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神祇 ─じんぎ─  作者: 高石童話本舗
さがしものと
70/1823

花影5

それは、現状に照らし合わせても同様である。


人間(ひと)ではないものは、存在するか(いな)か”


その答えを、真実として(ほっ)する友人。


そんな彼女に、この口から答えを伝えるのは(やす)い。


しかし、せっかく“心”があるのだ。


人間には、なにかを感じ、物事を考える頭がある。


それは、いわば人間の特権であり、人間が“人間”たり()る素晴らしいことである。


まずは己の力によって、真実にいたる道を見出(みいだ)してこその“人間”だ。


そこに、有無を言わせず自分が介入することは、人情味をおおいに(いっ)した行動であり、人権を踏みにじる行いである。


ともすれば、自分は守りたかった。


たとえ真実をひた隠しにしてでも、人間の特権というものを、守りたかったのだ。


「なんて言うか……、答えることは出来るんだけど──」


「いや、皆まで言わなくていいよ。 こっちとしても、自分の足で真実(こたえ)を探すのは(やぶさ)かじゃないんだ」


「そっか……?」


「うん! たぶん、家系かな? 血が騒ぐ!」


結局のところ、このザマだ。


“人々と共に、人間らしく”


日常生活を送る上で、平坦な指針をさだめているにも関わらず、都合の良いときだけ、神を気取る。



『………………』


いつの日だったか。


あの(ひと)を地獄へ落とす際に、あの女が最後にみせた悲しげな表情が、かすかに脳裏をよぎった。

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