要素をバラバラにされたことで、巨人はその「形」を維持できなくなっているのだ。


直也「今だ、リィナちゃん!!」


リィナ「はいっ!!」


リィナが杖を掲げる。その先端にある宝石が、眩いばかりの純白の光を放った。


リィナ「……お掃除、最大出力。『ピュリファイ・エア』!!」


カッ!!


世界が白く染まるほどの閃光。

だが、それは目を焼くような光ではなく、全てを洗い流すような清涼な輝きだった。

光が巨人の霧を包み込む。


すると、どうだ。


さっきまであれほど不気味に蠢いていた霧が、まるで汚れた窓ガラスを雑巾で拭き取ったかのように、綺麗さっぱりと消えていくではないか。

「消滅」ではない。「洗浄」だ。

存在していた「汚れ」が取り除かれ、本来あるべき「透明な空間」に戻っていく。


ALMA『敵性反応、急速に低下。構成要素の九十パーセントが浄化されました』

直也「よしっ!……見えたぞ!」


霧が晴れたその中心。

巨人の心臓があったあたりに、一つだけ「残ったもの」があった。

拳大の、白く発光する石だ。

あれが、この霧を生み出し、空間を繋ぎ止めていた「核」に違いない。


直也「ゼピュロス!あいつが本体だ!ホームランかましてやれ!!」


上空で待ち構えていたゼピュロスが、ニヤリと笑ったのが見えた気がした。


ゼピュロス「合点承知!……必殺、フルスイング・スマッシュ!!」


彼女は重力を味方につけ、急降下しながら大剣を振り抜いた。

狙いは一点。無防備に露出した白い石だ。


カァァァァンッ!!


小気味よい音が響き渡る。

白い石は粉々に砕け散り、キラキラとした光の粒子となって霧散した。

瞬間。


周囲を包んでいた圧迫感が、嘘のように消え去った。

足元で途切れていた地面が、音もなく修復されていく。

白い虚無だった空間に、再び「ねじれた木」や「草」が戻ってくる。

世界が、正常な(といっても張りぼての森だが)状態へと書き換わったのだ。


直也「……はぁ、はぁ……。終わった、か……?」


俺はその場にへたり込んだ。

緊張の糸が切れ、全身から力が抜けていく。

ゼピュロスが上空から降りてきて、俺の背中をバシバシと叩いた。


ゼピュロス「やったねマスター!あいつ、最後はスッキリ消えちゃったよ!私のホームラン見た!?」


直也「痛い痛い!……ああ、見事な一撃だったよ」


リィナも、杖を下ろしてふうっと息をついている。


リィナ「ふぅ……。頑固な汚れでしたけど、なんとか綺麗になりましたね。これで森の鹿さんたちも安心です」


直也「そうだな。……ありがとう、二人とも。君たちのおかげで助かったよ」


俺は心から礼を言った。

物理無効の即死攻撃持ちなんて、俺一人なら間違いなく詰んでいた。

このめちゃくちゃなパーティだからこそ、突破できた難所だ。


直也「さて、それじゃあ少し休んでから……」


言いかけた時だった。

俺は、ある異変に気づいた。


直也「……ん?」


喉が渇く。

いや、ただの渇きじゃない。喉の奥が張り付くような、強烈な乾燥感だ。

唇がピリピリと痛み、指先を擦り合わせるとカサカサという音がする。


直也「な、なんだ……?急に、空気が……」


ゼピュロス「んー?なんか、お肌が突っ張る感じ?パリパリするー」


リィナ「あら?どうしたんでしょう?」


リィナだけは平然としているが、俺とゼピュロスは急激な乾燥に襲われていた。


ALMA『環境解析報告。現在、周辺大気の湿度が「ゼロパーセント」に近い数値まで低下しています』


直也「ゼロだと!?」


ALMA『推測。リィナさんの生活魔法「お掃除」が強力すぎたため、有害な霧だけでなく、空気中の水分、塵、匂いの分子に至るまで、全ての「不純物」を完全に除去してしまったようです』


直也「やりすぎだろ!!」


俺は叫んだ。


ここは今、半導体工場のクリーンルームも真っ青の、超・無菌室状態になっているのだ。

あまりに空気が綺麗になりすぎて、生物が生きていくのに必要な湿気すらも「汚れ」として拭き取られてしまったらしい。


直也「ぐっ……水……水をくれ……」


俺は水筒を取り出そうとしたが、指が乾燥で滑ってうまく掴めない。

唇が割れ、そこから血が滲む。


リィナ「ええっ!?直也さん、大丈夫ですか!?お肌がカピカピですよ!?」


直也「誰のせいだと思ってるんだ……!」


俺は乾いた声でツッコミを入れた。

命拾いしたと思ったら、今度はドライアイと肌荒れの危機かよ。

この世界は、どこまで俺を追い詰めれば気が済むんだ。


直也「……リィナちゃん。次からは、適度に『湿気』を残すようにしてくれ……」


リィナ「す、すみません!私、張り切りすぎちゃって……!」


ゼピュロス「あはは!マスター、干し椎茸みたいになってるー!」


直也「笑い事じゃない……!加湿器……誰か、加湿器を持ってきてくれ……」


俺の切実な願いは、乾燥した風に乗って、虚しく張りぼての森へと消えていった。


(第7話 完)

次回は2/13(金)更新、8話のスタートになります。

前編Aパート

お楽しみに!

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