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北と漂流してきた少年  作者: そこはかとなく書きつくれば。
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第0話 平穏な日常

ジリリリリリ

「うるさい。」

目覚まし時計を止め、文字盤を見る。7時15分。

「コーヒー飲みたい。」


布団を蹴り上げベッドを出る。そして顔をテキトーに洗う。仕上げにコーヒーをゆっくり淹れる。これが彼のモーニングルーティンだ。

「使い方分かったんだ、アレ」

テレビでは異界産漂流物の使い方が分かったと得意気にアナウンサーが伝えている。どうやらお湯をかけて五分放置するらしい。

机の上にある昨日回収した機械を一瞥する。

(あれ、報告書書いたっけ?)


彼の名前は北いつき、年齢26歳好物メロンパンと常温のコーヒー、嫌いな物は残業とタイパの異界物鑑定士だ。


異界物鑑定士は正式名称『異世界産漂流物鑑定対処士』

異界から流れ着いた物品や生物を管理する公務員だ。

十数年前、この星に突如無数の隕石が飛来し、その一部は大気圏を通過し地表に降り注いだ。その後隕石の着弾地点付近では、明らかにこの星の物では無い何かが出現するようになった。科学者達はそれらを異世界の物だと考えた。それで生まれたのが異界物鑑定士という職業だった。


彼はニュースの『インスタントラーメン』なる物を食べてみたいと思いながら、すっかり冷めて常温のコーヒーをすする。そして、余韻にメロンパンを重ねる。

このおいしさを表現するのに言葉は、要らない。


「いくかぁ~」

気乗りしない心を置き去り、体は動きだす。

「今日も平穏で残業の無いのんびりした一日がおくれそうだ。」

──そう思っていたのに…

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