<55> リサのテレビ出演
リサの特技は天使が見えることである。天使が見える人間はまずいない。
そんなリサが番組で何を競うのか。
それは、霊能力である。
天使は霊である。天使が見えるということは霊も見えるということで、リサは普通の人が見えない何かを普段から見ている。しかし、リサは白神響子の赤ん坊のころから見慣れているので、別に恐怖も何も感じないのだ。霊そのものは、元普通の人間であり、別に恐い存在ではないそうだ。
リサが出演するのは、霊の力を借りて、どこまでできるのかを競うものだ。
今回は、世界中から霊能力者と言われる人たちが集まっている。ファミルが出演した時とは全く違う雰囲気の番組となっている。例えると恐怖番組みたいな雰囲気だ。世界中から集めたのに参加者は五人。理由は番組参加資格を確認した際に、霊能力が全く認められない人がほとんどだったからだ。何をしたかと言えば、裏返しにしたカードを当てる。全然当たらない者もいる。しかし、八割から九割当たる人もいる。リサは、もちろん100%当てた。ファミルの時には手加減してもらったが、リサには手加減は不要と言われている。
このような番組では、一人だけ凄い存在がいれば良いのだそうだ。逆に一人も凄い存在がいないと番組が成り立たない。今回は八割以上正解する人が合格とした。残ったのが百三人中五人と少ない
番組の本番スタートである。まず、五人がそれぞれの思う数字を書く。それを見た目が同じ封筒に入れる。封筒から中身が透けて見えたりはしない。封筒が5つ置かれたテーブルに五人が座り、司会者が適当に封筒を選ぶ。その封筒の中の紙に書かれている数字を霊の力を借りて、正解と思う数字を自分のボードに書き込む。
最初に司会者が取った封筒を見て、ジンが言った。
『あの封筒にだけ、霊力を込めた印がある。』
最初の封筒に対して三人が正解した。僕に霊力を込めた印は全然見えない。
それから次の封筒を司会者が取る。
「さあ、この封筒の中に書かれている数字を霊に教えてもらって記入して下さい。」
司会者がそう言うと、五人は霊と語りあうようにする。リサは、ジンに聞く。
「ジン、お願い。封筒の中の数字を教えて。」
『11234523』
「……ずいぶん長い数字ね。ごめん、もう一回お願い。」
そして、リサはボードに書き込む。
司会者が正解を発表すると、正解者が2名。リサともう一人。
そして、司会者が言った。
「最後の封筒はこれを選びます。」
緊張が走る。そして、記入を促されリサは書いた。今回は、リサが書いた数字だとジンが教えた。リサは数字を素早く書くと隠すように裏返した。すると、別の霊能者として参加しているうちの一人が言った。
「A number written by Lisa? I do not know unless you tell me more.(リサが書いた数字ですって?もっと詳しく教えてくれないとわからない。)」
なるほど、ジンが言っていたのを聞いていた霊が、聞いたままを教えていたのか。でもその霊は封筒の中を見ることができないから、あの質問に答えるのは無理だろうな。
今回正解したのは、リサのみだった。五人中三人は霊と会話できる。
最初の封筒で3人正解したが、リサ以外の一人目の正解者は霊にお前の書いた数字だと教えられ正解した。二人目の正解者は、ジンの言った言葉を伝えて正解した。
次の封筒では、ジンの言った数字をそのまま伝えて正解した。
でも、最後の封筒は、リサの書いた数字とジンが言った。これはリサがどんな数字を書いたか知らないので、ジンの言ったことを伝えていた霊もさすがに伝えようがなく、正解させることはできなかった。
だから、リサだけが正解した。当然の結果である。
次に、念写を行った。念写の得意な霊能者もおり、五人中四人が何かが写り、その中でも2人がはっきり写り、リサの念写はより鮮明な映像が写った。今回の件について、ジンが全く遠慮せずに能力を発揮しているのは、この程度で人類の未来に影響がないからだそうだ。
最後、物を動かすということを行ったが、五人中三人が動かすことに成功。ただし、成功したのは折り紙でできた鶴の重さまで。ボーリングの玉を動かすことができたのはリサだけだった。
完全にリサの一人勝ちだった。番組の中で世界一の霊能力者はリサ(国籍不明)ということになった。実際の放送では、神々しいBGMが流れるそうだ。また、リサをCGで人外の存在とも思えるようなエフェクトで飾るのだそうだ。神秘的な映像になるだろうが、それは番組として大丈夫なのか。
ともかく、お金はいくらかかっても良いから、よい番組を作って下さいと要望している。今回の撮影がどのように収録され、放送されるか。視聴率はどのくらいとれるか。ちょっと気になるのだった。




