雷の霊龍『カンナ・カムイ』
夏休みに入ったら投稿する頻度が増えるかもしれないです。
楽しんでもらえたら幸いです。
放課後悠貴の部屋で悠貴と凛とミラで集まっていた。悠貴の両親は共働きで夜中にならないと帰って来ない。悠貴は適当にお茶を3人分汲んでいた。今日学校で聞いた噂『鬼山に竜が出る。』ということだが、
「確かに聖龍軍には竜人族は存在する。でも彼らは人間のことが嫌いな種族で、こちら側にはやってくることはないと思うの。」
「どうしてそう思うんだ?」
「竜人族や竜族は昔は人間のことを好きだったんだけど、人間の方は竜を見ると捕獲しようとしたり、傷を負わせたり、とにかくひどいことをしたの。」
わからなくもないと悠貴は心の中で思った。人間は未知の生物を捕獲しようとする。ましてや竜なんてものを見つければ尚更その気持ちになっても仕方ないだろう。
「とにかく人間が原因で竜人族はこちら側にやってくるとは考えづらいと思うわけだな。」
「で?悠貴。この話を聞いてもまだ鬼山に行くつもりでいるの?」
「当たり前だ。もし本当に竜人族がこの世界に来ているのだとしたらその動機も気になるしな」
「じゃあそれで決まりね!」
もし本当に竜人族がいたとしたら、悠貴はどのように見られるだろうか。昔の話とはいえ今も竜人族は人間を嫌っている。すんなりと悠貴の存在を受け入れられるとは思っていない。でも。
「これもミラの夢を叶えるための1歩だもんな。」
誰にも聞こえないように小さい声でそう呟いた。
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暑い。暑すぎる。鬼山への調査が決行されたのは、あの会議から2日後の日曜日である。
「いつもだったら家に引きこもってゲーム三昧って生活なんだぞ…俺は…」
「悠ちゃん疲れたの?まだ5分しか歩いてないよ?」
えっ?今なんて?俺の聞き間違えじゃなければ、5分しか歩いてないって…
「だらしないなぁ悠貴は。5分もまともに歩けないの?」
「常日頃浮いてる奴に言われたかねぇよ! それにこの暑さは引きこもりには辛すぎる…」
確かに今日の天気は快晴。最高気温35度という引きこもりには厳しい気温かもしれない。
「本当に山なんかに行くのかぁ…なんで俺あんなこと言ったんだよ…」
「2日前の顔との変わりようがすごいわね…」
「悠ちゃん、疲れたんだったら家に帰って後日再び行くっていうのでも私はいいよ」
「いや。大丈夫だ。男に二言はねぇ。けど…さすがに…」
暑い…
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それからどれほど歩いただろうか?悠貴たちは山の麓にいた。山だから暑さは先ほどよりかだいぶマシに感じる。
鬼山という名前で知られているこの山には角のように尖った大きな2本ある。これが鬼山の名前の由来だ。しかしこの山には危険な場所が多いため山の中腹から上は立ち入り禁止となっている。
「お前っ…さすがにやばいだろ。」
「仕方ないこの先からマナのエネルギーを感じるのだから。」
「凛の言う通りだよ。怖いなら悠貴はここに残ってもいいけど。」
「残るわけねぇだろ!」
立ち入り禁止の柵を乗り越え悠貴たちは頂上へと向かう。そのうち会話も途切れ、何の楽しみも無くただ山を登っていく。
それから30分ほど経っただろうか。頂上の近くに開けた場所があった。そこには人影が。よく見るとそれは小学生ほどの小さな女の子だった。
桃色の髪をしており、後ろで髪をくくっている。美しい琥珀色の瞳は見る者全てを魅了する。眠たいのか目はウトウトしている。しかし立ち入り禁止のこの場所で1人の小学生がいるとは考えづらい。ミラの夢か?とりあえず自分の頬をめいっぱい引っ張る。
「痛ってぇぇぇ!!!」
「何やってるの?私が作った夢だと思ってるの?」
疑った俺が悪かった…反省。
じゃあこれは現実でありこの目の前にいる女の子も現実なのか…?
すると女の子がこちらの方に振り向き、一言。
「ウチの名前は『カンナ・カムイ』雷を司る霊龍。ここに何をしに来た?人間。」
1章の終わりに番外編の物語を載せるつもりでいます。(1章は11話まで)




