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<59> 回復魔法が使える三人で開始

 とうとう回復魔法が使えるメンバーが三人になった。

 ファミルとリサと僕。今、ラケルのところで修行しているのは五名。この五名は二カ月ぐらいかかるようだ。


 三人で何ができるか。それは悪霊の活動を把握しているスパイのレイガより連絡を受け、次に殺人が起きる場所に移動。そして悪霊の入った人に会い説得するのと、殺される相手に会って説明することである。


 現在も、青木探偵事務所のコマーシャルはインターネットを通して続けている。そのコマーシャルに、ファミルとリサと僕が登場している。それも全世界にだ。


 あの番組はインターネットを通してさまざまな言語で無料で全世界に流されている。僕たちは世界中で有名人となっているのだ。視聴率を気にしていたのも、全世界で受け入れてもらえるようにだ。視聴率が取れる番組なら、インターネットで配信すれば視聴してもらえる。世界でも有名人となっている僕(カイト)が被害者となる予定の女性に近づき事情を説明した。カイトはあらゆる国の言語を理解しているので、会話するには困らない。


 今回のターゲットとなる相手は加害者となる予定の男性も被害者となる予定の女性も中国にいる。加害者となる予定の男性にも接触し、単刀直入に聞く。〇〇さんを殺す気ですねと。当然相手は驚いた。そこでの反応を見る。この担当ができるのは現時点でカイト以外に全言語を理解できるファミル(ナンシー)しかいない。霊視できるリサ(キャサリン)も一緒にいる。


 リサの中にいるキャサリンが相手の状況を見て判断する。中に今、悪霊は入っているか。入っている。怒りの度合いはどの程度か。かなり怒っている。過去の犯罪状況から犯罪への抵抗があるかどうか。何度も犯罪を繰り返した形跡があり、犯罪に対する抵抗力は薄い。ファミルの中のナンシーが説得する。ナンシーはファミルの中にいる時には、ファミルの異世界言語能力を利用できる。


「それでは、どうしても相手を殺さないと気が済まないのですね?」


『そうだ。だから説得しても無駄だ』


「わかりました。いえ、わかります。……あなたも大変でしたね。殺さずにはいられない気持ち……よく、それはもう、凄くわかります。……わたしもあなたの立場ならそうするでしょう。もちろん止めはしません」


『止めない?どういうことだ?お前たちは俺を止めに来たんじゃないのか?』


 それから、相手が謝罪したいと思っていることや、殺されても仕方がないと思っていることなどを説明した。完全に嘘であるが、その説明は被害者予定の人には説明済みなので大丈夫である。今回相手を殺したらそれで満足かと確認する。殺せればそれでよいと確認して話を終えた。


 次に殺害される予定の人物にナンシーが入り、一旦殺される目に合う。ナイフで刺された。痛みについては、麻酔魔法を自分に使うので大丈夫である。それで回復魔法を使い回復。命に別状はない。ここはナンシーの演技が必要となってくる。ここで、死ぬ前に事情を知っている立場で殺そうとした相手に謝罪をするのである。


「私の先祖があなたに迷惑をかけてごめんなさい。わたしはあなたに殺されて……ハアハア、と、当然です。許してなんて、ハアハア……言えない……」


『お前は俺を怨まないのか?』


「……怨むなんてとんでもない。ハアハア、……悪いのは私の方です。あなたは悪くありません。ぐっ……わ、私は殺されても許されるなんて思っていません。……」


『わ……わかった。許す。むしろ申し訳ない』


 ナンシーは笑顔でありがとう。と言って気を失ったふりをする。演技とは思えない。ナンシーの演技は演技を超越している。加害者側の男性も男性に入っていた悪霊も、ナイフで刺した事に罪悪感を感じている。


 次に悪霊に対して、悪事を働くのをやめて霊界に行くよう説得。今なら罪を咎めない。地獄には行かないことを説明。反省しているのか素直に応じた。そしてジンを通して霊界からお迎えに来てもらい、無事に問題解決した。罪を悔い改める者に対して神は寛容なのだという。


 この事件を通して、今回は三人の命が救われたことになる。一人は加害者・もう一人は被害者・そして悪霊だった存在である。今回の作戦はガンジーの立てた作戦らしいが、この方法で今後も地道に救済していく。

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