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英雄遺産のエーヴィッヒ  作者: 大浣熊猫
三度過ぎ往くツワンツィヒ
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法律は誰かを不幸にする為ならず、皆を幸福にする為にある 第九話

 犯人はコレットが営んでいた古民家カフェに入り浸っていたあの髭面の男だった。

 ポリー・アルフォードを強姦した後に首を絞めたが死なず、もう一度強姦して頭をレンガで何度も殴ったそうだ。

 それでもまだ生きていたが面倒くさくなり、遺体を隠すつもりついでに崖から落としたそうだ。

 コレットのカフェの裏から血の付いている割れたレンガも見つかった。どこかの部屋に投げ込もうとしたのか、カフェの壁に当たって崩れたレンガと血の一部が付いていた。

 髭面は「自分は悪くない。あの瞬間だけ魔王が俺に乗り移って勝手にやったんだ」という荒唐無稽な供述を繰り返し、精神的な問題を理由に罪を認めなかった挙げ句、取り調べの最中に首を吊り死んだ。


――と、公式記録には記されている。

 あるはずの無い紐が取調室に置かれていた理由は、悪意以外の誰も知らない。犯人死亡という形で事件は幕を閉じた。


 コレットは犯人との関係性を疑われたが、半年前に関係を断ったがしつこくカフェに来ていただけと無関係を主張した。

 矛盾だらけのその主張をやさしい刑事はすぐに受け容れ、結果的にコレットは無関係であるとすぐに処理された。

 警察組織の処理がやたらと早かったのは、絡ませたくない有力者が再び出てくる前に処理したかったからだ。


 逮捕したのは取り調べのときにいた悪い刑事だった。

 逮捕に貢献したあの悪い刑事は

『仕事を辞めて探偵になった。殴って済まなかった。腐った組織を許して欲しい。俺はアーンストートの出身ではなくて、その腐ったドブからするタニシの死骸のような臭いが気に入らなかった。首都の警察はかなり厳格で融通は利かないが腐った奴はいない。』

 とフェリシアンに手紙を出した。手紙によると、首都で何やら胡散臭い私立探偵をしているそうだ。



 遺言書の裁判では、フェリシアンが容疑者として上がったことで原告側が揚げ足を取ろうとしたが、真犯人が既に逮捕されているので無関係として却下された。


 そして、最終口頭弁論から半年たった。

 三日という異例の速さで始まった第一回口頭弁論とは裏腹に、何故かは分からないが判決文が出るまで異例の時間を要し、気がつけば夏も終わり秋も過ぎ去ろうとしていた。

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