<49> 萌絵画大会に審査委員長はレオナルド・ダ・ヴィンチ(前編)
リサの父親カザンより、萌絵画大会を開催したいと相談があった。
僕は大いに賛成だ。それなら僕も協力しよう。そう思ってできることを考えた。まず、誰を大会の審査委員長にするか。そうだ…。青木探偵事務所に一人いるじゃないか。
「レオナルド・ダ・ヴィンチ…」
万能の天才と言われた彼に、こちらの世界で活躍してもらえないだろうか。僕はまだ100ポイント持っているので、彼に異世界言語能力を獲得してもらって、審査委員長にしよう。面白そうだ。
審査委員長に誰がなるかは、ダ・ヴィンチの能力を見せて全員を納得させる。なにしろ、圧倒的能力の持ち主だから全く問題なく納得させることができる。
彼をいくらで雇うことができるのか、お金の心配はしていないから、言われた通りの金額を出そう。
僕は、ジンにも相談した。ジンは呆れて言った。
『太郎…そのポイントを貯めるのにどんだけ苦労するかわかっているのか?それなのに自分のために使わないで、他の人に使うなんて。…俺がどんだけの思い出貯めたと…いやなんでもない。まあ、太郎のポイントだ。太郎が好きに使ったらいいよ』
全く相談になっていない。ジンはどうしたんだ。なぜかジンが苦労して貯めたポイントみたいなことを言っていた気がするが…まあいいか。
次に、青木探偵事務所に行った。青木さんは、お金さえもらえればオーケーですよ。と簡単に了解をもらえた。ダ・ヴィンチには一日百万円で働いてもらうことになった。安いのか高いのかよくわからない。一年で三億六千五百万円だな。まあ、そんなものだろう。
意外にもダ・ヴィンチさんは萌絵にも精通しており、彼に描いてもらった絵はさすがと驚嘆する出来だった。彼に描いてもらった絵をカザンに見せると、カザンは驚嘆した。
「なんて緻密な絵なんだ。しかも、この絵には法則があるような、謎が隠されているような…不思議に何かを感じる。この人は何者なんだ?」
「僕たちの世界で、値がつけられない程の価値のある絵を描いた歴史的偉人が今の世界のトップレベルの画家に入って描いてもらったものです。意味が分からないと思いますが、言っている僕も意味がわかりませんから、気にしないで下さい」
僕の説明が下手過ぎる。カザンはとりあえず聞き流してくれた。
「とにかく、これを描いた人を審査委員長にするということだな。これは、審査委員長に…本当になってくれるの?」
「大丈夫です。もう話はついてます。(主にお金の力で)本人も納得してます。この世界の芸術レベルは、彼がいれば飛躍的に向上することは間違いありません」
僕がそう言うと、カザンも喜んでいた。では、決まりですねということで、十日後にレオナルド・ダ・ヴィンチに来てもらうことになった。彼に体を提供している本人も、ダ・ヴィンチの大ファンで、小さいころから憧れていたのだそうだ。だから、むしろダ・ヴィンチに体を貸せることを誇りに思っているそうだ。
でも、人前でダ・ヴィンチと呼ぶわけにはいかない。有名人過ぎる。
だから、体を提供している本人の名前を呼ぶ。ミッシェルと。




