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立候補。私ライバルキャラやりたいですっ!  作者: 星ヶ里のブタネコ
9月

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英気を養わねば1


週末、葵先輩にケーキを食べるお誘いを受けた。

もちろん即答で行くと答えたよ!当然!

行く場所は、前に美鈴ちゃんと遭遇した時に行った所の近くなんだって。あの辺、可愛いお店多かったから、とても楽しみである。


「今日はどんな店なんですか?」

「ミルフィーユが美味しい店だよ。未希、ミルフィーユも好きだったよね?」

「はい!」


ていうか、なんでも食べます。なんでも好きです!


いつも通りというか、なんというか。

千香ちゃんは今回も一緒じゃない。ちぇー。

千香ちゃんにも今度ミルフィーユ作ってって頼んでみよう。あ、ミルクレープとかも美味しいかも。

想像したら涎が……。じゅるり。



「ここだよ」

「オシャレな店ですね」


店は、美鈴ちゃんのバイト先の喫茶店から徒歩五分くらいの場所だった。

大通りに面していて、店の外にはテラス席も並んでいる。今日は日差しも強くない上に、そよ風が吹いてて過ごしやすい。だから外で食べても気持ちよさそうである。


その気持ちが顔に出ていたのか、葵先輩がクスリと笑う。


「外で食べようか」

「いいんですか?」


こんな気持ちのいい日に、美味しい物を頬張る。

うん。美味しい物がそれ以上に美味しく感じるシチュエーションだよね!


「いいよ。未希が喜んでくれたら俺も嬉しいし」


近くの席のイスを引いて先輩が手招きする。


「未希はミルフィールとアイスティーでいいのかな?」

「大丈夫です」

「なら俺が買ってくるから、ここに座って待ってて」


私がイスに座ると、後ろから頭をポンポンとしてから店内に向かった先輩。

わざわざありがとうございまーす。


ワクワクしながらテラス席の横を通り過ぎる人の流れを眺める。

ミルフィーユが楽しみで、そこを通る人みんなに自慢してあげたい。さすがに、迷惑だから実行はしないけどさ。


「お待たせ。こっちが未希のね」


葵先輩が、私の前にミルフィーユとアイスティーを並べる。

生クリームと果物でデコレーションしてあるミルフィーユは、見た目からキラキラしている。

見ただけで分かる。絶対、コレ美味しいよ!


皿に釘付けになっている私に、先輩からの声がかかる。


「食べていいよ」

「いただきますっ!」


顔を上げることなく、皿から視線を離さずにフォークを握る。

ああ、ミルフィーユって食べるの難しいんだよね。崩れてしまう。

でも、私負けない!


ちょっと崩れて皿の上が不恰好になってしまったけど、味は変わらないからいいのである。


「うまっー」

「幸せそうな顔してるね」


頬に左手を当てる。

支えていないと頬っぺたがずり落ちる。

頬の心配はするけど、右手は止まらない。フォークに一口大のミルフィーユを乗せて絶えず口に運び込む。

ああ、なんて幸せな時間なんだ。


「未希。ちょっと手を止めて口を開けてごらん?」


ミルフィーユの皿にしか視線がいっていなかった私に、葵先輩の声。

やっと目線を上げて先輩の顔を見ると、私の口の前に先輩が差し出したスプーン。


ある意味条件反射のように差し出される物の先を口に含めば、口内に甘い冷たさが広がった

ミルフィーユとは違う味。濃厚なバニラの香り。


「アイス?」

「そう。こっちも美味しいでしょ?」

「はい、美味しいです」


私が食べた後のスプーンを使って、先輩もアイスを一掬いして食べている。

このお店すごいね!甘い物がすごく美味しいよ。


「もっと食べたい?」

「はい」


素直に頷けば、葵先輩が楽しそうな顔でアイスの乗ったスプーンを私の口にのばす。


「未希、あーん」


えへへ、えへへ。美味しいですぞ。ご満悦状態です。

ミルフィーユだけでなくアイスも味わえるなんて、先輩と二人で来てよかった。

二人で別の物を食べたら、二種類味わえる。なんて、お得!


勝手にニコニコしちゃう私の口角。元に戻りません。

でも、それでもしょうがないよね。美味しい物が目の前にあるんだもん。


と、思いながら葵先輩からの餌付けを受け入れていたら、ちょっとした視線を感じた。

通行人の方に目を向けると、こっちを見ている美鈴ちゃんと目が合った。




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