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神祇 ─じんぎ─  作者: 高石童話本舗
あらかじめ
7/1823

あの頃の7


東白砂地区は、“都会田舎”という高羽の印象に、もっとも迫真する地域である。


新興の住宅地があれば、古今に渡る旧家もある。


コンビニが乱立しているかと思えば、いまだに現役の田畑が機能している。


アスファルトを踏む足が、いつの間にか土の道を踏んでいる。


そういった、どことなく長閑(のどか)な地域内に、魔の貯水池はあるわけだ。


充分な聞き取り調査が終われば、あとはフィールドワーク。


実地調査あるのみだった。


お盆まえ。 本年の夏も、ようよう佳境を迎えようかという頃。


私たちは、(くだん)の場所へ向かうことにした。



“たいやき公園”というのは、俗称である。


正式な名称こそ失念してしまったのだけど、たい焼きの形をした滑り台があって、そんな風に呼ばれていたと記憶している。


園内には、他にもいくつかの遊具が設置されており、一般的な公衆施設として、その面目を保っていた。


公園の北側には、自治会館の建物が隣接している。


「もう無いね?」


「ん? なにが?」


「ほら、立ち入り禁止の。 こういう──」


「テープだろ? 黄色いヤツ!」


「そうそう!」


出入り口は、北側に二ヶ所。 南側に一ヶ所のみ。


この内、自治会館から通じる北西の出入り口を利用して、いざ公園内へ。


入ってすぐ、右手に銀杏(いちょう)木立(こだち)があって、ちょっとした林道を形作っている。


それは、園外の畦道(あぜみち)へと通じており、つまりは(くだん)の貯水池に向かう際の、唯一の接続口だった。

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