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<63> 新しい商売

 大田副社長より、特殊防弾チョッキとグロック18の改良版の販売で相談があった。商品化の目途が立ったので、その方向で進めてよいかと。任せると言った覚えがある。グロック18の改良版は、すでにグロック18とは別物だということで、商品名はフィンブルガン。特殊防弾チョッキは全世界の警察などで好評。フィンブルガンも全世界にだが特殊部隊用として極秘に採用されている。


 その販売総額がアメリカドルで、百億に迫る勢いだそうだ。それ以外の商売では、貴金属の販売での販売総額がアメリカドルで一千億を超えている。有名な貴金属企業を多数買収したそうで、今も買収を続けているのだという。


 さらに、医療関係に手を伸ばしたいそうだが、世界の超大金持ちを相手にした寿命以外のどんな病も治せる病院を作りたいと相談があった。大田副社長は、異世界のことや魔法のことをちょっと説明してある。その話をヒントに、商売を思いついたらしい。また、商売とは別に治療したい若い女性がいるという。


 その女性は、視力を失ったが、明るく元気な人らしい。視力を失った時にはさすがにショックを受けたそうだが、今は立ち直って元気に働いているらしい。しかし、そんな人だからこそ視力を取り戻してあげたいと強く思っているという。


 視力を失った原因は車との衝突事故によるもので、彼女は完全に被害者だそうだ。その彼女の視力を取り戻せるなら、大田副社長は全財産を失ってもよいと思っているそうだ。


「その女性と大田副社長はどうやって知り合ったの?」


「いや……、まあ、その……、知り合いの妹だったんだ。出会った時は目が見えてたんだけど……」


 言いながら顔が赤くなっている。ああ、つまり、その彼女が好きなんだね。大田副社長も独身だったもんな。これは、ちょっと協力したくなってきた。問題の解決は簡単だ。異世界に病院を作ればよい。魔法治療院だ。その魔法治療院と同じ形と同じ大きさの病院をこちらの世界にも作り、転移した際に同じ病院内という状況にするのが望ましい。


 そうと決まれば、早速病院を作ろう。病院で働く医者は神の手と呼ばれるような医者がいいな。優秀な医者を集めることは可能かと聞いたら、そこが難しいそうだ。


 ならば、育てればよい。医者になりたい人がいたら、面接をして素質才能が認められた人に資金提供。人材育成のための医者になるための学校も設立。お金がなくて医者になるのを断念する人の中にはお金さえあれば才能が開花する可能性がある。だから、試験に合格した人の授業料を免除し、必要に応じて生活費も援助する。


 僕は異世界の病院。大田副社長はこちらの世界の病院を作る。まあ、僕も大田副社長も誰かに丸投げするんだけどね。病院の設計図は、大田副社長の知り合いにお願いするとしよう。病院の規模はそれなりに大きいが、異世界には電気がないのでエレベーターとか今は無理だ。だから階段のない病院を作る。つまり平屋だ。それなら、都心部に作るよりやや田舎に病院をつくろう。


 これから、ちょっと忙しくなるなと思いながらも、僕は結構ワクワクしているのだった。

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