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番外編 エルフの初デート

語り手の視点がちょこちょこ変わっているのでわかりにくいかもしれません。(一応視点を変更するところは区切ってあります。)


ある日のこと。まあ俺レグルス・カノープスはもう人間ではないため学校も何も関係ないのだが。

今日はとてつもなく暇だ。いつもならばミラとカンナと俺がふざけて、それを凛が見ているといったかんじなのだが、今日に限ってミラもカンナも朝から用事があるらしく今家にいるのは俺と凛だけだ。

この世では既に死んでしまった存在である俺はとりあえず凛の家で生活している。もちろんミラとカンナも一緒に。凛は亜人界から偵察としてこの人間界にやってきたのだが、何故か一戸建ての家を持っている。一人暮らしなのに。だから部屋も余っているということで居候しているというわけだ。

とりあえず何か話さないとな…


「なぁ暇だし都心の方にでも行かない?」


─────────────────


悠貴に都心に行こうと誘われた。橋中悠貴は既に死んでしまったけど、私は今でも彼のことを悠貴と呼んでいる。

で都心へ行く話しの返事だが、もちろん、


「いいよ!行こっ!」


行かないはずがないではないか。だって悠貴と2人きりで都心に行くんだよ!好きな人と2人きりって考えただけでどうにかなりそう。ここは平然を保って、いつもの凛として接しなければ…



ってなわけで家を出た私たちは電車に揺られ数十分。都心に到着。やはり都会というのはビルばっかりで正直亜人界出身の私からしたら息が詰まりそうであまり好きではない。が、今回はまた別だ。

何か会話をしなくては…


「なっ、なんかデートみたいじゃない?」


「んー…まぁそうだな。デートだな。嫌か?」


「えっ!?そっ、そんなことないよ!むっ、むしろありがとうございます!っ感じ。」


「緊張してる?いつも通りな感じでいいのに。」


この状況でいつも通りな感じにできるヤツがいるかーっ!!!!!

無理だよ!絶対意識しちゃうし!っていうか悠貴は平気なの?この状況で?


「俺も実は緊張してるんだよ。2人きりだしな…。」


「そっか。なんか安心した。」


「なんか、初デートの相手が俺でごめんな。」


えっ!?何を言い出すんですか!?あなたは!?ごめんも何もこちらとしてはうれしい限りなんですけど!?

とりあえず落ち着いて平然と凛を装い気持ちを伝える。


「私は初デートの相手が悠貴でよかったって思ってるよ…。」


─────────────────


えっと?今のって告白?違うよね?この空気に惑わされるな!俺!今のはただの気持ちであって告白ではないぞ!ってかどんなのが告白なんだ?こういうの俺あんまりわからないんですけどー!!

とりあえず腹減ったし…


「どっか店でメシ食わねぇ?そこで何するか決めればいいし。」





俺たちは近くのファミレスでメシを食ってその後に凛が服を見たいって言うからすることないし服屋へ来たのはいいけど…

かれこれ30分…

長すぎねぇ!?こんなもんなの!?女子ってこんなもんなの!?かなぁ?

しかし、洋服選びに迷っているあの凛の顔。まるで子供のように目を輝かせながら選ぶ様子を見ると、俺はこの笑顔を守ってやりたいとそう思うのだ。

すると凛が寄ってきて、


「ねぇ悠貴、どっちの服がいいと思う?」


って聞いてきた。左手にはフリル付きの白いワンピース?(俺にはよくわからん)、右手には紺のワンピース?(俺にはよくわからん)を持っている。どっちがいいって言われてもなぁ、人の好みにもよるだろうし、俺に聞かれてもなぁ…


「じゃあこの左の方で」


ってテキトーに答えてみた。すると、


「まぁ確かにこっちもいいと思うけど、私はこっちの方がかわいいと思うの。」


決まってるなら俺に聞くなよー!!!!!

しかしだからといって「じゃあそっちにしたら」なんてことは言わない。その先どうなるかわかっていることだ。喧嘩の原因になる恐れがあるので意見は変えない。俺にとってもこれが初デートなのだ。これから先彼女ができる可能性があるわけないのだからこのデートで喧嘩なんかしたくない。



─────────────────


結局何も買わずに時間だけが過ぎてしまった。悠貴怒ってないかな?私のわがままに付き合ってくれたんだから、


「今度は悠貴が行きたいところに行こうよ。私は悠貴が行きたいところならどこでもいいよ。」


「じゃあ……」


「あっ、でも変なことするのは無しね。」


「しっ、しようともしてないし、考えてもねぇよ!」




ということで悠貴が行きたいところ、ゲーセンに来た。正直ここはうるさくて好きではないが、悠貴がいるなら悪くもない。

もともと悠貴はアニメを見るのが好きなのだ。だからしょっちゅうこういったところに来ているらしい。ひきこもりなのに…

もちろん私は初体験なのだが。


「ねぇこの機械は何?」


「あー、それは腕相撲マシンだよ。その機械と腕相撲が出来るんだ。やってみる?」


「壊してもいいなら…」


「却下。」


だってこんな雑魚そうな機械と私が腕相撲したら破壊せざるを得ないよ。亜人の力を舐めないで頂きたい。


「じゃあこれは?」



─────────────────


凛がゲーセンに夢中だ。いつか凛とこういうところに来てみたいという夢が叶った。

なにせあのゲームに飛びつく様子がかわいくって仕方がない。


「ねぇ?聞いてる?この機械は何?」


「えっ?あー、これ?これはクレーンゲームっていって、このぶら下がってるやつで景品を掴んで、この穴に落とすと景品が手に入れられる。やってみる?壊すなよ?」


「そんなに何でもかんでも壊さないよ。とりあえずやってみるわ!私の力を見せてやる!」






かれこれ数十分。完全にハマったなこれ…

だから難しいって言ったのに。どれくらいお金を使っただろうか?軽く4000円は使っているだろう。俺は何度もやったことあるから。簡単に景品をゲット出来たけど。凛の方は全く取れずぶーたれている。


「なんで!?なんでゲット出来ないの!?悔しい~!!」


かっ、かわいい!!

いやいやいや、惑わされるな俺!とにかくこれ以上の出費を防ぐ為にも、


「俺が取ってやるから…」


「ダメっ!自分で取るから意味があるの!」


何いっちょ前なこと言ってんだよ!!お前何も取れてないじゃん!!お金をドブに捨ててるようなもんだよ!でもまぁかわいいから許す。

ってか今日の俺デートって空気に惑わされてない?でも初めて凛と会った時に比べたら、凛も綺麗になった気がする。なんてこと言ってたら他の2人が拗ねるから2人にも同じくぐらいので愛情を注いでいる。

みんなかわいい俺の仲間だ。




─────────────────


「なんだかんだで楽しかったな。」


「そうだね。」


時刻は6時前。レグルスたちは凛の家に帰ってきた。レグルスたちの関係はいつまで続くのだろうか?この関係はいつか終わってしまうのか?もちろん終わりなど求めていない。しかし出会った以上別れも存在する。それがいつになるかわからないけれど。

別れがいつになるかわからないからこそ今を楽しみたい。後悔のないように伝えたいことを伝えたい。だから…


「あの、悠貴に話しがあって…」


「────ッ」


「私悠貴のことが好きなの…今日も悠貴として2人きりで楽しかったし。なんか始めの方ぎこちなかったけど、それでも楽しかった!」


「────ッ」


「でも悠貴のことを好きだって思ってるは私だけじゃないの。ミラもカンナも同じで悠貴のことが好きなの。確信はないけど、たぶんそう。」


凛は必死に言葉を探して、なんとか言葉を並べようとするが、どうも思いつかない。


一方レグルスの方は状況の処理が追いつかず、硬直状態。


「えっと、だから、その……」


「えっ、ちょっと待って。つまりはお前は俺のことが好きで、それで他……」


そこまで言った瞬間、レグルスは言葉を発するとこが出来なくなった。

レグルスの発言を食い止めるかのように凛が唇でレグルスの唇を奪った。







レグルスにとっても、凛にとってもこれが初めてのキスだ。

凛の体温が、温もりが、鼓動が、唇を通じて感じる。時間が止まったのではないかと思う程辺りの音が入ってこない。ほんの数秒のできごとなのに、とてつもなく時間が長く感じた。




レグルスは自分の唇に手で触れる。まだ凛の唇の感触が残っているのを、温もりが残っているのを確認するかのように。





─────────────────

翌朝


「あれれ~?凛と悠貴喧嘩でもしたの?」


「えっ、そっ、そんなの、しっ、してないよっ、ねぇ?」


「ふぇっ!?えっ、あっ、俺?あっ、あぁ、喧嘩なんか、ぜっ、全然してないよ~、アハハー」


「じゃあなんで2人とも目を合わそうとしないの?」


「あれっ?そっ、そう?わっ、私は悠貴と、目が合ってる気がするんだけどなー、ねぇ、悠貴?」


「はぁい!! あっ、俺?そっ、そうだな、むしろ、めっちゃ合ってる、うん、もう困るぐらい、目、合ってる、うん!」


「喧嘩してないならいいや。」




〈めっちゃ気まずい……。〉

〈めっちゃ気まずい……。〉


~完~



こういうの書くの初めてだから、文章おかしい所あるかもしれないけど、ご了承ください。

これで二章は終わりです。これからもどうぞよろしくお願いします!(たぶん各章の終わりに番外編を上げると思います)

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