7話 決壊
7話 反応
電話と同時に、ウィチタで証拠品が出るって言うのを遠回しに載せておいたのだ、信じるように。少しは効果が出たかな?
あれから私は別のアカウントで、私は学校が終わってから各国の詳細な被害予想を書き続けた。
毎日、毎日、刻一刻と砂時計の砂が落ちるのを感じながら、必死に指を動かした。
各国の前世見た被害状況を未来を―――そんな風にしたくない一心でママのお友達に翻訳をしてもらった内容を、文章をワードのファイルからコピーして掲示板に投稿したり様々な言葉で書き、投稿し続けた。
緊急時に必要になる物も、とにかく衛生管理がずさんになる可能性が大でネットにもつながらなくなる可能性が大きいこと、アマチュア無線の人たちに頑張ってもらうよう書いておいた。
指先が、熱い。もう、ずっと指が痛い。
キーボード操作もスムーズに叩く音が、パパが流してくれているレコード、ラヴェルの水の戯れをかき乱している。
画面の向こうで誰が、鼻で笑おうが、妄想だと馬鹿にしようがどうでもよかった。
だけど、先日調べた日本についてを想うと・・・・・心が壊れそうだ。
パパにもママにも言えない。
これは。
そんな中、一文が目にとまった。
『だれも信じないし、こんな文章でホテルキャンセルするわけないってww
おれ、さっき予約して、この日時の翌日にプーケット行くんだ!!』
日本語だった。
なにか ぽきっと 折れてしまった。
私は、ついに書いてしまった。
この情報を見た人で、電話もしなくて、わらってるやつ、お前ら人殺しだからな。
ことが起これば、あんたたちだって事前情報を持ってたんだから、
一緒に23万人の命背負ってよ?
知り合いの海外の人間が死んだらあんたたちのせいだからね?
混乱が広がる掲示板をもうパパもママも私も見ない。
それよりももっとやるべきことがあるから、じっと座ってなんて時間がもったいない。
今回のことでサバイバルの基礎的な物資について勉強したのをしっかり、掲示板やチャットに放り投げた。
Humanitarian_Data_NOLA:
地震直後の行動(命を守る)
津波は一度では終わらない。何度も押し寄せてくる。
波がいなくなっても絶対に海や家に戻らないこと。忘れ物がっても、明日の仕事を心配してもダメ。戻らないで。
政府や他の情報源から戻っていいと言われるまで、絶対に戻っちゃダメ。
高い場所からなるべく離れないで。
周囲の安全確認:
頑丈だと思ってた建物でも崩れる可能性がある。 できれば建物からは離れて。
車は放置して徒歩避難: 渋滞は禁物。逃げ場が無くなって結局無駄になる。
鍵をつけたままにして、徒歩や自転車で高台へ向かって。
2. 数時間〜数日間の行動(生存を維持する)
•家族の安全確認と団結: 家族と手を放してしまった場合、パニックになるのが一番の敵。当然パニックになるでしょう。だけど、あらかじめ、避難場所を決めてそこに向かうか、安全な場所に行って情報をもらって。
出来ればインターネットがつながる場所にいて。
•怪我の手当て: 衛生状態が悪化する。可能ならば、小さな傷でもすぐに消毒し、悪化を防ぐことが大事になる。避難グッズに入っている医薬品や衛生用品を活用して。
•食料・水の節約: 救助が来るまで時間がかかる。平時ではないので道は通れず、建物が倒壊しているのであちこちで要救助が発生している。そういったことを予想して水、食料はほんの少しずつ摂取して。
水が無くなったら人は簡単に死ぬ。
決して水道の水は飲まないで。海水や様々な物で汚染されている。
3. 被災地での生活(情報と健康)
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•正確な情報の収集: 決まった時間に、ラジオや行政からの情報に耳を傾け、デマに惑わされないように。携帯電話はバッテリーを節約するため、緊急時のみ使用。
•まず携帯は電波が届かないと思うので、アマチュア無線の資格と機材を持っている人よろしくお願いいたします。
重いし、大きい。だけど、インフラが機能するまで、救助が間に合わない可能性が大きいのです。
どうか、誰かを助けるためによろしくお願いします。
•衛生管理: トイレの問題や汚水により感染症のリスクが高まります。
手洗いや消毒を徹底して。アルコールシートで体を拭いたり、
食事の前に清潔さを保って。
•精神的ケア: 想像を絶する恐怖を経験するため、お互いに声をかけ合い、孤独にならないようにすることが大切です。
決してあきらめないで。生き抜く覚悟を。
4.飲料水の確保:
津波が去った後、津波の濁流によりあらゆる汚水が水道の亀裂や、管から侵入し、水道水は汚染される。
蛇口をひねってみて透明できれいでも、飲むと疫病のリスクがあります。
雨水をためるか、煮沸して。決して、喉が渇いても生の水道水は飲んではダメ。
飲料水の略奪なので無駄ないさかいが増える可能性があります。
この掲示板を信じて準備した人の物は取らないように。
一人24リットルで1週間ほど。
5.身元確認:
家族が離れ離れになった場合、掲示板のこのスレッド、もしくはチャットに、家族の特徴を書き込んでください。
私たち大学の研究チームがデータベースを作ります。
プライバシー保護は申し訳ないが、今回破ることになることご承知おき下さい。ネットに載る時点でプライバシー保護は不可能になります。
ただ、命の前の尊厳を守るためチャットや掲示板でみた人は個人でプライバシーポリシーをお守りください。
勿論、非常時にかこつけて犯罪を悪戯をする人はいないと信じたいですが、何事も災害の後は治安が悪くなります。
そういった行動をする人は恥を知っておとなしく、自身の人品が卑しいことを後悔なさって反省なさってくだいませ。
6.国際支援:
私の友人の大学の研究チームが、地震直後から衛星写真を分析して救援活動を支援する予定です。
夜を徹して、行います。どうか、諦めないで。
国連もきっと動くでしょう。
貴方たちが――生き延びる準備を始めて。
スレッド:【予言】2週間後にインド洋で巨大地震が来る?【デマ?】
45 Tsunami_Watch
この「Humanitarian_Data_NOLA」の投稿、UNOSATのガイドラインと酷似している。ただの素人じゃない。それに、飲料水が汚染される話や身元確認のデータベースなんて、現場を知り尽くしていないと書けない。
46. PanicStop
45 もうダメだ……この書き込みを読んで、家族に電話して、今すぐ山の方へ引っ越すように言った。怒られたけど、でも、もし本当だったら……!
47. Realist_Man
FBIが図書館にいるのは事実。Oceanic_Analysis_Groupの数値が本物なら、このサバイバルガイドも本物かもしれない。……俺も、少しだけ水と食料を備蓄しておくことにする。
48. CyberGeek_X
遅い!手遅れになるぞ!この投稿者たちは、殺人鬼の場所を当てた>> LittleProphet_2004と繋がってるんだ!信じるか信じないかじゃない、これは予告だ!
49. HolidayTraveler
プーケットのホテルに電話したけど、そんな話は聞いてないって笑われた。でも、このスレッドを見てたら怖くて行けない。キャンセルする。旅行代金が無駄になっても、命の方が大事だわ。
50. Anonymous_User
49 チキンw まあ後悔しても知らないぞwww
51. HolidayTraveler
でもさ?昨日20日のニュースでスマトラ沖地震についての危険性、いつ起こってもおかしくないって言ってたぜ?だとしたらOceanic_Analysis_Groupの言ってることは正しいんじゃないか?
延々と続いていくスレッドを見て、よしっと拳を握った。




