閑話・マリアの気持ち
マリアのダイキへの想いについて今回は書きました!
わたくしは、3人の人間に使われていましたわ。一人目はわたくしを作った者……二人目はわたくしの心をボロボロにした者……三人目はわたくしを封印した者。
三人目の彼は言いましたわ……。
『いつか君を大切に想ってくれる人に会える……きっとね』
『そんな訳ありませんわ! 何時もそう! 貴方だって結局はわたくしを残してこの世を去っていくのですから!』
『ごめんね……だけど信じてあげてくれないかな? 次の持ち主は君を大切にしてくれるからさ』
この会話を最後に、私は封印されましたわ……数百年も……。
そして、封印を解かれるのを感じましたわ。
始めは、この世界に復讐をしようと思ったけど、彼の顔を見たとたんに全てがどうでもよくなってしまったんですの……いわゆる一目惚れでしたわ。彼は……私を封印した彼に似ていたから。
彼と話をしていると分かりましたの……彼はとても無理をしていると。時折、悲しそうな苦しそうな顔をしていましたわ……それに何処がで見たような顔でしたわ。
そして分かりましたの……それは昔のわたくしがしていた顔でしたの。
一度だけ彼の心を覗いたのですがとても酷いことになっていました……色は濁り、形は歪で、ボロボロで今にも崩れてしまいそうな。
そして、わたくしは決めましたの。どうせなら復讐なんかしないでこの人の心を治してみようと……わたくしは知っていましたの。人の心は簡単に壊せる……でも、治すことはとても難しいと……
でも治してみたくなりましたの……この人の心から笑った顔を見たくなってしまったから……
そして出来るなら……彼と共に過ごしたいと……。