持ち場
「あんたが新入り? ああ。珍しい外見だからって特別扱いはされないから。それと、あんたの寝る場所は左下。他は空きはないから。あんたの仕事場に案内するから 付いてきて。私も仕事中に呼ばれて まだ終わってないから、さっさと支度して。」
部屋に入って来て早々、早口で言われています。
しっかりした感じのスラリとした長身な方です。返事をしようにも、相槌をうつ隙がありません。
手渡された仕事着を素早く着て、後に続きます。
移動中に色々 聞こうと思ったんですが、廊下は私語厳禁と言われてしまい、何も話せません。
まだ、名前も聞いていなければ、自己紹介もまだなのです。
彼女は足が長いらしく、一歩一歩が大きくて、しかも早足なので 私は少し息が上がってきます。
年ですかね。ルーン様のお家は 大きすぎます。
「ここが 今日からの あんたの持ち場。担当位置は ここの責任者に聞いて。じゃ。私は仕事があるから」
そそくさと いなくなってしまいました。
私が案内されたのは、洗濯場です。沢山の布が山になっています。
誰が責任者なのでしょう?とりあえず、近くにいた人に聞いてみましょう。
「あの。お忙しいところを すみません。責任者さんはどなたでしょうか?」
仕分けしていた方が こちらに振り向きます。
小柄な方だと思ったら、子供でした。12〜14歳あたりでしょうか。
「今日から ここなの?責任者は あっちの方にいるはずだよ。着ている服が黒地で、左腕の手首に赤の糸で刺繍がしてあるから。行けばわかるよ。」
とても人懐っこそうな笑顔をしながら、責任者がいる方を指差して教えてくれました。
「ありがとうございます。私はマオと申します。今日から よろしくお願いします」
お辞儀をしたら 驚いた顔をされました。
すぐに笑顔を見せてくれましたが、すぐに仕事に戻ってしまいました。
これから仲良くなれれば 良いのですが。
そう思いながら、責任者さんを探します。よく見渡せば、この洗濯場だけで10人は居ます。
洗濯機が無いからでしょうか? 確かに手作業です。沢山の洗濯物があるので、この人数なのでしょうね。
私も早く加わって終わらせなければ!
「あの。今日から こちらで働く事になったマオと申します。私の担当場所はどこでしょうか?」
責任者さんを見つけて、案内をされます。
確かに左に赤い刺繍がしてあります。何の花なのでしょう?赤なので、とても華やかです。
「ここが あなたの持ち場。1人でも遅れたり、失敗すると 連帯責任で、ここにいる皆んなに迷惑がかかるから、しっかり働いて。」
「はい。よろしくお願いします」
私はどうやら、洗う担当です。
結構な力仕事ですが、もとから多少は力があるので、頑張りますよ!!!
ファイト〜!!!
衣類や、布の違いで5人は洗う担当です。私は 結構な汚れがある持ち場です。
これは 初日からハードですね。
まぁ。コツさえつかんでしまえば 案外 早く終わりますね。
布の面積も大きく無いですし。
高級素材じゃなくて良かったです。
私じゃ生地をかなり傷めてしまいそうですし。
デュオハルマさんの数少ない高級素材の服をヨレヨレにしてしまった事がありますからね。
さあ。
ノルマをこなしてしまいましょう!
連帯責任で迷惑かけたくないですからね。




