魚人出現
一学期が終わり、夏休みが始まり、1週間が経った。照りつける真夏の灼熱の太陽は悠貴を攻撃する。
「ハァ…夏休みってのに…外に出るとか…バカじゃねぇの?俺は毎年部屋で引きこもるってのが俺の夏休みなのに…」
「そんなんじゃ将来社会でやっていけないよ。」
「それに今日はいい天気なんだから、悠ちゃんも外に出ないと。」
「天気が良すぎるんだよ!この暑さは引きこもりには無理だ。」
「ウチも暑いの嫌い。」
「ほら~カンナも言ってるだろ。暑すぎるんだって。だから家に帰ろう!」
確かに気温は35℃を超える猛暑日、引きこもりでなくてもこの暑さは厳しい。それでも平然を装っているこの二人、亜人というのは暑さに強いのだろうか。
「亜人って暑いのに強いの?」
「暑いに決まってんじゃん。」
二人が声を揃えて言った。
やっぱり強がりだったな。
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「ッどこ見て歩いてんだよ!!」
「すっすいませんでした!」
そんな声が聞こえてきた。
憤りを露わにして怒号を飛ばす男の声だ。どうやら一人の男性が歩いていると、その男にぶつかったらしい。
そして男はその男性を軽々と持ち上げ地面に叩きつけた。
「大丈夫ですか?」
すかさず凛が俊敏な動きで男性の安否を確認した。男性は何とか無事のようだ。男は凛を見て、
「なんや、お前?死にたいんか?」
「そんなこと望む訳ない。」
「じゃあ俺の視界から消えろ!」
「私がどいたらお前はこの人を殺す。だから私はどかない。」
聖龍軍の本能からなのだろうか。凛は目の前の悪に対抗している。しかしこの男も凛を鋭い眼差しに怯まず堂々たる態度で凛に罵声を浴びせる。
「どかんかったら、お前もまとめて殺すだけやぁぁぁぁ!!!」
男は大きく振りかぶって凛をその拳で撲殺しようとした。が、
「乱槍」
その瞬間無数の雷の槍が男の体に突き刺さった。カンナの得意とする光属性雷系魔法の威力は絶大だ。眩い閃光を放つその槍は男を体内から破壊する。体中に強い電気が駆け巡る。
「ッがぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
そのまま男はその場に倒れ込み、細い呼吸で、
「ハァ…ハァ…お前ら…亜人だったのか…ヘヘッ…覚えてろ…いつか…後悔する時が…ハァ…来る…から……」
と言葉を残し、生命が絶たれた。
凛が庇っていた男性はいつの間にか逃げていたらしい。悠貴たちを殺人犯だと思われていないだろうか。
「こいつは一体?」
「亜人『魚人族』の半魚人系統だと思う。」
凛が声のトーンを一つ、二つ落としてそう言った。
「最近商店街で暴れてるらしいよ~。相当気をつけないとこいつらのパンチの力はとてつもなく強いからね~。」
ミラが気だるげそうな口調でそう言った。
「魚人族の半魚人系統ってどういう意味なんだ?」
「要するに……」
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亜人には沢山の種族が存在する。ミラの場合だとサキュバス族、凛だったらエルフ族である。そしてその種族の中にもさらに複数の系統に分かれている種族がある。例えばカンナの場合、竜族にも竜がそのまま人間の体格になったような『竜系統』と見た目は人間だが、竜化することができる『竜人系統』の二つが存在する。
先ほどの魚人族の場合、魚が人間の体格になった『魚人系統』、人間の下半身が魚になった『人魚系統』、そして見た目は人間だがエラや水かきがある『半魚人系統』の三つ存在する。
この男の場合は半魚人系統らしい。
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「こいつが言ってた『後悔する時が来る』っていうのもどういう意味か気になるしな。」
「とにかく気を引き締めていかないといけないね。」
と軽くみていた悠貴たちだった。




