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魔法少女が見ている夢は?  作者: 原口もとや
魔法少女が見ている夢。
7/14

07


あさひ「疲れたな……」


あさひはそう言って汗を拭う。

日課のランニング。

あさひは朝が苦手なので夜に走っている。

本当は朝の方がいいと分かってるんだけれど……。

でも、しょうがないよなとも思う。


あさひ「やっぱりここはいい景色だな……」


あさひは街を見下ろしながら考える。

街に広がっている噂について。

この街には悪魔と魔法少女がいる。

そんな噂は何度も聞いた。

悪魔は人を襲い。

そして魔法少女は人を助けるらしい。

魔法少女の方はなんとなく信じている。

あさひ自身は見たことはないのだけれども。

実際にたくさんの目撃した人がいるし。

助けられた人もいるから。

えちるも昔は魔法少女に憧れていて。

実際に助けてもらったこともあるらしくて。

小さい頃はずっとそんな話をしていた。

でも……。

今はそんな憧れもなくなってみたいで。

いつの間にか魔法少女の話をしなくなったし。

なんとなくだけれども。

あさひも話題に出すことはなくなった。

だから……。

魔法少女はいるかもしれないけれど。

自分には何も関係ない存在。

そう思っていて。

悪魔については……。


あさひ「そんなのいるわけないよな」


そう結論づけている。

魔法少女は信じているけれども。

悪魔は信じていない。

自分でも変だと思うけれども。

そうとしか思えなくて……。


あさひ「冷えてきたな」


そろそろ帰ろう。

また明日の朝に起きなくちゃいけないしな。

あさひはまた走り出そうと……。


あさひ「!!」


一瞬の出来事だった。

目の前に何かいた。

さっきまで何もなかった場所に。

何か黒くて……。

何か大きな羽と牙があって……。

あれはどう見ても……。

頭の中は思考でいっぱいになるけれども。

体はまったく動かなくて。

悪魔は本当にいたんだと分かったけれども。

このままでは噂通り……。


緑の魔法少女「ここにいたんだね」


紫の魔法少女「街の平和はわたし達が守る!」


赤い魔法少女「私が動きを止めてますね」


小悪魔「サッサトオワラセロヨ」


見るからに魔法少女な3人。

1人は緑で、1人は薄い紫で、1人は赤で……。

それにマスコットのような小悪魔が1匹……。

やはりあさひは何もできずに。

ただ悪魔と魔法少女が戦ってるのを見ていた。


赤い魔法少女「ほらほら」


赤い魔法少女「その程度のスピードしか出せないのかしら?」


赤い魔法少女は長い件で悪魔と戦う。

悪魔がふるう爪やしっぽをはじき。

自身は剣先で切っていく。

空中で踊ってるみたいだとあさひは息を飲む……。


緑の魔法少女「準備できた」


緑の魔法少女「もう大丈夫」


緑の魔法少女はぶつぶつと詠唱を唱える。

淡い光が魔法少女を包み……。


緑の魔法少女「……捕まえた」


悪魔の体に鎖がまきつく。

足元には魔法陣があり。

しっかりと動けないようにしてるのが分かった。


緑の魔法少女「とどめはおねがいね」


紫の魔法少女「うんっ!」


紫の魔法少女「いくねっ!}


紫の魔法少女が両手を出す。

大気中から出てきたように炎が手をつつむ。

先ほどとは違い太陽のような光が見えた。

炎はどんどんと大きくなり。

それに合わせて明るさもましていく。


紫の魔法少女「えいっ!」


その炎が打ち出され。

一直線に悪魔へと……。

そして……。


緑の魔法少女「一件落着だね」


紫の魔法少女「今日も街の平和を守れたねっ!」


赤い魔法少女「一応目撃者の記憶を曖昧にしておきますか」


赤い魔法少女「私達の正体はバレませんが」


緑の魔法少女「悪魔に関してはちゃんと消しとかないと」


紫の魔法少女「だよね」


紫の魔法少女「見つけた時はびっくりしたけど……」


紫の魔法少女「守れて良かった!」


戦いが終わり。

さっきまでいた悪魔はどこにもいなくて。

和気あいあいと魔法少女たちが話していて……。

そこで俺は気がつく。


あさひ「あれ……お前らって……」


あさひ「生徒会長に……」


あさひ「転校生に……」


あさひ「それと……えちる……だよな?」


俺の言葉に赤い魔法少女と紫の魔法少女は驚きの表情を見せ。

緑の魔法少女はどうでもよさそうで。

小悪魔はにやりとあやしく微笑んだ。

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