神祇 ─じんぎ─
私たちの町は、都会に比べると静かな町。 田舎に比べると賑(にぎ)やかな町。
いまや人を寄せつける名所もなく、日がな長閑(のどか)な町並みが、世情の足並みを恃(たの)んでいる。
寂れた砂浜・堤防の名残。
夢から覚めた歓楽街の跡。
とっくに廃業した旅館へ向かう順路を、誰にともなく伝え続ける古びた看板。
それら、栄衰の残香が、決して褪(あ)せることのない姫松の青色と共に、市内の方々(ほうぼう)に散見されるのみだった。
そんな我が町にも、美点はまだまだ漫(すず)ろ。
町のあちこちを、清らかに彩る松の樹木。
そこに秘められた、羽衣天女の伝説を筆頭に、夜な夜な魑魅魍魎が跋扈(ばっこ)して、奇々怪々な出来事が起こる。
これらに挑むのは、神の子であるにも関わらず、あらぬ因果を負った鬼娘。
彼女が演じる迫真の鬼ごっこは、いつだって痛快なものだった。
これは、かならず笑顔に結する物語。
いかなる禍(わざわい)も、かならず福に転じる物語。
いまや人を寄せつける名所もなく、日がな長閑(のどか)な町並みが、世情の足並みを恃(たの)んでいる。
寂れた砂浜・堤防の名残。
夢から覚めた歓楽街の跡。
とっくに廃業した旅館へ向かう順路を、誰にともなく伝え続ける古びた看板。
それら、栄衰の残香が、決して褪(あ)せることのない姫松の青色と共に、市内の方々(ほうぼう)に散見されるのみだった。
そんな我が町にも、美点はまだまだ漫(すず)ろ。
町のあちこちを、清らかに彩る松の樹木。
そこに秘められた、羽衣天女の伝説を筆頭に、夜な夜な魑魅魍魎が跋扈(ばっこ)して、奇々怪々な出来事が起こる。
これらに挑むのは、神の子であるにも関わらず、あらぬ因果を負った鬼娘。
彼女が演じる迫真の鬼ごっこは、いつだって痛快なものだった。
これは、かならず笑顔に結する物語。
いかなる禍(わざわい)も、かならず福に転じる物語。
行楽の秋
新道
2020/08/07 11:08
発端
2020/08/21 16:16
再会
2020/09/04 16:22
蹊
2020/10/02 16:17
心の在処
2020/11/27 07:42
南天の空
2021/02/25 07:49
南天の空 2
2021/02/26 15:09
南天の空 3
2021/02/28 11:03
南天の空 4
2021/03/02 11:03
南天の空 5
2021/03/04 11:06
南天の空 6
2021/03/06 11:05
南天の空 7
2021/03/08 11:05
南天の空 8
2021/03/10 11:06
南天の空 9
2021/03/12 11:11
(改)
南天の空 10
2021/03/17 11:02
南天の空 11
2021/03/22 11:00
南天の空 12
2021/03/26 09:47
南天の空 13
2021/04/02 07:39
火炎
2021/04/13 07:42
水深
2021/04/26 21:57
スノーホワイト
2021/07/20 07:26
氷焔
2021/08/15 07:56
一輪の枝
2022/02/28 15:20