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僕の美少女モンスター  作者: 秋保嵐馬
Ⅳ.僕が戦う美少女モンスター娘四天王
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16.ケンタウロスのケイVSラミアのミア

 森が開け、広い広い空き地に出た。

 僕らが通う中学校の校庭よりも更に広い感じだ。

「絆君、マナとハピをお願い」

 ケイはその身を煙に包み、姿をケンタウロスへと変えた。

 僕とマナ、ハピは草むらの陰からケイの戦いを見守る――マナは見えないけれど――ことにした。

 地響きが起きた。

 空き地の中央に亀裂が走り、蜘蛛の巣状に割れた。

 そして、その中央からせり上がるように姿を現したのは――先日、僕らと戦った、半人半蛇のモンスター、ラミアのミアだった。

「まさか、アラクネのクオンとスキュラのユラを倒してここまで来るとはね。中坊のくせに、あたしたち相手にここまでやるとは」

「別に歳なんか関係ないでしょ」

 ケイもマナもハピも、人間でいえば中学二年生の歳だけれど強い。

 ケイが僕のところに来た時、自分で自分のことを「精鋭だ」と言っていたけれど、その言葉は掛け値なしだ。

「ケンタウロス……、このあいだはおまえとは戦わなかったが……。このあたしの力は、おまえたちをいっぺんに複数相手にできるほどなのだ。たった一匹でこのあたしに勝てるかな?」

「このあいだは、私と戦わなくて運が良かったわね。もし、私と戦っていたら、今頃そんなことは言えないわ」

「ほざくな小娘があ!」

 ミアが、槍のように鋭い尾の先端を、ケイに向けて放ってきた。

 血祭冴が以前戦った時は、その鋭い爪で尾を受けたのだった。

 ハピは羽根手裏剣を放ったのだった。

 ケイはどう戦うのか?

 ケイはくるりと後ろを向くと、後ろ足でミアの尾を蹴りつけた。

 かつて、血祭冴と戦った時、空の彼方まで蹴り飛ばしたほどの、強い強い蹴りだ。

 骨の折れる鈍い音が、僕やマナ、ハピのいる場所まで聞こえてきた。

「ぎゅあああっっ」

 骨を砕かれ、ミアが悲鳴を上げる。

 ケイは、両手に弓と矢を出現させると、ミアの上体に向かって次々と放った。

 ミアはくねくねと体を動かしながら、それらをかわし、上体を長く伸ばすと、ケイに噛みつかんと牙をむいて襲ってきた。

 ケイが、その大きく開けた口に向かって矢を放つ。

 ミアは、それを口で受け、矢を噛み折ると、ケイに噛みつかんと迫った。

 横っ飛びでかわすケイ。

 そのケイの馬体を、ミアの伸ばした蛇の下半身がとらえた。

「ひひひ……、とらえたよ。シッポの先端の骨を折られたくらい、どうということはない。かわりにお前の全身の骨を砕いてやるよ」

 ミアがその長い長い下半身を何重にも巻き付け、ケイの馬体をぎりぎりと締め付けた。

「ああ、ケイ!」

 その時、ケイの体がボワンと煙に包まれた。

 なんと、ケイは戦闘中だというのに人間の姿になったのだ。

 馬の前足は人間の両足に変化した。

 そして、その後ろに続いていた馬の下半身は――消失していた。

 ミアの尾は、「の」の字になって虚しく空をつかんだ。

 ケイは人間の姿になることで、ミアの拘束から逃れたのだ。

 ケイはそこから跳躍し、人間の足を使ってミアの顎に強力な膝蹴りを見舞った。

 人間の姿をしていても、ケイは高い身体能力をもつ。

 かつて、血祭冴と戦った時も、人間の姿のままの蹴りで、その腕を折っているのだ。

 ケイはそのままミアの頭上高く跳び、体を一回ひねって煙をまとうと、ケンタウロスの姿に戻ってミアの背後に着地した。

「ひ~~、ひはをはんららろ~~は(舌を噛んだだろう~~が)……」

 ミアは長い舌をだらりと口から垂らして、ケイをにらみつけた。

 負けずにケイもにらみ返す。

 あんなこわい表情のケイは見たことがない。

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