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第1話 最後の夜
――私は今日、過ちを犯す。
夜景が見えるマンションの一室。ほろ酔いで機嫌のいい彼をソファーに座らせて、酔い覚ましのミネラルウォーターを渡す。「ありがとう」と受け取ったユウは、それを煽り飲んだ。
――お酒の力と終電を言い訳に。
「終電、行っちゃった。泊まってもいい?」
「……そうか、遅くまで悪かった。それならタクシーを」
彼の隣に座って、スマホを操作する手を掴む。素早く唇を奪い、耳元で呪われた言葉を呟いた。
「ごめん、本当はずっと好きだった」
怖くなって彼の目を見ると、そこには驚きと困惑、そして熱が混じり合っている。拒絶の色が無くて安心した。もう一度唇を重ねてより深く彼を求めると、それが互いの理性を壊す合図となる。
――最後の夜、私達は溶けあった。




