表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神祇 ─じんぎ─  作者: 高石童話本舗
さがしものと
PR
39/1823

あさごはん3

「でも、どこに建てるんです? お隣の空き地とかですか?」


「ん? それは追々(おいおい)」


「あ。 でも、町中じゃ花火なんて上げれませんよね……? 近所迷惑になりますし、何より危ないし」


「お? たしかになー……。 そりゃ、場所は改めて何とかするわな。 もちろん!」


ただ、結果に到るプロセスが、何より大事。


初動を起こすにも、まずは充分な思慮を必要とする。


そういう性格なのだ。


そうしないと、納得がいかないのだ。


わが巫女。 この、すごく真面目(まじめ)な上にも(ねんご)ろな、穂葉という家族は。



「なんとかって、具体的には?」


「あ? そりゃ……、なぁ?」


ともあれ、史の(がわ)からすると、そういった彼女の性格は、非常に頼りになるし、安心できる。


常に神の(そば)にあって、時には力強い支えに・時には歯止め役になる者を“巫女”と言う。


何の支えも無しにやっていけるほど、神の御業(みわざ)は楽じゃない。


一切の歯止めを必要とせずやっていけるほど、神という立場は気楽なものじゃない。


超常の力を備えている以上は、必ずどこかで歯止めが必要になってくる。


そういう意味で、穂葉は満点だった。


この上もないほどに“巫女”だった。



「でも、史さま?」


「おん?」


「仮に神社を造ったとして、ちゃんと運営していけるんです?」


「もちろん! ちゃんとするよ? 勉強もするし!」


「ほぉ……?」


また、誰よりも近くにいて、種々の心根を理解してくれる者を家族という。


ともすれば、穂葉は家族としても満点だった。


この上もなく、史にとっての家族そのものだった。



「んむ……」


こんがりベーコンを目の前でブラブラさせながら。  この熟考に、どれほど時間を(つい)やしただろうか。


「そうですね……。うん」


「うん。 どうかね?」


その末に、それをふたたび皿の上へ几帳面に戻すことで、晴れて思案の(ふち)を脱したポーズを用立てる。


そうして穂葉は、満面を(ほころ)ばせて、大きく(うなず)いてみせた。


「うん! 建ててみましょうか? 神社!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ