表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
グランディ王国物語(旧タイトル 思いこんだらの後のあと。(三作目)  作者: 雷鳥文庫


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/44

何も言えない。

寮にはミニキッチンがあって私は自炊している。

「悪いわね。」

「悪いって思うなら手土産くらい持ってくるべきですよ。」


私が作ったシチューというか、クリーム煮をパクパク頬張るカレーヌ様。


具は白菜と鶏肉とキノコ。玉ねぎと人参だ。

バターで炒めて小麦粉をふりいれる。

温まったら塩こしょうで味を整え、

牛乳を入れて煮込む。

粉チーズも入れて,溶けたら出来上がりだ。

隠し味に醤油を入れると味がしまるよ。


「アラ、美味しい。」

「なんでちゃっかりあなたまで混ざってるんですか。アンディ様。」

「うわお。ニンジンが星形だわ。切り落とした

部分はどうしたの?」


喜んでるカレーヌ様。

やはり16の女の子なんだな。


猫の目食堂は横浜にある。


ベイスターズが勝ったときは

星形人参いりのカレー、シチューを出したものだ。

お子様人気もバッチリだ。


(特にベイスターズファンでないことは秘密である。ヒソヒソ。)



「細かく切ってサラダにいれてます。」


「マア、そう。私たちが作った野菜をちゃんと無駄なく使ってくれて何よりよ。」

「そういえば庭師って言ってましたね?

え、お庭番では?」


「ある時はお城のお庭番、

ある時は庭園の庭師、

またある時は王子様の護衛、

またまたあるときは謎のオネエ様。

七つの顔を待つ男よ。ふっ。」


四つでは。


「カレーヌ様。隣国あちらでは

どのようにお過ごしに?」

「アメリアナ様の話し相手というか。

この国の事をお教えしてるわ。」


アメリアナ様はアラン様の御結婚相手か。


「単身こちらに嫁いでらっしゃるのだから、

私、力になるつもりよ。」

(副音声でヴィヴィアンナ様に負けるものか、と聞こえる気がする。怖い。)


「それまであちらにいらっしゃるので?ご成婚はまだまだ先でしょ。」


「アラン様のご成婚まであと777日!


…リード様のご成婚までは99日!

あと99日しかないのね。」


リード様のご成婚のカウントダウンを

ヤマトの人類滅亡のカウントダウンみたいにする、

悲壮な表情のカレーヌ様。


「うっうっ、悲しいとお腹がすくわ。

おかわり下さる?」


「ダメですー、食べ過ぎです。もう三ばいめでしょ。残ったら明日ドリアにするんですから。」



次の日は寮で2人で過ごした。

彼女がここにいるのはとっくに

王妃様にバレてる。

(多分ついてきてリード様に会うと困るから、)

今日は出仕に及ばすとのことだ。

「御実家には顔を出さなくて良いんですか?」

「う、うーん。良いかな。これからもちょくちょく

帰ってくるし。」


アラン様がどう説明してるかわからないけども、

親は心配してるんじゃないかな。


「なんか、大人しくニコニコするのにもあきちゃったの。がっかりさせてしまうわよ。」

「もう微笑みの姫って感じではないですよね。

人を白塗りで物陰で脅かすし。」


「なんかね。人として一皮むけた気がするの。」


はい?


「気がおけないお友達といるとラクよね。

お料理も美味しいわ。」


と言って、朝のドリア(シチューのリメイク)

昼のサンドウィッチなどを

遠慮なくパクつく。


朝、カゴにはいったお野菜がそっと置いてあった。

オネエごんぎつねからの差し入れだろう。

ありがたくいただこう。


皿によけていたサンドウィッチがいつのまにかなくなっていた。


「アメリアナ様はどんなお方なんですか?」

「歳はね、18。アラン様のひとつ下ね。

お姉様とお兄さまがおひとりずつ。

黒髪ストレート、黒目。

まあ、美人タイプより可愛い感じかしら。」


日本人みたいな見た目だな。

一応聞いておこう。


「あー、なんか前世の記憶があるとか、

そういう事は言われてませんか?」


「それはないわ。」


なんだ。期待したのに。

「こちらの国の言葉や風習を覚えるのに

頑張ってらっしゃるわよ。」


「それでアラン様はカレーヌ様に家庭教師的な役目を期待して

アメリアナ様と接触させたわけですね。」


「アラン様は腹芸が得意なおかた。」 


さぁどうでしょう。

私の立場では何も。


「リード様は単純で真っ直ぐだわ。」


さあ、どうでしょう

時々ブラックだと思うのだが。


夜ご飯は炊き込みご飯と筑前煮と生野菜を出した。

(ちなみに手伝わせた。ブーブー言ってたけど

働らかざるもの、食うべからずだ。)


次の日の朝ごはんはその残りをおにぎりにして、あとお味噌汁。


中身おばちゃんだから子供にご飯出さない訳にはいかないのよ。





「楽しかったわ。また来るわね。」


「ハイマタドウゾ。」

(もう、こないで。)


王家の隠し扉を開くとアンディがいた。


「あー、もう。ここでちゃんとしとかないと、

あなた、反ヴィヴィアンナ勢力になっちゃうでしょ。

それ、色々とマズいのよね。」

「……。」

「何で自分が選ばれなかったか。納得してなくて

本当はそれを聞きにきたんでショ。」


カレーヌ様の顔から表情がぬけ落ちた。



「言ってやったら?」


ええっ、私が?





「…セバスチャンさんから聞いた話ですが、確認したい発言が。」




「私は間違ってたのね。根本的なことが。」

事実を擦り合わせるとポツンとカレーヌ様が言った。

「まあねえ、そういえば殿下が喜ぶと教えられたんでしょ。オヤジさんに。」

 

ああ、3人奥さんがいるお父さまか。


「でもね、多分それよりも、あなたが、

外交はヴィヴィアンナ様、政務はエリーフラワー様に任せるって言ったのが

良くなかったわ…。


仮にも王家に嫁ぐなら少しは自分も、ね、

覚悟がないと、

楽しようとしてると思われたんじゃない。」


多分彼女の親は彼女に苦労をさせたくなくて、

微笑みの姫のままで暮らさせたかったんだろう。


そのまま無言でカレーヌ様は帰っていった。


「コレにて一件落着ーう。♬」




オマエがいうな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ