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―――パーティー当日。
和装と洋装を融合させた大人ロリータ系の上品なドレスに、赤い振袖を着た小春ちゃんを抱えて登場する。
側には同級生の双子の分家の子―――二人とも本家の正式な養子となっている。しかも妹ちゃんの方はなんとおじさまの許嫁だそうだ。―――が付き添ってくれている。
ていうか、妹ちゃん急展開過ぎない?
最初聞いたときは、え、小春ちゃんなんかしたんじゃないだろうな? と思ったんだけど。
しかも家と家の契約とかそういうのじゃなくて、……妹ちゃんに聞いたら真っ赤になって照れてたから、いやじゃないどころか好きみたいなんだよなー。
妹ちゃんもおじさまもお互いちゃんと好きらしい。いや、すごいね。
おじさまそういえば三十歳くらい? 二十八だっけ? そんくらいだから、まあ……? まだありなの? 十一から十三歳差くらいか?? ありなの?? お互いがありならありなのか。……ありなの??
まあおじさまは、かなりかっこいいもんね。
うちの母親がほんとはおじさまと結婚したかったらしいんだけど、あ、従妹らしい。……んだけど、だめってなって、っていうか、おじさまがいやっぽくて。ていうか、あの人はなー! 顔はいいんだけど性格がねぇ……人のこと好きになるわけがないんだよね。無理に決まってる。んで、顔だけはいい、というかどことなくおじさまに似てる、あの化け物の父親と結婚したらしいからなー。
お互い顔だけのくせに! ってケンカしてたから知ってる。
まあそんなことはいいか。
お披露目はほんと何事もなく終わったよ。ていうか、わたしの巫女よりも当主のおじさまの婚約の方がものすごい大騒ぎになってた。
そりゃなー。今まで独身だったのもおかしいんだけどさ、まあまあ狙ってた人も多かったみたいだし、……それが未成年と婚約とか、びっくりだよね。
よくわからないけど、巡り合わせみたいなのは本当にあるのかもしれないね。
あ、結婚はきちんと卒業してからするらしいよ。
―――あとはね、冥界アプリから死神になれるよ! という案内が来てからちょこちょこためてたポイントが10万ポイントになったよ!!
ほぼアーノちゃんがやってくれたんだけどね。
全国各地にいる死刑囚を間引くようにどんどん狩って行ってくれてた。
たぶん、本当は大騒ぎなんだろうけど、あんまりニュースにはならなくなった。それほど日常的に死刑囚が病死していったということだね。
あとは北と南の組織が自滅して行ったポイントが、なぜかわたしに入るようになってた。たぶん抗争を起こすきっかけがわたしだったからなのかもしれない。
自動的すぎて驚いたし、いちおうズルじゃないのかとお問い合わせしてみたら、わたしがやってないと抗争にならなかったらしく、やはりきっかけだったからのようだった。
それでポイントが入るならラッキーだよね!
―――さってと、……けっこう楽しみにしてた、冥界アプリで『死神になる』項目を押してみる。
「二人とも。押してみるから近くにいてね」
『トセ! 任せて』
『千歳はワラワの巫女じゃからな』
ぽちっと……おっ!?
急に暗転というか、引きずりこまれる感覚になったと思ったけど、アーノちゃんが後ろから抱っこしてくれてるし、小春ちゃんをわたしが抱っこしているしで怖くなかった。
でもね。
なんか、骸骨のお面被ってる人が目の前にいるんだよね。
「こんにちは! 千歳です! たぶん冥界の王様ですよね??」
『そうだ。しっかし人間のまま死神までなるやつは初めてだな。これをやろう死神の証だ』
―――死神の証でもある色と数字が見える眼をもらったらしい。
わかんない。
ほんとなのかなー?
『ここだとわからんか。上に行くとわかる。後で見てみるがよい』
こいつ直接脳内に!? と思いつつも、まあそんなもんか。王様だしなーと納得しといた。
「はーい」
『しかも見習いから死神に昇格したばかりとはいえ、本物の死神の上司ときたもんだ。普通は死神がいやがるだろうが、バディだーと喜んでやがるしなー』
『トセとバディ!!』
「えへへ、お揃いみたいでうれしいね」
恋人つなぎをしながら見つめあってニコニコしてたら注意された。
『お前ら……ここでいちゃいちゃするな。それから福の神よ。お主の力も少し借りることになった。礼を言う』
『……構わぬ。千歳はワラワの巫女なのでな。繋がりが深いのでわかっておった』
「ありがたい」
『ところで千歳よ。死神のまま人間界ではどうするのだ?』
「このまま小春ちゃんの巫女と、あと人間の死神ということでそのまま仕事もしますよ」
『……そんなやつは今まで見たこともないな』
「そして、警察になろっかなーて思っているところ」
『は……?』
「だって、それが一番悪い人を見つけられると思うっしょ?」
『それはそれは……なんとも、面白いことを考えるな。……我の興味を根こそぎ持って行く面白い人間もいるもんだな』
「まあ、勉強あんまりしてないので、無理かもだけど、がんばってみます」
―――んじゃ、わたしたちは戻りますねー! そうだー! 冥界の王様もアプリのアプデよろしくお願いしますね?
「スキルとか少なくないですかー? このままじゃサービス終了する感じのアプリと同じようですよー?」
『ぐぬぬぬ。わかっておるわい! なかなか手が回らぬのだ!』
「もしよかったら、こっちのよくあるゲームのスキルとか参考にでもしますか? サイト送ったりできますよ」
『本当か! ……頼みたい。すまぬな。お問い合わせから送ってくれ』
「はーい! いいですよー! んじゃほんとに人間界に戻りますねー! またねー」
さて戻ろっかー! そだそだ、アーノちゃん! バディとしてこれからもよろしくね。えへへ。大好きだよ!
―――アーノちゃんにぎゅっとされたのを感じながら、また人間界に戻っていく感覚がした。
バディとなったアーノちゃんは青っぽく光る大鎌を掲げて気合を入れている。
『わたしの、この【永遠の執着】でいっぱい狩りに行き滅します!』
「……アーノちゃん? 待ってなにその厨二っぽい名前……まさか鎌の??」
『【永遠の執着】はわたしの大鎌の名前、これもバディ』
アーノちゃんうれしそうにニコニコしてるーかわいいね! へへへ。
『そしてこっちが【千年の誓】! ファンネルみたいになったナイフ!』
「アニメの見過ぎじゃないのー!? そりゃめっちゃかっこいいけどさー!」
ねええ!! さすがに厨二すぎない? ま、かっこいいのはわかるけど!
―――新しく貰った死神の眼の確認もしたいしね、悪人さがしていっぱいポイント取りに行こ!
「悪人は滅だー! おー!」
『滅だー!』
『滅じゃー!』
終わり
読んでくださってありがとうございました!
これにて千歳が人間(死神(巫女))になるまでのお話は終わりです。
ガールズラブは書いたことがなかったので新鮮でした。ありがとうございました。




