表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神祇 ─じんぎ─  作者: 高石童話本舗
さがしものと
PR
93/1823

せきにんかん

「や、こんな(ざま)で情けないったら……。 私としたことが」


「ん。 いや、あんまり無理すんなよ?」


「ん。 ありがとね?」


かすかに動揺する膝元をさして、望月は自嘲の笑みを転がしてみせた。


「もう、お化けの正体を突き止めるだとか、大それたことは言わないよ。 欲は掻かない」


しかし、主催者という立場からすると、家族で()まめる手土産くらいは───


帰宅した後、そこで各々(おのおの)が、家族に披露できる土産話のひとつくらいは、どうにか持たせてやりたいのだ。


「幸介が帰るって! もう帰るって言ってるよっ?」


「んだよ? 俺がカエルって」


どうにも話が噛み合わない。 というより、普段から噛み合いが良すぎるため、空回りをしているのかも知れない。


そんな、珠衣と幸介による、元気な声を聞く。


史と同様、今日は自分の計画に、イヤな顔ひとつすることなく、こうして付き合ってくれた面々だ。



『もし、お前が歴史的に貴重なものを発見したとする───』


あれは、いつの事だったろうか。


記憶も曖昧(あいまい)だし、正確な状況も、(つぶさ)に思い出すことはできない。


そこから考えて、幼いころの出来事だったと思う。


『しかし、発掘現場にいるのはお前だけじゃないぞ? 多くの作業員もいれば、現場を監督・指揮する者だっている』


それも、心地のよい微睡(まどろ)みの中で、漠然と聞いた覚えがある。


『他にも、史跡を保存してくれる博物館の代理。 あるいは、役人だっているだろう』


恐らく、膝の上で“うつらうつら”とする私に、子守唄の延長線として、祖父が聞かせてくれた言葉だったのだろう。


ともあれ、内容の方は、今でもはっきりと覚えている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ