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グランディ王国物語(旧タイトル 思いこんだらの後のあと。(三作目)  作者: 雷鳥文庫


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20/44

こまった奴ら

誤字報告ありがとうございます

お妃様の功績としてパンツスタイルの普及がある。


「前世を思い出した時に

ああ、刺客に襲われたときドレスでなくて

ズボンだったら素早く逃げられたのに、と思ったのよ。」


リード様を刺客から守るために突き飛ばしたのは

いいけど、ドレスの裾を踏まれて逃げられず、

背中を滅多刺しにされたそうだ。


ひえええ、、、。


「それでね、学園の制服はズボンかスカートか選べるようになったでしょ?」

伝統がーとか、男らしさ女らしさとは、

とかの反発もあったそうだが、


「学園は坂の上にありますわね?

イタズラな風が吹いて、アラレもない姿になったらどうするの。お嬢様が可哀想。」

と言い返したそうだ。


「ふん。どうせ、

おー!モーレツ!!とか、

まいっちんぐ!な

パンチラが見たいんでしょ。

あとは生足とかあ?

けっ!」


マーライオンの様に毒を吐く王妃様。


学生の立場からすると、防寒にもなって大助かりだ。階段を登るときも安心だしね。

馬車で校門まで乗り付ける高位や金持ちのご令嬢は

スカートである。

リード様の婚約者が決まるまでは

フェミニンなスカート姿が増えたものだ。


その中でも

ヴィヴィアンナ様はパンツスタイルだった。

男装の令嬢ここに極まれり、という感じで

「素敵ねええ。」

ほうっと、ため息をつく女生徒が続出した。

(後で聞くとセクハラ防止だったらしい。

美人は大変だ。)


ちなみに王妃様はパンツでなくて

ズボンとおっしゃる。

「パンツって言ったら下着みたいじゃないの。」


それはわかります。


「ヴィヴィアンナがお妃に決まらなかったら、

歌劇団を立ち上げようか、と思ってたのよ。」

「それは!素敵なアイディアです!!

彼女にはそういう道もアリ!でした。」

「素敵なスターのヴィヴィアンナのブロマイドやパンフでがっぽ、がっぽ!!とかね?ほほほ。」

「あはは。」


「私に何か?」

ウワサをすれば。

ヴィヴィアンナ様が現れた。

最近は登城なさるのでドレス姿が多い。


もう一度あの麗しい男装スタイルが見たいものだ。

それは例えるならエリザベートのトートの様だった。

白銀のような煌めくプラチナの髪。

切れ長のひとみ。

水晶のような美貌。



今のドレス姿は青いバラの精霊のようだ。

それはそれで良いのだが。


「王妃様。こちらたまりましたので。新しいカードをお願いいたします。」

「あら、流石ね?」

ラジオ体操でもらうようなカードだった。


「これはお妃教育達成カードよ。

できたらハンコを押していくの。

全部たまったら豪華特典と交換。」

「20日と30日はスタンプ2倍デーなんですよ。」


へえ、、。


「特典はどうする?二枚まとめてでもいいけれど?」

「カタログを拝見しても?」


どれどれ?と私も覗きこむ。

ほほう。

各種アクセサリー。

果樹園(好きな果物が選べる)

牧場(好きな動物が選べる)


ああ、そうか。これは早めの財産分与だ。

この後アラン様の奥様がシン・王妃になる。

(嫌な言い方だが相手がどうでるがわからない。人気がある、ヴィヴィアンナ様に嫉妬して意地悪するかもしれないのだ。)

その時、先代の王妃からもらったものがあれば。

手持ち不如意にならずに済む。

シン・王妃も取り上げるわけにはいくまい。


「これにいたします。」

1番シンプルで1番金の含有量が高い

指輪を選ばれた。


「…ナックルリングね、それ。」

「重ねづけすれば、威力が増しますね。」


‥王家の闇がまた1ページ。




自室に帰ったらなんか違和感を感じた。

おかしいな?

出る時に挟んでおいたコヨリはそのままだし?


うん?こんなところにドアがあったろうか?

いやドアじゃないぞ。


壁が開いてる。斜め45度だ。

そこからは暗い通路がのぞいている。


視線はその中ほどから。


「うふふ。ワタシ、カレーヌ。


今、アナタのお部屋にいるの。」


白い顔が半分だけのぞいて

にたり。と笑っていた。


一瞬脳が考えるのを拒否する。


が、やはり女の白い顔だと認識した時

堪えきれない恐怖が襲ってきた!




ぎ、ぎあああああっ!!!

ああああーーーー!!


「…おい!何があった!!

なんだあ、カレーヌ姫かあ、ちゃんとドア締めといて下さいよ。」


アンちゃん、アンちゃん出ていかないでえっ。


「そんなに驚くことないじゃない。」

「いや、驚きますって!10代のフレッシュな心臓でなかったら、止まってますって!

だいたい何で顔を半分しか出してないんですかっ!」


「ええー。だって、猫ちゃんが半分顔出しても覗いても、可愛いじゃん。」


「あれは猫だからですよー!!

何やっても、まあ♡あらあら♡

みたいに可愛い存在と一緒にしないでください、いや、するな!!

…しかも、わざわざ白く塗ってますね、顔!

脅かす気満々じゃ無いですか!」


「いや、大変だったのよ?

貴女なかなか帰ってこないから

身体バキバキになっちゃって。」

「それ、私のせいですか⁈」


「約束通り遊びにきたのに。」

「約束してません!」

「せっかく王家の隠し通路使ったのに。」


膝をガックリと落として壁を見る。

王妃様のところは寄木細工チックだったけど、

こちらはただのシカバネ、

いや白壁しらかべのようだ。


「この鍵で開くのよ。

鍵は充分に管理されていて、使うときは

使用者管理者、両名そろった印が必要なの。

三か月に一度在庫管理がされるのよ。」


薬物保管庫の管理方法か。


「わーかりました、

わーかりましたから。速やかに元の扉をくぐって

お帰り下さい。ささっ。」

「それは冷たいワよ。

折角、大親友が尋ねてきたんでショ。」


アンちゃん口をだすな。

それに誰が大親友だ。


「そうそう。ちょっと息抜きに帰ってきたの。

明後日までここにいるわ。」


なんだと??


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