<52> 僕とリサもテレビ出演?
世界中から集めているのに、人材が不足していると青木さんから相談された。
いない人はお金の力でもどうしようもない。
それで、相談とは、僕とリサにもテレビ出演してもらって優勝してもらい、人材の一人になって欲しいといいうことだ。僕の回復魔法が地球で(自分にのみ)使える能力は今回の事件の内容を探るのには必須だから、今回の事件が済むまでどうしてもという。
また、リサは、天使の姿まで見える能力の持ち主だから、キャサリンの霊視能力を十全に発揮する体として、どうしても欲しいそうだ。これも、今回限定で良いという。
番組に出演するのは、意外にもリサはやぶさかではないそうだ。僕も、人気番組と化したあのシリーズに出演することには興味がある。
リサが第四十九回に出演し、僕が最終回、つまり第五十回に参加する。
そこで、リサも僕も優勝して、一時的とはいえ正式なメンバーとして登録されるのだ。
そして、この番組収録が終わったら、いよいよ、調査開始。現時点で分かっているのは、事件に関わっている組織のボスがアル・カポネらしい。そして組織の人数が十万人を現時点で超えており、さらに増えつつあるようだ。まずは百万人を超えるのが目標とか、予想よりも上ですよね。これ、本当に大丈夫なんだろうか。
僕の中に入る予定なのは、カイト。四十八人の霊をスカウトした張本人なのだそうだ。僕が依頼した件が終わるまで一緒に行動し、その後青木さんに戻る予定。また、キャサリンも同様にリサと一緒に行動し、終わったら松井さんの中に入る予定だそうだ。
だから、僕とリサは一時的で問題ないのだそうだ。
何しろ相手は十万とか百万とかいう人数だ。ベストメンバーでないと難しい。半面、これほどの組織はもう存在しないので、この件が解決したら、しばらく僕もリサも手を貸す必要はない。本当かどうかわからないが、とりあえずそう説明された。
アル・カポネの組織を、最初に確認したのは五十年前。その時には、二十人ぐらいの組織だったそうだ。それが、五十年の間に十万人の組織になった。これは異例な出来事だ。かなり大きな組織を吸収してきた結果であることは間違いない。
これだけ巨大な組織であれば、組織をまとめるのも大変だろうが、それがあまり言葉を発せずとも、言われる前から行動する優秀な子分が多数いて、アル・カポネ自身の指示は、直接はないに等しいらしい。
しかも、子分たちはボスを恐れて、逆らおうとするものは今のところいないらしい。そんな組織に対抗するのは、かなり難しいことだと思う。でも、この組織を何とか壊滅に追いやることができれば、その後の活動が楽になることは間違いないそうだ。
それよりも、僕は、まず番組出演の件が興味ある。僕の出演よりもリサの出演がさらに興味ある。一体どんな対決を行い優勝する番組になるのだろう。打ち合わせは来月だそうだ。なんだか楽しみである。




