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僕の美少女モンスター  作者: 秋保嵐馬
Ⅳ.僕が戦う美少女モンスター娘四天王
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14.マーメイドのマナVSスキュラのユラ

「八本足……、またアラクネ?」

「いや絆、あれはスキュラだ」

「スキュラ?」

「上半身が人間、下半身が蛸のモンスターよ、絆君」

 渦の中心に立つモンスター、スキュラが口を開いた。

「私はスキュラのユラ。掛橋絆と、そのボディガードモンスターの娘たちだね。ここに来たということは、アラクネのクオンはやられたのか……?」

「ああ、ボクが倒した」

「おまえは……。私には分かる。人間の姿をしているが、おまえはハーピーだな。その様子では、クオンを倒したものの、相当なダメージを受けたようだな」

「ふん、こんなのどうってことないよ」

「フッ、強がりを……。さて、ここで私の相手をするのは誰だ? ま、見ての通り、ここでは水中戦となる。相手は一人しかおるまい」

「察しの通り、相手は私よ!」

 マナは、僕らの前に歩み出ると、ボワンと煙を身にまとい、マーメイドのモンスター体に変身した。

 下半身をJの字にして立ち、ユラと名乗ったスキュラと対峙する。

「行くよ、マーメイド!」

 ユラが叫ぶと、数本の水柱が槍のように鋭く先端を尖らせて、僕らに襲いかかってきた。

 僕やケイはともかく、今のハピではこれをかわせない!

 マナが両腕を指揮者のように振った。

 湖から、水の壁が勢いよく出現し、それらの水柱を防いだ。

 水柱も水壁も雲散した。

「ちょっと……、相手はあたしよ。他のみんなに手を出さないで」

「別にこっちは、全員まとめてかかってきてくれたってかまわないんだよ」

 自分の得意な水の中にいるからだろう。

 ユラのものすごい自信が伝わってくる。

 確かに、半人半蛸の水のモンスター、スキュラのユラに対し、まともに戦いを挑めるのはマーメイドのマナだけだろう。

 僕はもちろん、ケイやハピが束になってかかっても、水中ではユラの相手になるまい。

「その余裕、いつまで続くかしら?」

 マナが水に飛び込んだ。

 水面に顔を出し、渦の中心に立つユラに向かって泳いでいく。

「くらいな!」

 ユラが再び数本の水柱の矢をマナに放った。

 マナも腕を振る。

 マナの周囲から同様に数本の水柱が立ち上がり、ユラの水柱に正面から激突した。

「ほう、やるね」

と口では言うが、ユラは余裕の表情だ。

 マナは歌い出した。

 人魚の歌だ。

 聞く者の自由を奪う人魚の歌。

「させるかい!」

 ユラは自身の周りで回転する渦の速度を上げた。

 バシャバシャと轟音が沸き起こり、マナの歌声をかき消す。

「聞こえなければ、人魚の歌など関係ないんだよ!」

 ユラは、八本の足の内の二本を伸ばすと、マナに向かって放ってきた。

 マナが素早く潜る。

 マナのいた辺りの水面に、二本のユラの足が突き刺さった。

 マナは一体どこに?

 思う間もなく、マナがユラの背後から飛び出してきた。

 尾びれによる往復ビンタだ。

 以前、フランケン体状態の普見蘭にも見舞った強力なやつだ。

 だが、ユラはそれを三本の蛸の足で鉄壁にガードした。

 さらに追加の二本足を伸ばし、宙空のマナを捕えんとした。

 マナは尾びれでユラが三本の足で作った壁を器用に蹴って方向を変え、自分を捕えようとするユラの足をかわした。

 ユラの二本足が「の」の字になって空をつかんだ。

「ち……、ちょこまかと。さすがマーメイド、水中でのスピードを誇るだけのことはある」

 ユラが舌打ちした。

 さっきから見ていると、ユラはあまり動かないでマナに攻撃をしかけている。

 対するマナは、ユラの周囲を小刻みに動いて攻撃を加えていた。

 スキュラのユラが水中戦が得意とはいっても、スピードはマーメイドのマナのほうが上なのだろう。

「だが、こっちは伸縮自在の足が八本あるんだよ!」

 ユラの八本の足がぐーんと伸びた。

 そして、ものすごいスピードで水面に滅茶苦茶に突き刺し始めた。

「マナ!」

 だ、大丈夫なのか、マナ!?

 攻撃の間隙を縫って、マナが水上に顔を出した。

 ユラはそこを狙っていた。

 ユラは口から墨を吐いたのだ。

 八本の足をかわすことばかりに気を取られて、墨を吐きかけられることにまで考えが及んでいなかったのだろう。

 マナはユラの吐いた墨の直撃を顔面に受けてしまった。

「う……、いけない! 目が――」

 墨が目に入ってしまい、マナは視界を奪われてしまった。

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